私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

「KARAJAN 60」からベートーヴェン「エグモント」全曲

2011-10-31 15:10:37 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 ベートーヴェンの劇音楽「エグモント」作品84はコンサートでは序曲が独立されよく演奏されるが全曲を通して取り上げる機会は極めて少ない。近年では筆者も実演で2009年9月の「新日本フィル」定期公演でクリスティアン・アルミンクの指揮で全曲を通して聴いたくらいである。
 カラヤンはこの全曲録音を「ベートーヴェン生誕200年記念」に際してその前年の1969年1月に行っている。ゲーテの戯曲「エグモント」を題材にしたこの劇音楽をカラヤンはソプラノにヤノヴィッツを迎え入れ格調高く仕上げている。(語り役はエーリヒ・シェロウ)またこの「序曲」の部分は写真(右)のベートーヴェン「序曲集」にも使用されている。この「KARAJAN 60」ではこの「序曲集」のみ見開きの紙ジャケット仕様になっている。

「KARAJAN 60」からシューベルト/「未完成」・「ザ・グレート」

2011-10-29 17:37:55 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 

 カラヤンの「ドイツ・グラモフォン」へのシューベルトの交響曲録音は写真(上)の「未完成」と「ザ・グレート」の二つである。前者が1964年10月、後者が1968年9月いずれも「ベルリン・イエス・キリスト教会」での録音であった。ジャケットに記載の通り当時は「未完成」が「第8番」、「ザ・グレート」が「第7番或は第9番」と呼ばれていた。また以前にもふれたと思うがこの「未完成」の録音はDG国内盤ではベートーヴェンの「第5番」とのカップリングで発売されたが「ドイツ・オリジナル盤」ではベートーヴェンの「序曲」が3曲ー「コリオラン」・「レオノーレ第3番」・「フィデリオ」とのカップリングであった。因みにこれらの序曲は1965年の録音である。
 カラヤンの「未完成」の録音はこれ以前には「フィルハーモニア管弦楽団」とステレオ最初期のもの(EMI)があったがこのベルリン・フィルとの録音はさらにカラヤンの「耽美主義」がより強く表れた演奏で同様なことが「ザ・グレート」にも言えると思う。また実演でもこれら二つの交響曲はプログラムに取り上げているが「ザ・グレート」の演奏回数は「未完成」と比較して極端に少なかった。ついでながら「全集盤」に関しては「EMI」から1978年1月に一挙に録音された「第1番」から「ザ・グレート」までの7曲に1975年録音の「未完成」を加えてリリースされている。












「KARAJAN 60」からドビュッシー&ラヴェル

2011-10-28 18:47:59 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンは「フランスもの」も得意としておりよく実演でも取りあげた。また1984年の来日公演では写真のCDに収録された交響詩「海」・「牧神の午後への前奏曲」(ドビュッシー)、「ダフニスとクロエ」第2組曲(ラヴェル)の3曲をプログラムに取り上げていた。コンサートにしてはいささか短いプログラムだったがこのあたりがいかにもカラヤンらしかった。話を本題に戻しこの録音は1964年のもので「海」についてはこれ以前に1953年の「フィルハーモニア管弦楽団」とのモノラル録音があったと思うがステレオ録音ではこれが初となる。因みに「牧神の午後」のフルートはカール=ハインツ・ツェラーである。さらにラヴェルの「ダフニスとクロエ」ではベルリン・フィルの美しい音の色彩感がたっぷりと味わえるまさにカラヤンの独擅場である。
 
 
 
 

「KARAJAN 60」からバッハ「ブランデンブルク協奏曲」

2011-10-27 17:00:55 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 このバッハ「ブランデンブルク協奏曲」全6曲のレコーディングもサンモリッツのヴィクトリアザールで行われた。(写真)記録によれば録音年月日は「第1番」から第「5番」までが昨日とりあげた「管弦楽組曲」と並行して1964年8月17日~24日、「第6番」が翌1965年2月22日と例外的に冬季に行われている。この国内盤の初出LPは1966年に「SLGM1331~32」の2枚組みとして発売されたが再リリースの際には「第1番~第3番」が「MG2145」、「第4番~第6番」が「MG2146」に分けて発売された。こちらも当時のベルリン・フィルのトップ・メンバーたちによる演奏である。
 さらにカラヤンは同全集を1978年から79年かけて録音場所を「ベルリン・フィルハーモニーザール」に移し再録音していることも付け加えておきたい。

「KARAJAN 60」からバッハ「管弦楽組曲第2番・第3番」

2011-10-26 15:04:22 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 これまでにこの「KARAJAN 60」に収められたカラヤン&ベルリン・フィルが夏の「ザルツブルク祝祭音楽祭」出演の合間をぬってスイス、サンモリッツのホテル「La Reine Victoria」に併設された室内楽コンサート・ホール=「ヴィクトリアザール」でレコーディングした名盤を幾つか取り上げてきたが今回紹介する写真(上)のJ.S.バッハの「管弦楽組曲第2番・第3番」の録音がこのホールでの最初のものであった。
 時は1964年8月のことでこの年から夏のサンモリッツでのレコーディングは1972年までもう一つの録音会場「フランス教会」と合わせて続くことになる。ところでこの「管弦楽組曲」の国内盤LPレコードは1966年に「SLGM1326」で発売されているが筆者が求めた国内盤LPはその後に再発された写真(下)見開きジャケットの「MG2169」だった。ジャケットもカラヤンの写真に替わっている。演奏は当時のベルリン・フィルのトップ・メンバーたちによる小編成によるものである。因みに「第2番」のフルートは当時の首席奏者カール=ハインツ・ツェラーである。  尚、その後カラヤンは再録音並びに「第1番」と「第4番」は結局録音しなかったのでこれが唯一のものとなった。

