昨日から東京はポカポカ陽気で「春」の訪れを感じる。ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの傑作第5番「春」はこのような季節に聴きたくなる音楽だ。副題の「春」はベートーヴェン自身がつけたものではないが曲全体が明るく希望に満ちた曲想で描かれておりいかにも「春」の到来を感じさせる。作曲は1801年に完成しフリース伯爵に献呈された。この作品の名盤は多々存在するが私はユーディ・メニューインのヴァイオリン、ウィルヘルム・ケンプのピアノで演奏されたLPを愛聴している。ケンプ75歳、メニューイン54歳の時の録音で二人とも油の乗り切った演奏で息の合った清々しい演奏を聴かせている。(写真ー日グラモフォンLP、MG2252)このレコードはメニューインの2度目のベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ全集の1枚でドイツ・グラモフォンへの唯一の録音でもあった。