私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

ミケランジェリ&読響 ー 1965年貴重ライヴ音源初CD化

2014-02-02 20:33:38 | 歴史的コンサート・ライヴ

   先頃、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ1965年初来日時の「読売日本交響楽団」との共演ライヴが「Altusレーベル」より初CD化された。3月13日、東京文化会館におけるライヴ録音で当日のプログラム、モーツアルト「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466」・ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73<皇帝>」(指揮:イントリッヒ・ローハン)が収録されている。(Altus-ALT274) モノラル録音だが音質は良好でライヴ音源ファンの私は興味津々に聴き入った。彼はその後何度か来日を果たすが極度な完璧主義でコンディション不調時は度々コンサートが中止となりファンをガッカリさせた。思い返せばスケジュール通り無事コンサートをこなしたのは唯一この初来日の時だけではなかったか?当時、彼は日本に約1ヶ月余り滞在、各地で公演し4月2日・3日には「NHK交響楽団」とも共演、アレクサンダー・ルンプフの指揮でリスト「ピアノ協奏曲第1番」・ラヴェル「ピアノ協奏曲ト長調」を披露した。

 


カイルベルト&ベルリン・フィル - 1960年ザルツブルク音楽祭ライヴ

2014-01-10 18:16:06 | 歴史的コンサート・ライヴ

  数年前に「テスタメント」シリーズからリリースされたヨゼフ・カイルベルト&ベルリン・フィルの1960年ザルツブルク音楽祭におけるライヴ盤である。(英テスタメントSBT2 1472) 8月17日のコンサート・プログラムがCD2枚に収録されている。(於、祝祭大劇場)モノラル録音だが音質は良好である。プログラム前半がシューベルト「ロザムンデ」序曲、ヴァイオリンのクリスティアン・フェラスをゲストに迎えてのベルク「ヴァイオリン協奏曲」、後半はブルックナー「交響曲第9番ニ短調」が演奏されている。この録音を聴いてフェラスとのベルクが興味をひいた。カイルベルトによるベルクは珍しくおそらく「ヴァイオリン協奏曲」の録音はこのライヴ演奏が唯一のものではないだろうか?因みにフェラスには確か1960年代にプレートルとのスタジオ録音(EMI)があったと思う。またブルックナーはカイルベルトのオハコでベルリン・フィルとは「第6番」を1960年代初頭に「独テルデック」にスタジオ録音している。

 

  


ワルター&ウィーン・フィル「フェアウェル・コンサート」ライヴ盤

2013-03-30 16:13:21 | 歴史的コンサート・ライヴ

 写真のLPはブルーノ・ワルター&ウィーン・フィル「フェアウェル・コンサート」と題する1960年のライヴ盤である。アメリカに活動拠点を置いていたワルターは1956年80歳を機にコンサート指揮活動の第一線を退いたが当時「米CBSコロムビア」からの強い要請で彼のために組織された「コロムビア交響楽団」と共にステレオでのベートーヴェン交響曲全集録音をはじめとする数々のレコーディング活動を行っていた。そんな中、マーラー生誕100年にあたる1960年の「ウィーン芸術週間」に招かれ最後の力を振り絞りウィーン・フィルの指揮台に立った。この2枚組レコードにはその5月29日の模様が収録されている。「ブルーノ・ワルター協会」所蔵のモノラル音源で音質に多少の難は否めないが概ね鑑賞には問題ない。(写真/国内盤ー日本コロムビア/OZ7538-39BS、1977年発売)収録作品はシューベルト/交響曲「未完成」・マーラー/交響曲第4番・歌曲集「少年の魔法の角笛」から「トランペットが美しく鳴り響くところ」・「リュッケルトによる5つの詩」から「菩提樹の薫る部屋で」・「我はこの世に忘れられて」の以上5曲である。「第4番」終楽章の独唱も含めエリーザベト・シュワルツコップ(ソプラノ)が歌っている。マーラーの「第4番」では楽章間の会場の雰囲気も収録されセッション録音(ニューヨーク・フィル)よりテンポを遅めにとった「第3楽章」(ポコ・アダージョ)が美しく印象的である。

 


シルヴェストリ&ボーンマス響、ライヴ盤 (BBC LEGENDS)

2013-03-14 15:23:53 | 歴史的コンサート・ライヴ

  コンスタンティン・シルヴェストリ(Constantin Silvestri/1913~1969)のLP、CDについても過去に何枚か取り上げてきたが今回は英BBC放送音源からの写真の1枚(2CD)にスポットをあててみたい。(BBC LEGENDSシリーズ/BBCL 4182-2)

