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懐かしのコンサート・チケット

2009-12-06 12:33:59 | 懐かしのコンサート・チケット
 そもそも当初は「コンサート・チケット」の半券など収集する気はなかった私だったが1960年代末頃から自分がコンサート会場に足を運んだ海外からの来日オーケストラ公演を中心に「チケット半券」を保存するようになった。現在では相当数のチケット半券が手元に溜まっている。コンピューターの普及につれてチケットも現在では形式的な単なる印字のみのものが多くなり味気ないものになってしまった。しかし1960年代から80年代あたりまでのチケットはそれぞれ個性あるデザインで座席番号もゴム印等で押印したものが多くそれなりに手間隙かけて作成されていたことがうかがえる。
 写真の「チケット半券」は私の手元にある1960年代から70年代ものを中心にその一部を集めたものだがそれぞれにその時代を感じさせるものがあると思う。これらの「チケット半券」を眺めていると実際に会場で聴いた演奏が頭の中に記憶として思い浮かぶ。またチケットの中には当初予定されていた指揮者が事情により来日できず急遽代理の指揮者が振ったコンサートもある。たとえばこの写真の中では1972年2月NHKの招聘で当時札幌で開催された「冬季オリンピック」芸術行事に参加のため初来日した「ミュンヘン・フィル公演」の指揮者は当初チェコの名指揮者ヴァーツラフ・ノイマンが予定されていたがチェコ・スロヴァキア(当時)政府が彼の日本への出国許可をおろさなかったため来日不能となりかつてこのオーケストラの常任指揮者を務めてフリッツ・リーガーが代わって指揮をした。公演プログラムにも訂正が間に合わずその旨の書面が入れられていた。
 昔の海外からの「来日公演チケット」には現在のチケットとは違った言葉では表現できない「風格」や「味わい」を感じさせてくれたものだった。現在では当時を思い返す筆者にとっては貴重な資料の一つである。