私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

レオポルト・ルートヴィッヒのチャイコフスキー交響曲第5番 (独オイロペーシェル - LP)

2015-12-11 14:03:24 | 交響曲

  レオポルト・ルートヴィッヒ(Leopold Ludwig/1908~1979)&「ハンブルク国立フィル」による「チャイコフスキー交響曲第5番」は「第6番<悲愴>」(1959年録音)と共にステレオ録音だがこの「第5番」の国内盤は数年前に「オイロディスク・ヴィンテージ・シリーズ(デンオン)」でCD化されるまで未発売だったと思う。写真のLPは「独オイロペーシェル(Europäischer)-Opera レーベル」初出モノラル盤(Nr.1185)だが音質は大変良好である。記録によれば録音は「悲愴」に続き1960年3月にハンブルクの「クルトゥアラウム」で行われている。ルートヴィッヒは「ウィーン国立歌劇場」の首席指揮者を務めるなど「オペラ指揮者」として活躍、1950年から71年までは「ハンブルク国立歌劇場」の総監督を務め人気を博したがオーケストラ作品もこのほかロンドン交響楽団との「マーラー/交響曲第9番」(1959年録音)やエミール・ギレリスとフィルハーモニア管弦楽団とのベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番・第5番<皇帝>」(1957年録音)等々名盤を遺している。

 

 

 

 

 

  

 


コンヴィチュニー&ウィーン交響楽団 - ブルックナー「交響曲第4番”ロマンティック”」

2015-11-29 18:18:35 | 交響曲

 これまでフランツ・コンヴィチュニーのブルックナー交響曲第4番「ロマンティック」公式録音については①チェコ・フィル(1952年モノラル)②ウィーン交響団(1960年ステレオ)③ゲヴァントハウス管弦楽団(1961年ステレオ)の3種の存在が知られていた。ところが先頃、②と③の録音が同一音源であることが判明しゲヴァントハウス管弦楽団とのものは存在しないことになり私も大変ビックリさせられた。写真のLPは1963年に「フランツ・コンヴィチュニーの芸術ー第1巻」として「日本コロムビア」から初リリースされた「ウィーン交響楽団」とのステレオ盤である。(OS-3398)従ってこの「ウィーン交響楽団」との録音は1961年に「独オイロディスク」の前身、「独オイロペーシェル(Europäischer)」によって行われたことになる。音質はこの時代のステレオ録音としてはまずまずでウィーン響の金管群の響きが印象的である。また1961年と言えばコンヴィチュニーが手兵「ゲヴァントハウス管弦楽団」を伴い初来日、「ベートーヴェン交響曲チクルス」でファンを魅了した。

(ライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団/1961年初来日公演プログラム)


ルドルフ・ケンペのメンデルスゾーン/交響曲第3番「スコットランド」

2015-11-20 15:35:29 | 交響曲

 ルドルフ・ケンペのメンデルスゾーン交響曲公式録音は確か1950年代初頭にチェコのスプラフォンに「ドレスデン国立管弦楽団」と録音した「スコットランド」(モノラルSP盤)が唯一と思われる。写真は1960年代にリリースされた同音源の「米パーリアメントLP盤」(PLP-142)である。当時の録音としては音質も良好で味わいある演奏が心地よい。聞くところにればプライベート盤で「バンベルク交響楽団」との「スコットランド」のほか「第4番<イタリア>」・「第5番<宗教改革>」もステレオ録音でのこされているそうで機会があればぜひ聴いてみたい思っている。

 

   


コンドラシン&モスクワ・フィルハーモニー響 - ショスタコーヴィチ/交響曲第8番

2015-11-19 11:40:12 | 交響曲

 キリル・コンドラシン(Kirill Kondrashin/1914~1981)が1960年「モスクワ・フィルハーモニー交響楽団」の音楽監督就任した翌年、1961年から74年にかけ「メロディア」にレコーディングした「ショスタコーヴィチ交響曲全集」から最初に録音された「第8番」を取り上げてみたい。写真のLPは1960年代に「日本ビクター」からリリースされた懐かしい「新世界レーベル」である。(国内盤:SMK7674) ちなみにこのコンドラシンによる「ショスタコーヴィチ交響曲全集」はステレオで世界初の全集録音でもあった。演奏は重厚で迫力も充分で申し分ないのだが音質が金属音的でやはり時代を感じてしまう。

