私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

セル、「ルツェルン音楽祭」ライヴ盤

2013-11-28 13:26:30 | 交響曲

  先ごろ「独audite」よりジョージ・セルの未発売音源としてCD化されたライヴ盤である。これはセルが1962年、69年に「ルツェルン音楽祭」に客演した際のライヴ録音で、ドヴォルザーク「交響曲第8番ト長調作品88」(1969年)、ブラームス「交響曲第1番作品68」(1962年)の順に収録されている。オーケストラは前者が「チェコ・フィルハーモニー管弦楽団」、後者が「スイス音楽祭管弦楽団」で共にステレオ録音で音質も大変良好、またどちらもセル十八番の作品だけあり緻密で完璧主義のセルらしさが出た名演といえるだろう。(独audite 95.625)

 

 


フランス古楽オーケストラ「レ・シエクル」の「幻想交響曲」

2013-11-27 14:00:41 | 交響曲

  今日は最近入手したCDから写真のフランソワ=グサヴィエ・ロト(François-Xavier Roth)率いるフランスの古楽オーケストラ「レ・シエクル(Les Siècles)が演奏するベルリオーズ「幻想交響曲」を取り上げてみたい。(仏Musicales Actes Sud-ASM 02) この演奏はベルリオーズ生誕の地、南フランスのラ・コート=サンタンドレ(La Côte Saint-André)で8月に開催される「ベルリオーズ音楽祭」に於けるライヴ録音(2009年8月30日)である。指揮はもちろんフランソワ=グサヴィエ・ロト、会場はこの町のシンボルで音楽祭のメイン会場でもあるルイ11世の居城(Château de Louis XI)内の特設会場と思われる。(写真・下) 筆者もベルリオーズ生誕200年記念の年、2003年に音楽祭を覘いたことがある。演奏はやや速めのテンポで進めるロトの指揮だが第1楽章の提示部の繰り返し、並びに第4楽章「断頭台への行進」前半部の繰り返しも指示通り実行しており演奏時間は50分を優に超える。またひとつ興味深い点をあげるならば第3楽章の遠雷を描写するインパクトあるティンパニーの叩かせかたが強く印象に残った。ライヴ録音だが演奏終了後の聴衆の拍手はカットしている。

(ラ・コート=サンタンドレ、ベルリオーズ音楽祭2003) (音楽祭のメイン会場のひとつ、「ルイXI」の居城) いずれも筆者撮影(2003年8月)

 

 

 

 


スヴェトラーノフ&ソヴィエト国立響 - ショスタコーヴィチ交響曲第7番 

2013-11-25 18:18:47 | 交響曲

 名匠エフゲニー・スヴェトラーノフ(Evgeny Svetlanov/1928~2002)はショスタコーヴィチ「交響曲第7番ハ長調<レニングラード>」をスウェーデン放送響(1993年)、ハーグ・レジデンティ管(1995年)等のライヴ録音を含め数種の録音を遺している。今回紹介する写真の「第7番」は「メロディア」に彼が「ソヴィエト国立交響楽団」の音楽監督時代に最初にステレオでスタジオ録音したものである。(露メロディアーC1693-96  2LP) レコードには録音年月の記載はないが1968年ごろのものと推定される。彼は1960年代、70年代にかけ集中的に「メロディア・レーベル」に数多くのレコーディングを行っている。しかしその音質は良好とは言い難いが演奏はエネルギッシュである。この「第7番」も例外ではなくやや速めのテンポをとった「第1楽章」から彼の豪快な指揮ぶりが目に浮かび個人的には好きな1枚だ。

 

 

 


オッコ・カム&ヘルシンキ放送響 - シベリウス交響曲第1番・交響詩「吟遊詩人」

2013-11-17 18:03:08 | 交響曲

 1969年第1回カラヤン指揮者コンクール優勝者、日本でもおなじみのフィンランドの名指揮者オッコ・カムが1972年に「ヘルシンキ放送交響楽団」と「ドイツ・グラモフォン」に録音したシベリウス交響曲第1番&交響詩「吟遊詩人」のLPである。(独グラモフォンー2530 455) このドイツ盤は確か1973年にはリリースされていたと思うが日本盤の初出は現在でも名盤として定評あるベルリン・フィルとの「第2番」(1970年録音)並びに「第3番」(1972年録音/ヘルシンキ放送響)とカラヤン&ベルリン・フィルによる「第4番」から「第7番」を組み合わせ「交響曲全集」としてリリースされた。(1974年) 


メロディア盤のアバド&ウィーン・フィル -ブルックナー「交響曲第1番」

2013-11-14 21:24:01 | 交響曲

  写真のLPはクラウディオ・アバド&ウィーン・フィル、ロシア・メロディア盤の珍しい1枚である。旧ソヴィエト時代の1982年にリリースされたもので「ブルックナー交響曲第1番ハ短調」のライヴ盤で1972年のコンサート・ライヴとの記載がある。詳細な録音年月日、場所は記されてないがふと思いつき手持ちのFMエア・チェックテープと比較しながら聴いてみるとおそらく「ウィーン芸術週間」、「ウィーン楽友協会大ホール」におけるコンサート・ライヴ音源(1972年6月11日)ではないかと思われる。因みにこの演奏は1972年12月4日NHK FM放送「海外の音楽」で放送されている。アバドは「第1番」をウィーン・フィルとこの演奏と同様「リンツ版」で1969年に「デッカ」にスタジオ録音していた。(写真ーメロディア C10-16751-2 ステレオ)

 

 

 


