私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

カラヤン来日公演の残された貴重映像について(3)

2010-08-18 16:22:27 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 「カラヤン来日公演の残された貴重映像」3回目は1979年から最後の来日となった1988年までをまとめてみたい。

 (8)1979年ベルリン・フィル(第6回)
  1979年秋の来日はコンサート、録音等でカラヤンと最も深い関係でもあった「ウィーン楽友協会合唱団」も同行ししかもアンナ・トモワ=シントウをはじめとするカラヤンお気に入りの歌手達が勢揃いし豪華プログラムが組まれた公演で筆者も会場の普門館へ何度も足を運んだ思いでがある。全9回に及ぶ公演は全て東京で開催された。筆者が一番印象に残っている公演はコンサート第2日目10月17日のマーラー交響曲第6番と締めを飾った10月26日ヴェルディ「レクイェム」の演奏である。残念ながらこの年の公演はテレビ放送はなく映像としての記録は残ってないがNHKFM放送で10月21日のベートーヴェン交響曲第9番が会場から生中継(初のPCMデジタル放送)され話題となった。また録音で10月18日(シューベルト/「未完成」・チャイコフスキー交響曲第5番」)、10月19日(ドヴォルザーク/交響曲第8番・ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」)、10月26日(ヴェルディ/レクイェム」)の公演がNHKFMで放送された。これらの演奏のうち後に「第9」はDGよりCD化、そのほかは「NHKクラシカル」からカラヤン生誕100年記念BOX」の中に収められているがヴェルディ/「レクイェム」はなぜか10月24日に演奏された初日の模様がCD化されている。

 (9)1981年ベルリン・フィル(第7回)
  1981年の公演(全10回)も全て東京で行われている。ただ会場は「普門館」から久しぶりに「東京文化会館」(8回)とNHKホール(2回)であった。ベルリン・フィルは翌1982年に創立100周年を迎える記念の年にあたりこの来日公演も「ベルリン・フィル創立100周年記念」を祝う公演として開催されチケットにも「ベルリン・フィル創立100年記念公演」の文字がシルバーで印字されていた。またソリストにやはりカラヤンお気に入りのアンネ=ゾフィー・ムターが同行しベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を弾き大変話題を呼んだ。放送はこの日のコンサート(10月29日)も含め初日(10月28日/ベートーヴェン交響曲第1番・第3番)、10月30日(ブラームス交響曲第3番・第1番)がTBS系列でテレビ放映された。またNHKホール公演はテレビ放映はなかったが11月2日(ラヴェル/ドビュッシー交響詩「海」ほかオール・フランス・プロ)の公演は録音で最終日(11月8日/ベートーヴェン&チャイコフスキー/交響曲第6番)はNHKFMで生中継された。尚、これらTBS系列で放映された映像は現在のところまだDVD化されていない。

 (10)1984年ベルリン・フィル(第8回)
  1984年、1954年の単身での来日から数えて通算10回目の来日を果たしたカラヤンもこの年には76歳を迎えていた。東京公演に足を運んだ筆者もちょっと体力的にも衰えを感じたカラヤンを感じたが10月21日日曜日にマチネーで行われた東京文化会館での公演プログラムの最後を飾ったレスピーギ交響詩「ローマの松」の終曲「アッピア街道の松」の迫力に圧倒された。この年の公演はまず10月18日・19日の大阪・「ザ・シンフォニーホール」でのコンサート(カラヤンがこの新ホールで演奏したのはこれが最初で最後となった。)の後、会場を東京に移し先にふれた東京文化会館(10/21)、普門館(10/22・23・24)の大阪・東京で計6回の公演を行った。10月19日(大阪)、最終公演10月24日(東京)のフランスものプログラムは来日直前に一部さしかえられドビュッシー交響詩「海」・「牧神の午後への前奏曲」、ラヴェル「ダフニスとクロエ」第2組曲の3曲となり正味1時間足らずの短いプログラムとなった。放送は大阪公演初日モーツアルト/「ディヴェルティメント第15番・R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」、レスピーギ/交響詩「ローマの松」(東京公演10/21と同一プロ)の模様は「テレビ朝日系列」で録画放映された。この映像は後に「カラヤン・ライヴ・イン・大阪1984」としてソニー・クラシカルからDVD化されている。これは「朝日放送」と「テレモンディアル」との共同制作であった。因みにこの年の東京公演の模様はテレビ・FM放送ともにされなかった。

 (11)1988年ベルリン・フィル(第9回)
  カラヤン最後の来日は1988年4月から5月にかけての「ゴールデン・ウィーク」であった。用意されたプログラムは3つ(A)モーツアルト/交響曲第29番・チャイコフスキー/交響曲第6番、(B)ベートーヴェン/交響曲交響曲第4番・ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」、(C)モーツアルト/交響曲第39番・ブラームス交響曲第1番でいずれもカラヤン十八番の作品がならんでいた。残念ながらこの時のテレビ放映はなく映像記録もないが東京公演の3公演5月2日サントリー・ホール(A)、5月4日東京文化会館(B)、5月5日サントリー・ホール(C)の各公演はNHKFMで生中継されカラヤンの来日コンサートでは珍しく翌1989年の正月特別番組でも再放送されている。またこれらは2008年「カラヤン生誕100年記念」として「ユニバーサル・ミュージック」からCD化された。なかでも5月5日の来日公演最後を飾ったブラームス/交響曲第1番の演奏映像こそないのが残念だが白熱の名ライヴとしてファンの間で語リつがれている。

                               (完)
  


最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大阪公演について (falcon 10)
2010-08-21 00:09:58
はじめまして。
いつも楽しく拝見させていただいております。

さて、表題の大阪公演ですが、
1988年4月29日(Aプロ)、30日(Bプロ)が
カラヤン最後の大阪での登場です。
私は4/29の公演に行きました。
最初で最後のカラヤンでしたが、
一生忘れることはないです。
22年前ですが、
今でもあの時の演奏を
克明に思い出すことができます。

ではでは。
返信する
深く 感謝します。 (florian2896(カラヤニスト))
2010-08-22 00:32:14
falcon 10 さま

 小生の拙いブログをいつも閲覧いたただき深く感謝いたします。falcon 10様もそのハンドル・ネームからして相当な「カラヤン・ファン」とお見受けします。
 1988年カラヤン最後の来日公演は凄かったですね。さぞかし開幕の「大阪公演」も大変な興奮に包まれたと思います。
 今後ともよろしく応援お願いします。

返信する
Unknown (Macky)
2019-04-24 10:04:32
>この年の公演はまず10月18日・19日の大阪・「ザ・シンフォニーホール」でのコンサート(カラヤンがこの新ホールで演奏したのはこれが最初で最後となった。)


貴方はこのように書かれていますが間違いです。
最後の来日となった1988年にもザ・シンフォニーホールで2回コンサートを行なっています。

・1988年4月29日(金)、6:00pm、ザ・シンフォニーホール(大阪)
   モーツァルト:交響曲第29番イ長調K.201
   チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調作品74「悲愴」

・1988年4月30日(土)、7:00pm、ザ・シンフォニーホール(大阪)
   ベートーヴェン:交響曲第4番変ロ長調作品60
   ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
返信する

コメントを投稿