 


カイルベルト&バンベルク響の「田園」

2015-11-18 11:06:57 | 交響曲

  早起きして今日はカイルベルト&バンベルク交響楽団のベートーヴェン/交響曲第6番「田園」に針をおろす。(写真/独テレフンケンLP、6.41330)数ある私の「田園」のコレクションの中でも一番素朴で飾り気のない演奏だと思う。ちなみにこのレコードには詳細な録音データの記載はないが1960年前後のステレオ録音であ   る。彼が1968年春、この手兵バンベルク響を伴って来日、同時にN響にも客演し日本のクラシック音楽ファンに深い感動をのこしたことは今も忘れることができない。そしてその年の秋、ミュンヘンでワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルルデ」を指揮中に倒れ急逝したニュースはファンの間に激震が走った。もう今から約半世紀近く前のことなのだが・・・当時の「バンベルク交響楽団・来日プログラム」(写真・下)をめくりながら思い起す。

 

 


世界初録音盤ーマゼールのツェムリンスキー「抒情交響曲」

2015-08-21 13:25:15 | 交響曲

 写真のLP、ユリア・ヴァラディ(ソプラノ)、ディ-トリヒ・フィッシャー=ディスカウ(バリトン)、ロリン・マゼール&ベルリン・フィルによるツェムリンスキー「抒情交響曲」作品18は思い返せば世界初録音盤だった。(独グラモフォンー2532 021 1981年デジタル録音)作曲者のツェムリンスキー(Alexander Zemlinsky/1871~1942)は当時オーストリア=ハンガリー帝国だったウィーンの生まれでシェーンベルクの義兄にあたる。また彼は「ウィーン・フォルクスオーパー」初代音楽監督や「プラハ・ドイツ歌劇場」の音楽監督も務めた人である。ちなみに当作品は作曲された翌年の1924年に自身の指揮でプラハで初演されている。曲は7つの楽章から構成されテキストはインドの大詩人タゴールの詩集からとられている。内容は平たく言えば男女の恋愛が語られている。当盤は鬼才マゼールの鋭い感性が伝わる名演でデジタル初期録音としても優秀だった。

 

 


A.メリク=パシャーエフ&ボリショイ劇場管弦楽団の「悲愴」・「未完成」

2015-08-06 13:52:32 | 交響曲

 今日、紹介するグルジアの首都トビリシ出身の指揮者、作曲家アレクサンドル・メリク=パシャーエフ(Alexandre Melik-Pashayev,1905~1964)は日本はもとより西側諸国ではほとんどその名は知られてなかった。彼は地元のトビリシ音楽院で学んだ後レニングラード音楽院でアレクサンダー・ガウクの薫陶を受け1931年よりボリショイ劇場でオペラ指揮者となり、1953年には音楽監督に就任、以後10年間に渡り「ボリショイ・オペラ」の育成に努めた人である。また記録によれば1938年開催の「全ソ指揮者コンクール」で巨匠エフゲニー・ムラヴィンスキーに次ぐ「第2位」に輝いている。レコード録音はロシア・オペラ作品を中心に「ソヴィエト・メロディア」に数多く残しているが西側レーベルで出回ることはほとんどなかったと思う。写真のCD、「ボリショイ劇場管弦楽団」と入れたチャイコフスキー「交響曲第6番<悲愴>」(1960年モノラル録音)・シューベルト「交響曲第7番(旧・第8番)<未完成>」」(1962年モノラル録音)は2012年に「新生メロディア・レーベル」からリリースされた彼の貴重な管弦楽曲録音のひとつといえるだろう。ちなみに「悲愴」の音源はだいぶ以前に「独テレフンケン」からもLPで出ていたような気がする。録音も大変良好でどちらもじっくりと重厚で聴きごたえある演奏だ。(写真/ロシア・メロディアーMEL CD 10 02072)


