私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

山田一雄&日本フィル 未発表ライヴ音源から

2013-02-28 12:49:24 | 交響曲

 先ごろ写真のCD、山田一雄&日本フィルによる未発表ライヴ音源チャイコフスキー「交響曲第5番」・プロコフィエフ「交響曲第7番」(タワーレコードTWCO-1010/ステレオ)がリリースされた。早速、興味津々聴き入った。最近、彼は我々中高年のクラシック音楽愛好家の間で話題となる機会が多い指揮者の一人だが私も学生時代よく彼が指揮するコンサートに足を運んだことを思い出す。彼の熱の入った指揮ぶりは今でも忘れることができない。チャイコフスキー「第5番」の演奏会日時が1972年1月とだけ記載され詳細が不明なのがいささかミステリアスで気になったので私の手持ちの当時の「日本フィル」の定期コンサートのプログラムを今一度調べてみたが該当するコンサートは見あたらなかった。おそらく定期公演以外の特別公演からの音源なのだろう。また後者のプロコフィエフ「第7番」の演奏は筆者も記憶がありジャケットに当時のプログラム写真が載っているが1971年1月27日、日比谷公会堂におけるライヴである。どちらの演奏も情熱的で山田一雄の個性がにじみ出ている。マスター・テープに起因する部分は別にして音質は良好であるも幸いだ。余談になるがプロコフィエフ「第7番」の終楽章はコーダ付きの「第1版」で演奏している。

 


久々のCD復活、ワイセンベルクの「ショパン・ピアノ協奏曲」

2013-02-23 21:15:22 | 協奏曲

 アレクシス・ワイセンベルクが遺したショパンのピアノ協奏曲名盤については以前に国内盤初出LPで「第1番」を紹介済みと思うが先ごろ久々に「第2番」と共に国内盤「EMI CLASSICS」超廉価盤999シリーズでの登場である。(写真/TOCEー16305) CDでも80年代に「第1番」と「第2番」が別々に出ていたことがあったが今回は1枚のCDに収まり待望の復活となった。指揮はポーランドの、スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ、オーケストラがパリ音楽院管弦楽団で1967年のステレオ録音(パリ、サル・ワグラム)である。因みにワイセンベルクが38歳、現在長老のスクロヴァチェフスキがまだ44歳のときのものである。またこのコンビでこのほかショパンのピアノと管弦楽のための作品全集も録音していた。今回改めてCDで聴いてみたが「第2番」の第2楽章「ラルゲット」がことさら美しく印象的だった。

 


クーベリック&バイエルン放送響、ベートーヴェン/交響曲第4番・第5番(ライヴ)

2013-02-21 11:27:46 | 交響曲

 昨年(2012年)の「独Audite」のカタログCD付きのいわば有料サンプラー盤である。(独Audite 10.030)今回はラファエル・クーベリック&バイエルン放送交響楽団のベートーヴェン/交響曲第4番・第5番のライヴ録音が収められている。因みに「第4番」が1979年10月23日ベートーヴェンザール(ボン)、「第5番」が1969年11月20日、ミュンヘン、ドイツ博物館コングレスザールにおけるコンサート・ライヴである。レギュラー盤としては「Audite 95.493」でリリースされていたものである。音源は「バイエルン放送協会」のもので音質は大変素晴らしく演奏もオーソドックス・スタイルだが申し分ない。また筆者の推測だが「第4番」はこの年のボンの「ベートーヴェン音楽祭」のライヴではないかと思われる。両曲とも演奏終了後の聴衆の拍手はカットされている。


フルトヴェングラー、ブラームス稀少録音集 (2CD 伊MEMORIES)

2013-02-18 19:47:03 | 歴史的コンサート・ライヴ

   「伊MEMORIES」より何年か前にリリースされたフルトヴェングラーのブラームス稀少録音集ー2CD(MR2004-5)である。交響曲第4番ホ短調(1948年10月22日、ベルリン、ゲマインデハウス スタジオ録音or放送録音)、交響曲第1番ハ短調から終楽章(1945年1月23日、ベルリン、アドミラルパラスト、ライヴ)以上ベルリン・フィル、1947年ルツェルン音楽祭における「ドイツ・レクイエム」(1947年8月20日、ルツェルン、イエズス教会ライヴ)が収められている。

 いずれもフルトヴェングラーらしいスリリングで個性的な演奏が魅力だが「ルツェルン音楽祭」における「ドイツ・レクイエム」の音質が最悪なのが惜しまれる。管弦楽=ルツェルン音楽祭管弦楽団、ルツェルン音楽祭合唱団、独唱、ソプラノ=エリザーベト・シュワルツコップ、バリトン=ハンス・ホッター。また「第4番」の交響曲は一般的にはこの録音の2日後に「ティタニア・パラスト」におけるライヴ(EMI)が古くから親しまれているがこのスタジオ(放送録音?)もなかなかの快演だ。1945年1月ライヴの「第1番」は戦火の中のベルリンでの最後のコンサート・ライヴだが終楽章のみで全楽章でないのがこれまた残念だがその演奏史料的価値は高い。

