ベートーヴェンの劇音楽「エグモント」作品84はコンサートでは序曲が独立されよく演奏されるが全曲を通して取り上げる機会は極めて少ない。近年では筆者も実演で2009年9月の「新日本フィル」定期公演でクリスティアン・アルミンクの指揮で全曲を通して聴いたくらいである。
カラヤンはこの全曲録音を「ベートーヴェン生誕200年記念」に際してその前年の1969年1月に行っている。ゲーテの戯曲「エグモント」を題材にしたこの劇音楽をカラヤンはソプラノにヤノヴィッツを迎え入れ格調高く仕上げている。(語り役はエーリヒ・シェロウ)またこの「序曲」の部分は写真(右)のベートーヴェン「序曲集」にも使用されている。この「KARAJAN 60」ではこの「序曲集」のみ見開きの紙ジャケット仕様になっている。