福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

情報と物語

2020-06-22 | 法話
昔NHK「100分で名著・歎異抄」を聴いていたとき、釈徹宗師が「情報と物語」を比較して
「『情報』では人を救えない。それは消費の対象で個々に切り離されている。それに対して、『物語』は、それに出会うと二度と元に戻れないようなものだ・・・」という趣旨のお話をされていました。『物語』こそ宗教の本質だ、ということです。ただ、受け取る人の機根が劣っているとどんないい物語でも「情報」となってしまします。逆に凡人には情報としか見えないものでも、受け取る人の機根が優れていれば『物語』となります。森羅万象からどれだけ「物語」を感じ取れるかはまさにその人の「機根」に依るのでしょう。東日本大震災もその後の台風被害も、最近のコロナのパンデミックも「情報」ではなく「大変な物語」のはずです。こうして次々と大変な地球的物語が起こるということは、なにを物語っているのでしょうか?


歴史学者 アーノルド・J・トインビーは「滅亡する民族の3つの共通点」
の最初に「自国の歴史を忘れた民族は滅びる」といいました。歴史とはすなわち「物語」です。
地球も国も家庭も「物語」を見失ったときは危機です。ともすれば戦後は、歴史を語る、物語を語るのを揶揄するか批判する傾向が続いています。其の延長線上に拉致、東日本大震災やコロナ等があります。亡国の兆しが続いています。
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