イェルジー・セムコフのチャイコフスキー

2015-07-29 15:14:23 | 交響曲

 先日もイェルジー・セムコフのワルシャワ国立フィルによるベートーヴェン交響曲第6番「田園」のライヴ盤を紹介したところだが今日は写真のチャイコフスキー交響曲第4番を取り上げてみたい。こちらもポーランド老舗レーベル「Polskie Nagrania」(ポルスキエ・ナグラニア)、通称Muza(ムザ)盤で現在では入手困難な1枚になっている。オーケストラはワルシャワの南に位置する工業都市カトヴィツェ(Katowice)に本拠を置くポーランド国立放送交響楽団である。レコードのデータによれば録音は1980年6月20日に本拠地カトヴィツェで行われている。演奏はおおむねオーソドックス・スタイルで派手さはないが幾分の渋味が魅力的だ。またジャケット・デザインもシンプルながら個人的には大変気に入っている。また余談だが彼はこの録音とほぼ相前後して「第5番ホ短調」も当レーベルに録音している。(写真ーPolskie Nagrania(MUZA)LP -SX2138ステレオ)

 

 

 

 


スタニスラフ・ヴィスロツキのベートーヴェン

2015-07-25 19:55:50 | 交響曲

  スタニスララフ・ヴィスロツキ(1921~1998)はヴィトルド・ロヴィツキ(1914~1989)と並ぶポーランドを代表する指揮者だったが日本では西側でも活躍したロヴィツキの方が印象度も高い。というのもヴィスロツキのレコードの大半はポーランド・ムザ盤でリリースされており日本ではリヒテルとドイツ・グラモフォンに録音した名盤、ラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」(1959年録音)ぐらしか思い浮かばない。今回紹介する写真のLPは彼が「ポーランド国立放送交響楽団」と録音したベートーヴェン交響曲第1番・第3番「エロイカ」を収めた2枚組のポーランド・ムザ盤である。LPには詳細なレコーディング・データの記載がないので録音年月日等は不詳だがオリジナル・ステレオ録音なので彼がこのオーケストラの首席指揮者を務めていた1970年代後半から80年代初頭にかけてのものかと思われる。演奏はおおむねオーソドックス・スタイルのベートーヴェンで可も不可もない。LP2枚組のため第1面に交響曲第1番の第1楽章~第3楽章、第2面に第4楽章・「エロイカ」第1楽章、第3面に第2楽章、第4面に第3楽章・第4楽章とちょっと贅沢にカッティングされている。(写真/POLSKIE NAGRANIA, MUZA SX1822-23 2LP)

 


超個性的指揮者、シルヴェストリのチャイコフスキー/交響曲第4番

2015-07-23 21:45:00 | 交響曲

 ルーマニア、ブカレスト出身のちにイギリスに帰化した超個性的指揮者コンスタンティン・シルヴェストリ(1913~1969)については過去に名盤を何枚か取り上げたと思うがこのフィルハーモニア管弦楽団との「チャイコフスキー交響曲第4番」はやはり忘れることができない。(写真/国内盤LP-東芝ASC1002) 1957年2月ロンドン、キングズウェイ・ホールにおけるステレオ録音で同時並行して「第5番」「第6番」の録音も行われている。とりわけ、この「第4番」は冒頭のファンファーレからして聴き手がズッコケそうになるユニークなリズムが大変興味深くこのような演奏スタイルをとる指揮者は他に聴いたことがない。彼は1964年に来日しNHK交響楽団に客演、当時のプログラムをめくりながら思い起こしている。(写真・下)ちなみにこの「第4番」は公開放送収録で当時の旧NHKホールで取り上げている。(2012年「N響85周年記念ライヴ・シリーズ」CD化)