私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

航空ドキュメンタリー・レコード 「DC-10」

2011-12-10 18:21:58 | ドキュメンタリー録音

 今日は久しぶりに「ドキュメンタリー録音」のレコードを整理した。その中から懐かしい「DC-10」型機を飛行取材した写真の1枚についてふれてみたい。
 このLPレコードは今から30年余り前の1978年に「CBSソニー・レコード(当時)」発足10周年を記念して制作されたもので「KLMオランダ航空」の当時の花形ワイド・ボディ機DC-10-30に搭乗取材したものである。録音は1977年12月22日から23日にかけ東京(羽田)-アンカレッジーアムステルダム路線(北極圏回り)KL868便で行われている。現在では国際線の新ターミナルも開業し国際路線も新時代を迎えた羽田空港に生まれ変わったが当時は「成田新国際空港」開業を翌年5月に控えていた。今振り返ればLPレコード時代、特に1960年代中頃から70年代にはこのジャンル - 鉄道(SL)、航空機を中心としたドキュメンタリー録音がかなり出回っていたがその後CD時代に入りその数が激減したように思う。これも時代なのだろうか?
 手元の資料で「KLM」の東京ーアムステルダム路線の当時を振り返ると北回りがこの「DC-10」、南回り(東京ーマニラーバンコクードバイーアテネーアムステルダム)が「B-747」で運行していた。現在ではノン・ストップが当たり前なので当時よく利用させてもらった私にはこのLPを聴くと昔の思い出が脳裏に甦る。また「KLM」のDC-10」には機体にバッハ、ベートーヴェンなど音楽家の名前が付けられていたので「クラシック音楽」ファンの私にとってはことさら愛着を感じていた。写真(下)は記念に頂いた1980年1月16日に搭乗したDC-10(KL-867便)アンカレッジー成田間の飛行ルート・マップで機体名がこのLP録音と同じ「べ-トーヴェン」だった。

SLドキュメンタリー録音 - 「Trains in the Night(夜行列車)」

2010-12-22 23:30:58 | ドキュメンタリー録音

 今日はまた「SLドキュメンタリー録音レコード」から紹介したいと思う。写真のLP(ZTR105)は英国「argo」レーベルの「Trains in the Night(夜行列車)」と題するもので筆者が1970年代にロンドンの「パディントン駅」の売店で偶然見つけ求めた1枚である。
 内容はレコード第1面がロンドンの北西部チルターン丘陵(Chilterns Hills)に位置する「プリンセス・リズボロー(Princes Risborough)駅付近で1961年12月から1962年1月にかけてステレオ収録されたSLが牽く夜行急行列車の通過音ほか第2面はスコットランド地方、ニューキャッスルトン(Newcastleton)ースチール・ロード(Steel Raod)付近で1961年4月に収録されたSL旅客列車、貨物列車の迫力ある音で楽しめる。夜明け前の鳥たちの鳴き声もクリアに録られており特に「ホーホー」と鳴く「ふくろう」が無気味に聞こえる。
 この半世紀近く前の音源が現在CD化されているか否かは不明だが「アーゴ・トランザコード録音(ARGO TRANSACORD RECORDING)」によるSLサウンドは今聴いても実に素晴らしい。



航空ドキュメンタリー録音=「A300大空輸作戦」

2010-12-05 13:02:03 | ドキュメンタリー録音

 今日はまた私の「ドキュメンタリー・レコード・コレクション」から取り上げてみたいと思う。前回2回は「SLドキュメンタリー」にスポットを当てたので今回は「航空ドキュメンタリー」の大変ユニークな録音を紹介したい。
 これは「ヨーロッパー東京16,000キロ・エアバスA300大空輸作戦」と題する(上)(下)LP各2枚組みのレコードである。(写真上ポリドールMRA9666~69/ステレオ録音)内容は1980年11月27日~29日の3日間かけて当時の「東亜国内航空(TDA)」が新規発注した「エアバスA300」1番機をフランスのツールーズから東京(羽田)までの「大空輸ドキュメント」を収録したユニークなものである。このレコードは翌年1981年に「ポリドール」から発売されている。この「A300」は「エアバスインダストリー社」(フランス・西ドイツ(当時)・イギリス・スペインの共同体)が誇る当時の花形の大型ジェット旅客機である。このエアバス機をツールーズから東京まで運ぶ作業は実に大変なことであったと思う。というのは当時「TDA」が発注した「A300」は短距離型の「A300B2-200」型機で航続距離も約3,000Kmと短いため東京までの飛行ルートは必然的に「南廻りルート」がとられた。その結果、「ツールーズ -カイロ - アブダビ - ボンベイ(ムンバイ) -バンコク - 香港 - 東京」のルートが取れれている。レコード上巻にはインドのボンベイ(ムンバイ)着陸までが下巻はボンベイ離陸から東京(羽田)着陸までが収録されている。コックピット内での交信風景ではサウジアラビア上空での「交信不能」のハプニングなどパイロットたちの緊張感、悪戦苦闘ぶりも収録されている。最終目的地、「東京・羽田国際空港着陸」までの波乱と感動のフライト・ドキュメントだ。
 現在は最新鋭の2階だて構造の「A380」が就航する時代である。筆者も9月に就航3日目の「エール・フランス機」に搭乗しその快適な空の旅を満喫したところである。写真下はこの「A300」空輸ドキュメントも写真入りで紹介したA300特集の当時の「航空ジャーナル」誌ー1981年3月臨時増刊号。

