外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

2007年度期末 ひと波乱あり 中後期は高金利通貨の金利政策が焦点か

2008-03-31 21:34:26 | ☆外国為替を読む

今月もお疲れ様でした。

サブプライム問題に端を発した、極端なドル売り相場を体験し、本3月はその底値圏での乱高下という月になり、非常に難しい相場となりました。

円とユーロ、スイスに関しては、ドル売り相場のトレンドを変え切れておらず、素直に従えばドル売りというスタンスに変更はありません。一方で、ポンドや豪ドル、キウイなどは対ドルでも強くなりきれていないことも事実です。

2007年の、8月の悪夢直前の7月末対ドル相場は、
USDJPY=118.54
EURUSD=1.3685
GBPUSD=2.0318
AUDUSD=0.8531(非当社データ)
NZDUSD=0.7624(非当社データ)
となっています。

現在21:00前後の数値を2008年3月末と仮定すると
USDJPY=99.61
EURUSD=1.5803
GBPUSD=1.9836
AUDUSD=0.9131(非当社データ)
NZDUSD=0.7890(非当社データ)
となり、ドル安と叫ばれているトレンドにおいて、ポンドは更に下落、AUD(7%上昇),NZD(3.5%)もこの程度に終っています。

つまり、資源高に連動するように上昇したとされる通貨も、クラッシュ以前と比べると僅かに上昇している程度ということになり、リスク回避中心の動きの中では、さほど選好されていない状況がわかります。

たしかに、リスク回避行動が増幅された結果、8月の悪夢における下落幅は異常なものがありました。その底値から比べれば、クラッシュ前を越えている事実はかなりの上昇幅ではありますが、このタイミングを契機にドルは一方的に価値を下げていると仮定すれば、僅かに上回る程度の通貨にはあまり信憑性を感じていません。

もし、これ以上これらの通貨が対ドルで上昇するようであれば、ユーロや円、スイスといった現状では逃避先となっている通貨の上昇はもう一段ありえてしまうことになりそうです。

高金利通貨を買うメリットは、下落さえしなければその金利差収益は無視できません。ただ、高金利通貨はそれだけリスクが高いですよ!というメッセージでもあり、買いの戦略ではそのあたりの細かいコントロールが必要です。ましてや、数年まえの円安時代ではないのですから、なおさら下落には注意を払うことを前提にされると良いでしょう。

では、来月もよろしく御願いします。