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想い出の演奏会ー(9) 小澤征爾指揮日本フィル第203回定期公演(1970)

2009-02-10 10:55:07 | 想い出の演奏会
 今日は「想い出の演奏会ー(9)」として1970年6月17日東京文化会館での公演、小澤征爾指揮日本フィルハーモニー交響楽団第203回定期演奏会について書いてみたいと思う。この時取り上げられたプログラムはマーラーの大曲、交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」であった。この作品はマーラーの交響曲の中でも大曲中の大曲で8人の独唱者のほか大規模な合唱団を必要とするため現在でも演奏会で生をそうそう聴ける作品ではない。因みにこの時の声楽陣は第1ソプラノ大川隆子、第2ソプラノ佐野順子、第3ソプラノ中村邦子、第1アルト春日成子、第2アルト伊原直子、テノール金谷良三、バリトン吉江忠男、バス佐藤征一郎の8名、合唱に日本プロ合唱団連合、東京合唱団、三友合唱団、東京放送児童合唱団が加わった。
 作品は通常の交響曲とは異なり2部構成で組みたてられ第1部のテキストがマインツの大司教フラバヌス・マウルス(770~850)が聖霊降臨節のために書いたとされるラテン語の賛歌「来たれ創造の主なる聖霊よ」が用いられ第2部ではゲーテの戯曲「ファウスト」の終幕大詰めの場を使用している。
 当時大学生だった私はこの大曲を生が聴けるということで胸をわくわくさせながら会場の東京文化会館へ向かった。私の席は文化会館2階センター3列目で学生身分でロイヤル・シートに座った私はいい気分で鑑賞できたことを今でも鮮明に覚えている。世界のオザワはこの時まだ34歳の若さであった。ウィーン・フィル、パリ管、ベルリン・フィル等に客演約半年ぶりの帰国公演でもあり期待感もふくらんだ。巨大なオザワのマーラー・サウンドに圧倒され演奏終了後の至福の喜びはまた格別であった。写真は当時のプログラムとチケット半券、このころのチケットは中々味がありセンスがいいものが多かった。