ジェイムズ・ロッホラン(James Loughlan)も懐かしい指揮者の一人である。1980年代にはよく「日本フィル」に客演しホルストやエルガーなどイギリス作品の名演が印象に残る。彼も現在は80歳を超える長老となった。今日紹介する「ハレ管弦楽団」の芸術監督時代に録音したベートーヴェン交響曲第3番「エロイカ」(写真)は忘れ得ぬ1枚だ。派手さはないが骨太でガッシリとした「エロイカ」が聴ける。余談になるが収録時間の関係からかこのレコードは第1面バンド1に「第4楽章」、バンド2に「第1楽章」を収め、第2面バンド1に「第2楽章」、バンド2に「第3楽章」を収めているところもユニークだった。原盤は当時(1976年)に新しく創設された「エニグマ(Enigma)」レーベルでこのビクター盤LPが確か「エニグマ国内盤」初出だったと思う。(写真/国内盤ーVIC2133 1976年9月、マンチェスター、フリー・トレード・ホール録音)