先ごろ写真のCD、山田一雄&日本フィルによる未発表ライヴ音源チャイコフスキー「交響曲第5番」・プロコフィエフ「交響曲第7番」(タワーレコードTWCO-1010/ステレオ)がリリースされた。早速、興味津々聴き入った。最近、彼は我々中高年のクラシック音楽愛好家の間で話題となる機会が多い指揮者の一人だが私も学生時代よく彼が指揮するコンサートに足を運んだことを思い出す。彼の熱の入った指揮ぶりは今でも忘れることができない。チャイコフスキー「第5番」の演奏会日時が1972年1月とだけ記載され詳細が不明なのがいささかミステリアスで気になったので私の手持ちの当時の「日本フィル」の定期コンサートのプログラムを今一度調べてみたが該当するコンサートは見あたらなかった。おそらく定期公演以外の特別公演からの音源なのだろう。また後者のプロコフィエフ「第7番」の演奏は筆者も記憶がありジャケットに当時のプログラム写真が載っているが1971年1月27日、日比谷公会堂におけるライヴである。どちらの演奏も情熱的で山田一雄の個性がにじみ出ている。マスター・テープに起因する部分は別にして音質は良好であるも幸いだ。余談になるがプロコフィエフ「第7番」の終楽章はコーダ付きの「第1版」で演奏している。