 

「KARAJAN 60」からスッペ/オペレッタ序曲集

2011-10-25 15:18:11 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 このカラヤンがベルリン・フィルと1969年にレコーディングしたスッペの「オペレッタ」序曲集は発売当時その演奏はもちろんのこと録音の素晴らしさでも話題になった1枚である。収録作品も「軽騎兵」序曲以外の5作品 -「ウィーンの朝・昼・晩」・「スペードの女王」・「美しきガラテア」・「怪盗団」・「詩人と農夫」の各序曲はこれがカラヤン唯一の録音である。またこの国内盤LPの初出は1973年になって「MG2395」で写真のドイツ盤オリジナル・ジャケットと同デザインで発売された。この洒落たジャケット・デザインも筆者には印象的だった。カラヤンの巧さが充分に発揮された名盤である。

「KARAJAN 60」からロッシーニ/「弦楽のためのソナタ」集

2011-10-24 20:02:05 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 ロッシーニが書いたこの作品の原曲は1804年の「6つの四重奏のためのソナタ」でオリジナル編成はヴァイオリン(2)、チェロ、コントラバスである。「第3番」以外は後に「弦楽四重奏曲」にも編曲されている。カラヤンはこのうち「第1番ト長調」、「第2番イ長調」、「第3番ハ長調」、「第6番ニ長調」の4つをベルリン・フィルの弦楽合奏で1968年8月にサンモリッツのヴィクトリアザールでレコーディングを行った。実演でこれらの作品を取りあげたか否かはわからないがレコード録音としてはこれが唯一のものである。ドイツ盤オリジナルLPは「139 041SLPM」でリリースされたが国内盤LP初出は1969年に「SMG2095」で発売された。ベルリン・フィルの見事な弦楽アンサンブルが楽しめる1枚である。
 
 

「KARAJAN 60」からプロコフィエフ「交響曲第5番」

2011-10-23 14:33:08 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
「KARAJAN 60-紙ジャケットCD)
 カラヤンはプロコフィエフの交響曲を「第5番」の他には後に「第1番<古典交響曲>」(1981年)しか録音しなかった。つまり「第5番」はベルリン・フィルとのこの1968年録音が唯一のものである。また実演でも同様にこの二つの交響曲以外は演奏することはなかったと思うがこと「第5番」に関しては1960年代後半から1980年代にかけ好んでプログラムに取り上げていた。その幾つかは「NHK FM」でも放送されている。
 ところでこのレコード録音の演奏もカラヤンらしくベルリン・フィルの緻密なアンサンブルでこの作品が持つ鮮やかな音の色彩感を巧みに描きだしている。国内盤LPのオリジナル盤はレコード番号「SMG2078」で写真のオリジナル・ジャケット・デザインを使用しリリースされたがその後は番号の頭の「S」がとれ「MG」からの同番号になったがLPレコードでの発売はそれ以後はなかったと思う。

「KARAJAN 60」からモーツアルト「ホルン協奏曲」全曲

2011-10-22 17:19:44 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンのモーツアルト「ホルン協奏曲」には以前に取り上げた「フィルハーモニア時代」にデニス・ブレインと「EMI」にレコーディングした不滅の名盤があるがこれは1953年のモノラル録音だった。それから15年振りにカラヤンは当時ベルリン・フィルの首席ホルン奏者だったゲルト・ザイフェルトを起用してステレオで再録音した。このレコーディングもサンモリッツのヴィクトリアザールで1968年8月に行われている。この国内初出LP盤は録音された翌年1969年だったと思う。(SMG2088)
 今改めてこのCDで聴いてもザイフェルトのしっとりした美しいホルンが印象的である。ブレイン盤が天才肌の名人芸とすればこのザイフェルト盤は技の職人芸と云ったところか・・・
 

「KARAJAN 60」からモーツアルト「ディヴェルティメント」

2011-10-21 13:17:45 | ヘルベルト・フォン・カラヤン


 「KARAJAN 60」BOXにはカラヤンが1965年から1968年にかけてベルリン・フィルと録音したモーツアルトの「ディヴェルティメント」が全部で7曲納められている。(写真)これらの録音はすべていつもの「イエス・キリスト教会」ではなくサンモリッツの「ヴィクトリアザール」で行われたものである。録音年代順に整理してみると先ず「第15番変ロ長調K.287」と「第17番ニ長調K.334」が1965年8月、翌1966年8月に「第10番ヘ長調K.247」と「第11番ニ長調K.251」、そして1968年8月に「第1番ニ長調K.136」・「第2番変ロ長調K.137」・「第3番ヘ長調K.138」が録音された。因みにカラヤンはモーツアルトの「ディヴェルティメント」を「第15番」・「第17番」に関してはその後の再録音があるもののこの7曲以外のレコード録音はしなかった。
 「KARAJAN 60」のCDも当然ながらオリジナルLPレコードにカップリングされた作品は同一で「第15番」には並行して録音された「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、「第1番」から「第3番」には「セレナータ・ノットゥルナ」が収録されている。カラヤン&ベルリン・フィルの洗練されたモダンな演奏スタイルで聴く「ディヴェルティメント」も味わい深いものがある。