私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

KARAJAN LAST CONCERT IN LONDON 1988

2009-02-20 18:27:00 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 このCDに収められているシェーンベルク「清められた夜」作品4とブラームス交響曲第1番ハ短調作品68はヘルベルト・フォン・カラヤンにとって生涯最後の演奏記録(1988.10/5)になった。後の演奏会でもこの2つの作品はプログラムに載ることはなかった。ブラームスの第1番はカラヤンお気に入りの交響曲でもあり何回コンサートで取り上げられただろうか?東京での最後の演奏会(1988.5/5、サントリー・ホール)でも最後を飾った曲がやはりこの第1番だった。凄みを感じる名演で昨年彼の生誕100周年を記念してCD化されている。一方プログラム前半に演奏されたシェーンベルク「清められた夜」はカラヤンが1974年ごろ新ウィーン楽派の作品集をDGからリリース前後からプログラムに取り上げる機会が増えた作品である。東京でも1973年NHKホール落成記念で来日折にも演奏している。(1973.11/1)この時の後半のプログラムはベートーヴェン交響曲第3番「エロイカ」だった。
 このロンドンの演奏会はロンドン地下鉄(Tube)のエンバンクメント駅からほど近いロイヤル・フェスティバルホールで開催された。私もケンペやショルティの演奏会で何度か足を運んだなじみのあるホールである。CDの解説によれば当日午後8時から始まるコンサートがフランスでのストライキの影響でベルリン・フィルの楽器の到着が遅れコンサートも午後9時から始まったと言われる。
 演奏は今さら言うまでもなく東京の演奏会以上の凄みを感じさせる名演になっている。BBC放送の録音も素晴らしい。カラヤン不滅のライヴ演奏としてまさにTESTAMENTとして語り継がれていくことだろう。


サヴァリッシュのボロディン:交響詩「中央アジアの草原にて」

2009-02-20 13:22:00 | 管弦楽曲
 今日紹介するLPは今から約20年前に日本の東芝EMIからCDで発売されたものである。収録内容は当時バイエルン州立歌劇場の音楽監督、現在NHK交響楽団の桂冠名誉指揮者を務めるウォルフガング・サヴァリッシュが彼のレパートリーにしてちょっと珍しい管弦楽小品を集めたオムニバス盤の第1集である。参考までに収録内容は1)グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲、2)ボロデイン:交響詩「中央アジアの草原にて」、3)ムソルグスキー:交響詩「禿山の一夜」4)カバレフスキー:組曲「道化師」、5)プロコフィエフ:組曲「3つのオレンジへの恋」から「行進曲とスケルツオ」、6)リムスキー=コルサコフ:「スペイン奇想曲」で全てロシアものである。もちろん管弦楽は手兵バイエルン国立歌劇場管弦楽団でいずれの曲もサヴァリッシュ初録音だが私は第2曲目のボロディンの交響詩「中央アジアの草原にて」の演奏が特に気に入っている。演奏時間にして約8分足らずの小品だがこの演奏を聴くと荒涼とした中央アジアの砂漠の情景が浮かんでくる。またイングルッシュ・ホルンで奏される東洋的旋律が美しい。作曲者ボロディンが1880年、アレクサンドルⅡ世即位25周年祝賀記念行事として行われた「活人画(Tableau vivant)」の伴奏音楽でリストに献呈されている。タイトルはロシア語表記のほか仏語表記もある。(Dans les steppes de l'Asie centrale)
 尚、写真のLPレコードはオーディオ・チェックレコードとして頒布されたもの(非売品)で贅沢に45回転、2枚組みでカッティングされた重量級レコードでもある。1996年11月サヴァリッシュ来日の折サインを入れてもらった。