カラヤンのチャイコフスキーの三大バレエ音楽「白鳥の湖」・「眠りの森の美女」・「くるみ割り人形」の録音を組曲でそれぞれ生涯に4回行っている。初出のLPレコードは「くるみ割り人形」は別にして4回とも「白鳥の湖」・「眠りの森の美女」のカップリングでリリースされた。年代順に整理してみるとフィルハーモニア管弦楽団と1952年モノラル録音と1959年ステレオ録音(いずれもEMI、キングスウェイ・ホール、ロンドン)、1965年ステレオ録音・ウィーン・フィル(DECCA、ソフィエン・ザール、ウィーン)、1971年ステレオ録音ベルリン・フィル(1971年イエス・キリスト教会、ベルリン)となる。どれも発売当時のレコードの売れ行きは好調だったが特に2度目のEMIのステレオ盤は人気を集めたようだ。一方「くるみ割り人形」の初出カップリングはそれぞれフィルハーモニア管弦楽団の1952年モノラル録音(EMI)がヘンデルの「水上の音楽」組曲、1961年ステレオ録音ウィーン・フィル盤(DECCA)がグリーグ「ペール・ギユント」第1組曲・第2組曲から抜粋、1966年ステレオ録音ベルリン・フィル盤がチャイコフスキー「弦楽セレナーデ」、最後の1982年のデジタル録音ベルリン・フィル盤が「幻想的序曲ロメオとジュリエット」であった。写真は「DECCA」録音のCDで三大バレエ音楽をまとめて収録したものである。個人的にはこの演奏、録音が一番気に入っている。ただカラヤンは実際のコンサートではこの三大バレエ音楽を全曲も含めプログラムに取り上げていない。(写真ーCD国内盤、オリジナルLPレーベル・シリーズ、ユニバーサルUCCD-4401)
カラヤンもそうしたオーケストラの特性を熟知しているのか、ウィーン・フィルとは他にアダンの「ジゼル」抜粋盤(CD等では「原典版」と呼称)も録音しています。