  シルヴェストリの演奏スタイルのその多くは大変個性的なところに魅力があった。この「ボーンマス交響楽団」首席時代のライヴも例外ではない。エルガー、アーノルド、ブリテンなどイギリスの作曲家の作品のほかチャイコフスキー「交響曲第2番」、ドビュッシー「遊戯」、エネスク(エネスコ)「ルーマニ狂詩曲第1番」など全6曲が2枚のCDに収められている。とりわけこのライヴ音源が現在唯一のものと思われるエルガー「コケイン」序曲、交響曲第1番、アーノルドの喜劇序曲「ベッカス・ザ・ダンディプラット」等々貴重音源も大変興味深いものがある。録音はアーノルド1963年録音のみがステレオでそのほかが1960年代後期の録音にして全てモノラルなのが惜しいが音質は大変良好である。因みにその他の録音年はエルガー/「コケイン」序曲、チャイコフスキー/「交響曲第2番」、ブリテン/歌劇「ピーター・グライムズ」から「4つの海の間奏曲、エネスク「ルーマニア狂詩曲」以上が1966年、エルガー/「交響曲第1番」(1968年)、ドビュッシー/「遊戯」(1965年)である。


フルトヴェングラー、ブラームス稀少録音集 (2CD 伊MEMORIES)

2013-02-18 19:47:03 | 歴史的コンサート・ライヴ

   「伊MEMORIES」より何年か前にリリースされたフルトヴェングラーのブラームス稀少録音集ー2CD(MR2004-5)である。交響曲第4番ホ短調(1948年10月22日、ベルリン、ゲマインデハウス スタジオ録音or放送録音)、交響曲第1番ハ短調から終楽章(1945年1月23日、ベルリン、アドミラルパラスト、ライヴ)以上ベルリン・フィル、1947年ルツェルン音楽祭における「ドイツ・レクイエム」(1947年8月20日、ルツェルン、イエズス教会ライヴ)が収められている。

 いずれもフルトヴェングラーらしいスリリングで個性的な演奏が魅力だが「ルツェルン音楽祭」における「ドイツ・レクイエム」の音質が最悪なのが惜しまれる。管弦楽=ルツェルン音楽祭管弦楽団、ルツェルン音楽祭合唱団、独唱、ソプラノ=エリザーベト・シュワルツコップ、バリトン=ハンス・ホッター。また「第4番」の交響曲は一般的にはこの録音の2日後に「ティタニア・パラスト」におけるライヴ(EMI)が古くから親しまれているがこのスタジオ(放送録音?)もなかなかの快演だ。1945年1月ライヴの「第1番」は戦火の中のベルリンでの最後のコンサート・ライヴだが終楽章のみで全楽章でないのがこれまた残念だがその演奏史料的価値は高い。

 

 

 


フルトヴェングラー&ヴェネズエラ交響楽団、1954年ライヴ盤

2013-02-07 15:13:20 | 歴史的コンサート・ライヴ

 

   フルトヴェングラーが最晩年の1954年3月、ヴェネズエラ交響楽団の招聘を受け南米のオーケストラの指揮台に立った貴重な記録である。写真のLPは「英国フルトヴェングラー協会」の再プレス盤(FURT-101/モノラル)でオリジナル・プレスは1987年だった。コンサートは3月19日と21日に開催されたようだがこのLPジャケットの解説によると初版LPの記録は3月20日となっていたとのことである。LP1枚にヘンデル/「合奏協奏曲Op.6-10」、ブラームス/「交響曲第1番ハ短調Op.68」、R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」の3曲が収められている。コンサートではこの他ワグナーの歌劇「タンホイザー」序曲も演奏されている。音質は決して良好とは云い難いがその歴史的資料価値は高いと思う。「ヴェネズエラ交響楽団」は1930年に首都カラカスに設立されたヴェネズエラで最も歴史あるオーケストラでその演奏水準も高く評価されている。このコンサート・ライヴ録音ではフルトヴェングラーとの息がイマイチの感は否めないが逆にそのスリリングな演奏が面白い。現在では「独Archipel」等から一般にCD化されているようだ。


セル&ベルリン・フィルー 「1957年ザルツブルク音楽祭ライヴ、3CD・BOX」

2013-02-01 23:17:21 | 歴史的コンサート・ライヴ

 先日はジョージ・セル、手兵クリーヴランド管弦楽団のスイス、ルガノにおけるコンサート・ライヴ盤(1957年)を取り上げたが今回はそのおよそ2ヶ月後の「ザルツブルク音楽祭」でベルリン・フィル客演時のライヴ盤を紹介したい。写真は「独ORFEO D’OR」から2008年にリリースされた3枚組みCD・BOXで8月3日の「モーツアルテウム」と8月9日の「祝祭大劇場」におけるコンサートが収録されている。録音はモノラルながら「ORF(オーストリア放送協会)」オリジナル・マスターテープ音源からのCD化で音質はすこぶる良好である。

