私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

カラヤンのR.シュトラウス:楽劇「サロメ」

2009-02-22 11:14:34 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 ヘルベルト・フオン・カラヤンが1977年のザルツブルグ音楽祭で取り上げたオペラはヴェルディの「ドン・カルロ」とこのR.シュトラウスの「サロメ」(全一幕)であった。チケットは瞬く間に完売するほどの盛況であった。このレコードの録音は音楽祭が開催される直前の5月から行われている。キャストもほぼ同じメンバーでタイトロールのサロメ役にヒルデガルト・ベーレンスをカラヤンが起用したことに注目された。彼女は期待にこたえ音楽祭でも大成功を成し遂げた。
 この作品は「新訳聖書」から題材を得た話でR.シュトラウスは英国のオスカー・ワイルドの戯曲にスポットをあてラッハマンによる独訳を台本とした。というのはワイルドの原作はフランス語で書かれているためである。なぜ英国人のワイルドがフランス語で記述したのかは定かではない。
 この「耽美的」傾向の強い作品はやはりカラヤン美学がものをいう。ウィーン・フィルの弦、金管楽器の美しい響きがたまらない。第4場のクライマックスで演じられる「サロメの舞」-「七つのヴェールの踊り」は聴き所である。カラヤンの美の世界が全面に発揮され見事に仕上がっている。