福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

内田さんから紀行文「高野山から信貴山へ」がとどきました。その2

2010-10-22 | 開催報告/巡礼記録
夕食前に御住職の話を聴く。「毎日当たり前に生きてることが有り難いことなのです」の言葉が重く感じる。有り難い、即ち有るのが難しい、ありがたい。

 私は小二の時まで最愛の祖母と同じ布団で寝ていたが、二月のある日、夜八時頃一緒に寝て、夜中に突然死んだ。寝るとき毎晩本を読んでくれ、「続きは明日の夜ね」が最後の言葉だった。それから半年間自分の声が出なくなった。

又、大学一年夏休みの東北旅行最後の日、湖で、目の前一メートルで親友を失った。十八才だった。

又、弟が入院して一ヶ月で四十九才で逝った。

愛した人が、元気だった人が、笑顔を私の心に残したまま、突然違う世界に旅立った。時の流れの中のうたかたの命を考えると、当たり前と思って毎日生きていることは奇跡なのかもしれない。三人とも私に「生きるとは」の大きな課題を残していった。(続)
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