 「モーツアルテウム」のプログラムはオール・モーツアルトで交響曲第29番イ長調K.201・ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503、(ピアノ:レオン・フライシャー)・交響曲第40番ト短調K.550 一方の「祝祭大劇場」ではドビュッシー/交響詩「海」、メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64(ヴァイオリン:ナタン・ミルシティン)・ベートーヴェン/交響曲第3番変ホ長調作品55「エロイカ」が演奏された。ジャケットの解説によれば8月9日のコンサートは当初、エドゥアルト・ヴァン・ベイヌムが振る予定が急病のため急遽セルがピンチ・ヒッターとなったらしい。演奏は特に「エロイカ」はセルらしく堂々としたスケール感が魅力的だ。またドビュッシーの「海」はルガノでのコンサートでも取り上げておりその演奏スタンスはどちらも基本的に相違はない聴きき比べも興味深い。

 


セル&クリーヴランド管弦楽団 ー 1957年ルガノ、ライヴ盤

2013-01-17 11:01:02 | 歴史的コンサート・ライヴ

 1991年、イタリア「ERMITAGE」レーベルからリリースされたジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団のライヴ盤である。1957年5月31日、イタリアとの国境に近いスイス、ルガノの「テアトロ・クアザール」におけるコンサート・ライヴでこのCDに収録された曲目はシューマン/交響曲第2番ハ長調作品61、ドビュッシー/交響詩「海」、アンコールとして演奏されたベルリオーズの「ハンガリー行進曲」の3曲である。音源は「スイス・イタリア語放送」のものでモノラル録音だが音質は大変良好である。

 セルはシューマンを得意としておりこの「第2番」も快速テンポでスッキリとした快演で、次のドビュッシー「海」もクリーヴランド管の響きが冴え渡る。アッチェレランドで押し進めるアンコールの「ハンガリー行進曲」の凄みに聴衆の興奮の拍手が頂点に達する。聴き応えある1枚だ。後にイタリア「MEMORIES]からも同一音源が発売されている。 (写真/ERMITAGE, ERM 106)

 

 

 


「オーマンディ&バイエルン放送響」 ライヴ盤(1959年)

2012-06-30 19:35:29 | 歴史的コンサート・ライヴ

 ユージン・オーマンディが遺したレコード録音の大半は「フィラデルフィア管弦楽団」とのものだが「独オルフェオ」から1990年ごろ初CD化された「バイエルン放送交響楽団」とのライヴ盤は興味深かかった。(写真/独ORFEO-C199 891A)

  これは1959年6月5日、ミュンヘンの「ヘルクレスザール」でのコンサート・ライヴ録音(モノラル)で収録作品のアイネム「奇想曲(Capriccio)」・ヒンデミット「交響曲ー画家マチス」・ルーセル「舞踊音楽/バッカスとアリアーヌ」第2組曲、ラヴェル「ラ・ヴァルス」に関心がわいた。アイネム以外の作品は「フィラデルフィア管弦楽団」とのモノラル録音も含め数種類のスタジオ録音があるがやはりライヴ録音ならではスリリングな面白さが魅力度を増す。なかでも早めのテンポで推し進める「画家マチス」はオーマンディの鋭い感性を感じ取れる。またアイネムの「奇想曲」はこのライヴ録音が唯一のものと思われる。 録音も大変良好である。

 

 

 

 

 

 


「ヨゼフ・クリップス&フランス国立放送局管」の未発表ライヴ音源 (?)

2012-06-15 10:19:33 | 歴史的コンサート・ライヴ

 

 昨年だったと思うがウィーンの名指揮者ヨゼフ・クリップス(Josef Krips/1902~1974)が「フランス国立放送局管弦楽団」に客演した3枚のライヴCDがスイスの「CASCAVELLE」よりリリースされた。内容はそれぞれベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」(Vn:アイザック・スターン)・「コリオラン」序曲(1956年9/18)・交響曲第1番(1965年8月28日)ーVol.1、ウェーバー「オベロン」序曲(1957年10/10)・シューベルト「交響曲第8番<ザ・グレート>(ジャケット表記第9番)」(1954年10/4)-Vol.2、モーツアルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」・「レクイエム」(1965年2/12)-Vol.3となっている。これまでおそらく未発表だった音源ではないかと思われる。

 どれもが興味をそそる演奏だが今回は写真の「Vol.2」にスポットをあててみたい。クリップスはシューベルトの交響曲「ザ・グレート」を1958年にロンドン交響楽団と「英デッカ」にステレオでスタジオ録音しておりこちらもそれなりの評価を得た名盤である。今回紹介する1954年、当時のフランス国立放送局管弦楽団(現、フランス国立管弦楽団)に客演指揮したライヴ盤はモノラル録音ではあるがその音質は放送録音と思われ大変すばらしい。演奏スタイルは先のロンドン響とのステレオ盤とほとんど変わりはないがライヴ収録ということもありクリップスが指揮台を踏み込むリアルな音もひろい緊張感ある白熱した演奏が魅力である。またCDの冒頭に収録された1957年録音の「オベロン」序曲(モノラル)もフランスのオーケストラらしく管楽器の美しい響きが聴きものでクリップスの典雅な指揮ぶりが伝わってくる。(CASCAVELLE/VEL 3155)