 

 

 


クレンペラー、ベートーヴェン交響曲ライヴ全集 (伊MEMORIES盤)

2013-02-14 01:47:24 | 交響曲

 オットー・クレンペラーのベートーヴェン交響曲ライヴ全集盤については以前1960年「ウィーン芸術週間」におけるフィルハーモニア管弦楽団との「アンドロメダ盤」を紹介したと思うが今回は数年前に「伊メモリーズ」から1950年代のライヴを中心にいくつかの異なるオーケストラでまとめられた全集盤を取り上げてみたい。(写真5CDセット/伊MEMORIES-MR2090/94、モノラル)因みに異なるオーケストラとは「ケルン放送交響楽団(現、WDR交響楽団)」ー「第1番」(1954年録音)・「第8番」(1955年録音)、「ベルリンRIAS放送響(現、ベルリン・ドイツ響)」-「第2番」・「第3番」(1958録音)、「第6番」(1954年録音)、「アムステルダム・コンセルトヘボウ」-「第4番」・「第9番」(1956年録音)、「ロサンゼルス・フィル」-「第5番」(1934年録音)、「北ドイツ放送響」-「第7番」(1955年録音)となっている。

 なかでも「第5番」は1934年元旦録音でクレンペラーの「ロス・フィル」常任指揮者時代のもので音質は音飛び等もあり状態は最悪だが資料的価値はある。その他の1950代の録音はこの時代のものとしてはまずまずの状態といったところでクレンペラーがそれぞれのオーケストラの個性を引き出し興味深い演奏がきける。筆者個人的には特に「第3番」、「第9番」が気に入った。尚、「第9番」のソリストはソプラノ=グレ・ブロウエンシュタイン、アルト=アニー・ヘルメス、テノール=エルンスト・ヘフリガー、バリトン=ハンス・ウィルブリック、合唱は「アムステルダム・トーンクンスト合唱団となっている。

 

 


超廉価盤3CD・BOX - フルトヴェングラー 「ザ・レジェンド」

2013-02-12 16:19:00 | 管弦楽曲

 写真は一昨年(2011年)、フルトヴェングラー生誕125周年を記念して「英EMI CLASSICS」から超廉価盤で発売された3CDセット・ボックスである。 フルトヴェングラー&ウィーン・フィルによる1948年~1954年スタジオ録音(モノラル)、ベートーヴェン、ブラームスの交響曲録音など一部を除くポピュラーな管弦楽曲を中心に集めたものである。いずれも過去にLPレコードで聴き親しんだ録音だが気軽にCDで楽しむことができる。ことさら演奏については述べるまでもないが名演ぞろいである。因みにセットに含まれるスメタナ/交響詩「モルダウ」(1951年1月録音)、ケルビーニ/「アナクレオン」序曲(1951年1月録音)、リスト/「前奏曲」(1954年3月録音)はこのウィーン・フィルとのものが唯一の公式録音と思われる。

 

 

 


デュカスの「交響曲ハ長調」

2013-02-09 12:10:56 | 交響曲

  ポール・デュカス(Paul Dukas/1865~1935)の作品は交響詩「魔法使いの弟子」が日本でもよくコンサートで取り上げられるが他の作品はレコード、まして実演で接する機会はほとんどないと云っていいだろう。彼の唯一の「交響曲ハ長調」については以前にジョルジュ・セバスティアン(Grorges Sebastian/1903~1989 - ハンガリー → フランス帰化)指揮、ラムルー管弦楽団による米ウラニア盤の1950年代録音(モノラル/写真下-URLP7102)を紹介したことがあるが今回は久しぶりに国内盤の廉価盤で復活したジャン・マルティノン&フランス国立管弦楽団(1972年ステレオ録音)にスポットをあててみたい。(EMI-TOCE-16297/写真上)

 デュカスはR.ワーグナーの影響を受けながら印象派のドビュッシーと親交を持った人だったが彼の作風はさらに独自の個性を近展開した作曲家と云われている。ただ作品の数が少ないためかその人気度は今ひとつ。 この「交響曲ハ長調」は「スケルツォ」楽章を欠く3楽章構成で随所に先輩フランクの影響も聴き取れる。このマルティノンの演奏では特に緩徐楽章ー第2楽章「アンダンテ・エスプレッシーヴォ」が美しく印象的だ。しかも貴重なステレオ録音である。

 

 


フルトヴェングラー&ヴェネズエラ交響楽団、1954年ライヴ盤

2013-02-07 15:13:20 | 歴史的コンサート・ライヴ

 

