外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

EURUSD ユーロポンドだけで対ドルの下支えは限界

2007-11-16 16:57:46 | ☆相場分析-ユーロドル

ドル安から、円高に話題が移る中で対円通貨ペアの円買い、例えばドル円の売りなどで取引チャンスを見出してきました。
このところ、ポンド円のシナリオが増えていますが、上記の要因に加えポンド安のバイアスがかかり始めたため、下落率が期待できることが主要因です。

円高に牽引される形で、ユーロ円ももちろん下落してはいますが、他のクロス円に比べればペースが遅く、その要因はユーロの買い需要が根強いことが指摘されます。
もちろん、強い通貨への外貨準備を増やすとの中国発言が影響していることは事実ですが、別のバイアスの存在が気になっています。

ユーロとリスク通貨(ここでは高金利通貨という意味で)のクロスは、サブプライム以降でも円と同様なユーロ売りリスク通貨買いが長い間のトレンドでした。
つまり、ユーロも資源国通貨などへのリスク投資のために、例えばユーロ売りカナダ買いのような動きがありました。

しかし、11月に入ってユーロクロスは概ねリスク通貨売りユーロ買いに反転しています。このユーロ買いが円や対ドルでユーロ需要が高いと感じていた原因ですが、実は10月までは投資の延長、11月からは回収の動きと言うのがトレンドに見えます。

一方でユーロスイスなどではユーロが売られてスイス高で張り付いている状況を考えれば、今のところ巻き戻しは発生していません。つまり、リスク回避先という別の原因が機能している可能性があります。

この観点でいえば、ユーロ円も下落余地はありそうです。
つまり、リスク回避先ということで円買いが継続される一方で、円売り外貨買いのキャリートレードが投資方向だったとすれば、その回収方向は円高になってしまうからです。この現象は何もユーロ円だけの要因ではありませんが、その他のペアに関しては既に幾つかのステージを終了しています。
残るは、ユーロドルでの投資回収を考えれば、方向はユーロ売りドル買いとなることに、異を唱える方は少ないのではないでしょうか。

ドルでも11月に入って買い戻しが発生しています。このところポンドなどが対ドルで弱い原因は、実はこんな背景があるとにらんでいます。
このように考えると、ユーロは対ドルで売りとなるのが自然で、特に出遅れ感があります。ポンドと同様な展開があり得ると思います。

ドルを買う地合いではありませんが、11月のドル買いは投資からの回収です。そんな意味で、ドル売りと資金の回収が一致したドル円の下落がイメージし易かったのではないでしょうか。
ユーロ円ですが、ドル円の下落が一服すると仮定すれば、円高での下落には限界がありますが、決してユーロ円を買えるタイミングではない気がしています。つまり、出遅れたユーロドルが下落することででユーロ円はもう一段の下落が予想されるからです。
ユーロ円での下落シナリオが描ききれないのは、ユーロクロスでのユーロ買い戻しがあるからで、ならば主原因となりそうなユーロドルのストレートを売ろうというのが発端です。

ユーロは対ポンドでも強い立場を維持しており、ユーロドルは現状維持、ポンドドルは下落といった動きです。しかし、こんな状態は長く続くことはできないため、ここまでポンドが下がるならユーロも調整が必要であり、この辺りがユーロ売りのトリガーとなりそうです。

もし、本当にユーロが踏みとどまるとすれば、機軸通貨という話題がより現実味を帯びてくるかもしれません。

 
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