 

SLドキュメンタリー録音ー国内編から「蒸気機関車の旅情」

2010-11-21 21:26:07 | ドキュメンタリー録音
 先日、「SLドキュメンタリー・レコードコレクション」から「雷鳴下の蒸気機関車」(海外編ーアメリカ)を紹介させていただいたが今日は国内編から筆者の愛聴盤を1枚取り上げてみたい。写真のLPレコードも今から40年以上も前に「ビクター」からリリースされたものである。タイトルは「音でつづる風物詩~蒸気機関車の旅情」で「四季ー春夏秋冬」を走り続ける風情あるSLの一コマ一コマを綴った「音のアルバム」である。
 内容は1958年から1968年の10年余りにかけて日本各地で収録されたSLたちと人々のドラマである。この中でとりわけ筆者が特に気に入った録音は「龍ヶ森にあえぐハチロク」と題された「花輪線」の勾配が最もきつい龍ヶ森をあえぎながら8620形(通称ハチロク)が牽く貨物列車が小雨と遠雷が鳴る中走り続けるドラマチックなシーンを見事に捉えた夏の一コマの録音である。凄まじい落雷の音も見事に捉えられさらなる効果もあげている。まさに「日本版ー雷鳴下の蒸気機関車」である。もう一つは1960年(昭和35年)10月に収録された「みちのくに旅立つ特急はつかり」を収録した上野駅での一コマである。当時の常盤線の電化区間はまだ「取出」までだった。青森行きの常磐線回りのこの特急列車も出発の上野駅から「C62」が牽いていた。上野駅での出発のアナウンス、プラットホームの見送りの人々の声、発車のベル、汽笛等々どれもが哀愁を誘う。この12月4日には「新青森」まで新幹線も開通し東京ー新青森間も最短3時間20分で結ばれる。因みに当時は特急でも約12時間の長旅だった。(写真/ビクターSJV1083/ステレオ録音)

SLドキュメンタリー録音 - 「雷鳴下の蒸気機関車」

2010-11-16 18:57:20 | ドキュメンタリー録音
 今日は音楽から離れて筆者お気に入りの「SLドキュメンタリー録音」から1枚紹介したいと思う。写真のLP盤は今から45年前の1965年に「キングレコード」からリリースされた「雷鳴下の蒸気機関車」と題する1枚で発売当時大変人気を呼んだものである。1960年代から70年代にかけてこの種のドキュメンタリー録音のレコードが国内盤でも多数発売されていたがCD時代に入るとそれらのほとんどは姿を消してしまった。写真のこの1枚も例外ではない。
 原盤はアメリカ・モービル・フィデリティ(Mobile fidelity)レコード番号「MF-8」で国内盤は「argo」レーベルで発売された。(写真/SR502)この録音は1961年2月、米国東南部のミシシッピー州のハティスバーグという所で行われた超ステレオ録音である。当時大雷鳴と大嵐に見舞われた悪条件下で悪戦苦闘しながら走り続けるSLが牽引する貨物列車のドキュメンタリー録音で雷鳴、落雷、雨音、機関車のドラフトの響き等々が大迫力で見事に収録されている。また目を閉じて聴いてみるとかすかに聴こえてくる事故現場に向かう救急車のサイレンなど当時の様子が生々しく目に浮かんでくるほどリアリティがある。まさに「SLドキュメンタリー録音」の傑作と言える1枚だ。