   フルトヴェングラーが最晩年の1954年3月、ヴェネズエラ交響楽団の招聘を受け南米のオーケストラの指揮台に立った貴重な記録である。写真のLPは「英国フルトヴェングラー協会」の再プレス盤(FURT-101/モノラル)でオリジナル・プレスは1987年だった。コンサートは3月19日と21日に開催されたようだがこのLPジャケットの解説によると初版LPの記録は3月20日となっていたとのことである。LP1枚にヘンデル/「合奏協奏曲Op.6-10」、ブラームス/「交響曲第1番ハ短調Op.68」、R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」の3曲が収められている。コンサートではこの他ワグナーの歌劇「タンホイザー」序曲も演奏されている。音質は決して良好とは云い難いがその歴史的資料価値は高いと思う。「ヴェネズエラ交響楽団」は1930年に首都カラカスに設立されたヴェネズエラで最も歴史あるオーケストラでその演奏水準も高く評価されている。このコンサート・ライヴ録音ではフルトヴェングラーとの息がイマイチの感は否めないが逆にそのスリリングな演奏が面白い。現在では「独Archipel」等から一般にCD化されているようだ。


マッツ・ロンディン&ハンス・パルソン ー ベートーヴェン/チェロ・ソナタ全集

2013-02-06 18:48:01 | 室内楽曲

  かれこれ7,8年前にスウェーデンのマイナー・レーベル「ISIDOR RECORDS」からリリースされたベートーヴェンの「チェロ・ソナタ全集(全5曲)」(写真/2CDーISCD-2)を紹介したい。演奏はマッツ・ロンディン(Mats Rondin)-チェロ、ピアノ伴奏がハンス・パルソン(Hans Palsson)という日本では馴染みがないスウェーデンの演奏家によるものである。因みにチェロのロンディンが1960年生まれ、 ピアノのパルソンが1949年、ヘルシングボルイ(Helsingborg)生まれで共に北欧を中心にヨーロッパで活躍中のソリストである。録音も優秀で2002年3月11日~14日かけてスウェーデンの「Isidors Kulle」におけるスタジオ録音である。

  筆者の当初の期待をはるかに超えた抒情性に富みスケール感ある演奏にはまってしまった。チェロのロンディンは指揮者としても活躍、室内オーケストラや「スウェーデン放送響」、「ロイヤル・ストックホルム・フィル」等々の北欧のメジャー・オーケストラに客演している。またピアニストのパルソンもヨーロッパの数々のメジャー・オーケストラにソリストとして客演、古くはシクステン・エールリンク、エフゲニー・スヴェトラーノフ、パーヴォ・ベルグルンドらと共演、レパートリーもバッハから現代音楽までと広い。

 


竜ヶ崎市・音楽愛好会「ゲヴァントハウス」 - 春の特別企画のお知らせ (終了しました。)

2013-02-03 23:33:13 | 余暇文化活動

  恒例となりました竜ヶ崎市・クラシック音楽愛好会「ゲヴァントハウス」から春の特別企画のお知らせです。

 今回は「レコード制作の現場40年の変貌」と題してアナログ時代からデジタル時代に至るマスターテープ(ディスク)の変貌と制作過程をテーマに講演会とCDコンサートを開催いたします。特別ゲストに「ユニバーサルミュージック」の録音部OB、常盤 清氏をお招きしレコード・マスターテープの素材の歴史、並びに制作過程の変貌をそれぞれ関係する音源を再生しながらお話ししていただきます。氏は「ジャパン・オーディオ・ラボラトリー」を経て1973年、「日本フォノグラム株式会社(現、ユニバーサルミュージック)」に移籍、40年に亘りクラシック、ジャズのレコード録音・制作に携わってこられましたレコード制作の現場を体験された興味深いエピソードが披露されます。

 お忙しいなかとは存知ますが今回も皆様お誘いあわせのうえご来場ください。

                                記

   (期  日)  2013年 3 月 2日 (土) 14:00 ~ 16:30 (休憩あり)

   (場  所)  竜ヶ崎ショピング・センター 「リブラ竜ヶ崎」  2階 ・旧 映画館

   (交  通)  JR常磐線「佐貫駅」 乗り換え 関東鉄道 竜ヶ崎線 終点「竜ヶ崎駅」下車 徒歩 約4分

            (無料 駐車場完備)

   (テ ー マ) 「レコード制作の現場40年の変貌」 - 講演とCDコンサート

   (使用予定音源) 小澤 征爾&サイトウキネン・オーケストラ / ベートーヴェン 「英雄」

               カール・ベーム&バイロイト祝祭管ほか /「ニーベルングの指輪」抜粋 他

   (講  師 )    常盤  清 (ユニバーサル・ミュージック録音部OB)

   (入  場 )    無  料

 

                                                                      以上