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想い出の演奏会 (13)パーヴォ・ベルグルンド/日本フィル第230回定期公演 ほか

2009-02-18 18:48:42 | 想い出の演奏会
 指揮棒を左手に持つフィンランドの名指揮者パーヴォ・ベルグルンドの演奏会で私が生で接し印象に残った演奏会が2つある。その一つが1971年12月10日東京文化会館で行われた第230回定期公演ともう一つが「1978年香港芸術祭」で当時首席指揮者の地位にあった英国のボーンマス交響楽団の演奏会('78 1/25,香港島・シティー・ホール)である。
 前者のプログラムはベートーヴェン:「エグモント」序曲で始まり藤川真弓を独奏者に迎えてのチャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲ニ長調、後半に彼が得意とするシベリウス:交響曲第5番変ホ長調であった。彼はシベリウスの研究家としても知られておりこの時の映像が2004年にBSフジで再放送(「今よみがえる幻の日本フィル定期演奏会」)された時改めて彼の名演を再認識できた。
 この演奏会から約7年後「香港芸術祭」で手兵ボーンマス交響楽団をひきつれて東洋の真珠「香港」にやってきた彼はウィリアム・ウォルトン:「ポーツマス・ポイント」序曲、独奏にイダ・ヘンデルを迎えてシベリウス:ヴァイオリン協奏曲ニ短調そしてプロコフィエフ:交響曲第5番変ロ長調が演奏された。会場のシティー・ホールは超満員で熱狂的なファンがつめかけていた。シベリウスのヴァイオリン協奏曲はこのコンビで同オーケストラでレコーディング(EMI)もしており二人の息の合った素晴らしい演奏を聴かせていた。またこの演奏会の翌日は日本から渡辺暁雄も同楽団に客演しシューベルトの「交響曲第3番」やバルトークの「管弦楽のための協奏曲」ほかを演奏し会場に駆けつけた聴衆を酔わせていた。
 ベルグルンドはシベリウスの交響曲全集をボーンマス交響楽団(EMI)、ヘルシンキ・フィル(EMI)、ヨーロッパ室内管弦楽団(FIN)と3回録音している。また渡辺暁雄も日本フィルで1962年・1981年の2回の全集録音を果たしている。
 (写真は1978年「香港芸術祭ボーンマス響」・日本フィル第230回定期公演/ベルグルンドのサイン直筆入りプログラム)