ジョルジュ・エネスク 「交響曲第3番ハ長調作品21」

2013-11-12 16:08:38 | 交響曲

  ジョルジュ・エネスク(George Enescu<仏表記Georges Enesco>1881~1955)はルーマニアを代表する20世紀の音楽家である。彼はパリ音楽院で学んだヴァイオリンの名手でもあり同時に作曲も手掛けピアノ、指揮もするといった多芸多才な人物だった。作品の数はそれほど多くはないがルーマニアの民俗音楽の要素を取り入れたものが多く因みに交響曲は3つの完成した作品を書いている。今回はちょっと珍しいルーマニア国営レコード・レーベル「エレクトレコード(ELECTRECORD)」から写真の「第3番ハ長調作品21」を紹介したい。(LP ECE-0152 モノラル盤) 演奏はエマヌエル・エレネスク指揮ルーマニア国立放送交響楽団である。録音年代等はジャケット解説に記載がないので不詳だがモノラル録音なので1950年代から60年代初頭のものと推定される。曲は前作の「第2番」と並び演奏時間約45分前後を要するもので全3楽章から成り第1楽章モデラート、ウン・ポコ・マエストーソの冒頭はブラームスの「第1番」を彷彿させる。第2楽章ヴィヴァーチェ、マ・ノン・トロッポ、リズムも激しく動き変化に富んだ楽章、続くフィナーレ第3楽章はレント、マ・ノン・トロッポの美しい楽章で混声合唱のハミングも加わりファンタジックな世界が広がり最後は鐘の音ともに静かに曲を締めくくる。

 

 


イーゴル・マルケヴィチ&ベルリン・フィル - ベルリオーズ/交響曲”イタリアのハロルド”

2013-11-11 16:47:03 | 交響曲

  イーゴル・マルケヴィチのベルリオーズ「交響曲”イタリアのハロルド”」録音はドイツ・グラモフォンに遺したこのベルリン・フィルとのものが唯一のものである。(写真LPー独グラモフォン、DGM 18299) 1955年12月、ベルリンの「イエス・キリスト教会」でのモノラル録音でヴィオラのソロは当時首席を務めていたハインツ・キルヒナーがあたっている。今、針をおろすとさすがに録音に時代を感じさせるが「幻想交響曲」(1953年録音)と共にベルリン・フィルとの数少ないグラモンフォン録音からの貴重な1枚である。


ルイ・フレモー 「オッフェンバック序曲集」

2013-11-10 22:17:40 | 管弦楽曲

 写真のLPはフランスの名匠ルイ・フレモーが「バーミンガム市交響楽団」の音楽監督時代、1972年に録音したジャック・オフェンバックのオペレッタ序曲集である。(独EMI-29 0635 1) アルバムには代表作「天国と地獄」のほか普段滅多に演奏されない「ジェロルスティン大公妃殿下」、「美しいエレーヌ」、「青ひげ」、「パリの生活」の計5つの序曲がおさめられている。実力派指揮者フレモーの気品を感じさせる1枚である。因みにこの国内盤は録音後時を経て確か1980年前後に廉価盤LPで初リリースされたことを記憶している。

 

 


キリル・コンドラシンのショスタコーヴィチ「交響曲第13番<バビ・ヤール>」ほか

2013-11-09 19:40:39 | 交響曲

  ショスタコーヴィチの「交響曲第13番変ロ短調作品113」、通称「バビ・ヤール」と呼ばれるシンフォニーはバス独唱並びにバス合唱つきの5楽章構成の一大カンタータ風の作品である。作曲された年は1962年、副題の「バビ・ヤール」はウクライナ地方にある峡谷の地名で第二次大戦中の1941年この地を侵攻した「ナチス・ドイツ」によるユダヤ人虐殺が行われた場所であった。当時、旧ソビエト体制下では作品のテーマが当然のことながら問題となり初演をめぐって当局とひと騒動あったことは有名な話である。初演は1962年12月18日に「モスクワ音楽院大ホール」に於いてキリル・コンドラシン指揮モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団、バス独唱ヴィタリー・グロマツキー、ロシア共和国合唱団ほかで行われている。写真の「ロシア・ヴェネチア盤4CD・セット」(2004年リリース)にはこの初演の翌々日20日に行われたライヴが収録されている。大変貴重な当時の放送音源でもあり指揮者コンドラシンの力量が緊張感とともに伝わってくる。(テキストは反体制派の詩人エフゲニ・エフトゥシェンコの詩)

 ほかにこの4CDセットにはレオニード・コーガンとのショスタコヴィーチ「ヴァイオリン協奏曲第1番」(1962年録音)、ダヴィッド・オイストラフとの「同第2番」(1968年録音)や普段まず耳にすることがないポーランド出身(後にソヴィエトに亡命)のミェチスワフ(モイセイ)・ヴァインベルグの交響曲など珍しい作品が収録されている。

 

 

 

 


ヘルマン・シェルヘンのオネゲル

2013-11-07 22:29:07 | 管弦楽曲

  ヘルマン・シェルヘン(Hermann Scherchen/1891~1966)は現代音楽のスペシャリストでヒンデミット、ベルク、オネゲル等の作品を数多く初演している。写真のLPレコードは彼が1954年に「ウェストミンスター」に録音したオネゲルの管弦楽曲集である。(米abc Westminster Gold -WGM8302 モノラル録音) LPにはオネゲルの代表作「パシフィック231(交響的運動第1番)」・「ラグビー(交響的運動第2番)」・「交響的運動第3番」・「喜びの歌」・「夏の牧歌」の5曲が収められている。いずれもこれがシェルヘン唯一の録音となったがガッシリ骨太の堂々とした演奏が印象的である。またこのアルバムには含まれてないがシェイクスピアの劇のための音楽「テンペストのための前奏曲」もこの時のセッションで録音されている。尚、オーケストラが「Philharmonic Symphony Orchestra of London」とジャケットに表記されているがその実体はロンドンの「ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団」であることが明かされている。