一期大要秘密集・・5
五に、業障を懺悔する用心
範師の意に云く、(範師、実範の病中修行記に出ず)、惑業はこれ大菩薩の障なり。久しく起造するところ必ず懺悔すべし。懺悔の方、多し。宜に随って要を取れ。或いは衣物を捨てて神呪を誦せしむ。所謂転法輪・召罪・摧罪・仏眼・金輪・寶筐・尊勝・光明・弥陀・滅罪・浄三業等の真言・禮懺経・五十三佛名・懺法等なり。(実範の「病中修行記」に「一、己発の惑業を除くべきこと。惑業は是れ大菩提の障なり。久しく起造する所、必ず懺悔すべし。懺悔の方、多し。宜に随って要を取れ。或いは衣物を捨てて神呪を誦せしむ。所謂尊勝・光明・弥陀の呪なり。・・」とあり。)病者當に彼の真言の體の阿字の義を念ずべし。滅罪の説、深く信じて疑ふことなかれ。或ひは密教に依ってただ実相を思へ。當に惑業は衆縁より生ずと想ふべし。衆縁生の故に有始有本なり。此の能生の縁も亦縁より生ず。展転して縁に随ふ。誰をか其の本とせん。此の如く観察するとき、則ち本不生際はこれ惑業の本なりと知る。惑業既に本不生際に皈すれば惑業即ちころ本不生際なり。本不生際は即ちこれ法界,即ちこれ中道,即ちこれ実相なり。不実不妄にして定相ありことなし。この故に惑業実相んも中には憂悩可毀の定相あり¥ることなし。若ししからば豈に障道の用あらんや。妄有を堅執し真空を猶予することなかれ云々。重ねて転法輪に住して其の真言を念誦せよ。阿頼耶識の中に菩提を違背する種あり(往生を障ふる源なり、唯この種を談ぜよ)。次に法輪の印を結んで彼の厭離の輪を摧け、といへり。
五に、業障を懺悔する用心
範師の意に云く、(範師、実範の病中修行記に出ず)、惑業はこれ大菩薩の障なり。久しく起造するところ必ず懺悔すべし。懺悔の方、多し。宜に随って要を取れ。或いは衣物を捨てて神呪を誦せしむ。所謂転法輪・召罪・摧罪・仏眼・金輪・寶筐・尊勝・光明・弥陀・滅罪・浄三業等の真言・禮懺経・五十三佛名・懺法等なり。(実範の「病中修行記」に「一、己発の惑業を除くべきこと。惑業は是れ大菩提の障なり。久しく起造する所、必ず懺悔すべし。懺悔の方、多し。宜に随って要を取れ。或いは衣物を捨てて神呪を誦せしむ。所謂尊勝・光明・弥陀の呪なり。・・」とあり。)病者當に彼の真言の體の阿字の義を念ずべし。滅罪の説、深く信じて疑ふことなかれ。或ひは密教に依ってただ実相を思へ。當に惑業は衆縁より生ずと想ふべし。衆縁生の故に有始有本なり。此の能生の縁も亦縁より生ず。展転して縁に随ふ。誰をか其の本とせん。此の如く観察するとき、則ち本不生際はこれ惑業の本なりと知る。惑業既に本不生際に皈すれば惑業即ちころ本不生際なり。本不生際は即ちこれ法界,即ちこれ中道,即ちこれ実相なり。不実不妄にして定相ありことなし。この故に惑業実相んも中には憂悩可毀の定相あり¥ることなし。若ししからば豈に障道の用あらんや。妄有を堅執し真空を猶予することなかれ云々。重ねて転法輪に住して其の真言を念誦せよ。阿頼耶識の中に菩提を違背する種あり(往生を障ふる源なり、唯この種を談ぜよ)。次に法輪の印を結んで彼の厭離の輪を摧け、といへり。