私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

長時間収録LPレコード再考

2015-07-27 17:59:27 | その他

 過去に長時間収録国内盤LPをいくつか取り上げたことがあった思うが今日は海外盤から興味深い1枚を紹介したいと思う。写真は1970年前後にリリースされたフランス盤の長時間収録LPである。ジャケットに「Trimicron triple durée」とあるようにまさに超長時間カッティング・レコードである。ちなみにこのレコードにはチャイコフスキーの「交響曲第6番<悲愴>全曲と「弦楽セレナーデ」第1楽章が第1面に裏面には残り第2楽章ー第4楽章に加えて「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」全曲がおさめられている。参考までに収録時間第1面=56分44秒、第2面=53分14秒で合計109分58秒に及ぶ。私の長時間収録LPコレクションの中でも当盤が驚異的に長い。当時としてもLPの片面収録時間はせいぜい長くても25分~30分前後が一般的だった。詰め込めば詰め込むほど理論的にはダイナミック・レンジが縮小され音質も劣化することは当然のことだがこのLPは針が内周に進んでもほとんど音質に歪を感じさせないのがデジタル時代の現在も摩訶不思議である。

 Trimicron33T triple durée, LS14 STEREO録音 演奏データ:

 チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調Op.74<悲愴>指揮:E. Lindenberg ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団 ・ 弦楽セレナードOp.48 指揮:A. Schulz 南ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団 ・ ヴァイオリン協奏曲ニ長調Op.35 指揮:O. Maga  ニュルンベルク・フィルハーモニー管弦楽団  (録音年月日等 不詳)

 

 

 

            

 

 

 

 

   

  

 

 

 


「スイス伝統楽器による民俗音楽アルバム」 -「Jungfrau-Express」

2015-04-05 16:16:01 | その他

 

  写真のLPは「ユングフラウ・エクスプレス」と題するアルプホルン(アルペン・ホルン)やダイアトニックアコーデイオン等々、伝統的なスイス民俗楽器で奏される山岳地方のフォーク・ソングを集めたアルバムである。スイスの「TELL Record」というレーベルからリリースされたLPレコードで数十年前に ユングフラウ鉄道の起点でもあるクライネシャイデックで求めた記憶がある。(TLP 5160 ステレオ盤/録音年代不詳)なかでも名アルプホルン奏者の一人であるハンス・ブルアー(Hans Bleuer)の演奏がやはり印象的な1枚だ。

 

  

 

  


富田 勲 - 「宇宙幻想」

2013-04-06 11:18:25 | その他

  最近では宮沢賢治の世界を巨大シンフォニーに表現した「イーハトーヴ交響曲」で話題を集める富田だが今回紹介する写真のLPは「宇宙幻想(COSMOS)」と題する彼の第5作目にあたるアルバムである。(1977年12月リリース)前作のホルスト「惑星」が大変な評判となりいささかその陰に隠れた1枚だったがオネゲル「パシフィック231」やアイヴス「答えのない問い」などシンセサイザーによる彼独特のイメージで築き上げられる音の表現が大変興味深かった。確か当時「CD-4」による「ディスクリート方式」の4チャンネル盤も発売されたと記憶している。(写真/2チャンネル盤、RVCー2170)


ムソルグスキー=富田  組曲「展覧会の絵」

2013-01-02 09:52:47 | その他

  シンセサイザーによる富田 勲のムスルグスキーの「展覧会の絵」、写真の国内盤LPの初出は確か1975年のことで先日紹介した「ドビュッシ-月の光」に次ぐ2枚目のアルバムであった。当時、このアルバムもアメリカで大ヒットし前年の「ドビュッシー」に続き米国NARM(National Association of Recording Merchandisers)のクラシック部門の選出された。シンセサイザーによる巧みな音の絵がコミカルに再現されている。日頃聴きなれたラヴェル編曲の管弦楽による演奏とは全く異次元の世界がとても新鮮だった。また当時、4チャンネル盤も発売されておりオーディオの人気が今以上に高かったことを思い起こさせる1枚である。(写真/国内盤RCA 、SRA2972)

 

 


ハリウッド・ボウル交響楽団のクリスマス音楽集

2012-12-25 14:54:14 | その他

 今日はクリスマス。 そこでカーメン・ドラゴン、アルフレッド・ニューマンの指揮「ハリウッド・ボウル交響楽団」演奏によるクリスマス音楽アルバム(写真/米キャピトル、2LPーSTBB-489/ステレオ)を取り上げてみたい。カーメン・ドラゴン(Carmen Dragon/1914~1984)はアメリカのポップス・オーケストラ指揮者の第一人者、作曲、数多くの編曲者として知られ人である。一方のアルフレッド・ニューマン(Alfred Newman/1900~1970)も数多くの映画音楽の作曲を手がけ「アカデミー賞」も9回も受賞した人である。

 このアルバムにはこの二人の巨匠が1960年前後にレコーディングした「もろびとこぞりて」をはじめクリスマスに因んだ作品が20曲収められている。しかもカーメン・ドラゴン指揮によるものは全て彼自身の編曲によるものである。毎年クリスマスの時期になるとよく耳にするこうした作品をフル・オーケストラで聴いてみるのもまた格別である。尚、「ハリウッド・ボウル交響楽団」の名称は「キャピトル」にレコーディングする際に用いられたものでその実体はハリウッドの映画音楽ミュージシャンたち映画音楽やクラシック音楽を演奏するために組織した「グレンデール交響楽団」と云われている。

 


富田 勲 - ストラヴィンスキー 「火の鳥」

2012-12-17 20:40:34 | その他

 先日、富田 勲シンセサイザー・デビュー・アルバム「ドビュッシー」を取り上げたところだが今日は彼の第3作となるストラヴィンスキー「火の鳥」を紹介したい。(写真/国内盤LPーRVC2001/1975年リリース)このアルバムは先の空前のヒットとなった「ドビュッシー」、ムソルグスキー「展覧会の絵」に続くもので富田の異次元的幻想サウンドが楽しめる1枚である。当時、4チャンネル盤も出ていたと記憶している。またこのアルバムにはこのほかドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」とムソルグスキーの交響詩「禿山の一夜」も収められ個性豊かな富田サウンドが満喫できる。

 

 

 


富田 勲 - 「月の光」

2012-12-03 17:25:28 | その他

 「モーグ・シンセサイザー」による富田 勲のドビュッシー「月の光」は彼のデビュー・アルバムであった。写真RCA国内初出盤LP-SRA2947は1974年9月にリリースされたものだがこれに先立ちオリジナル盤(ジャケット・デザインも異なる)は「米RCA」から発売されアメリカで空前のヒットを呼んだ。因みにアメリカの「1974年度NARMクラシック部門」最優秀レコードにも選ばれている。今回、久しぶりに耳を傾けたがまさにドビュッシーの音楽がメルヘンの世界へと誘う。後に彼はムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」、ストラヴィンスキー/舞踊組曲「火の鳥」、ホルスト/組曲「惑星」等々をリリース、「トミタ・ワールド」を築きあげる。筆者も当時彼のシンセサイザーの音楽に夢中になった。 80歳を迎えた現在も作曲家、音響クリエーターとして活躍中である。

 

 


「オレゴン響」のブラームス「ドイツ・レクイエム」を聴く

2012-10-15 09:34:36 | その他

  9月末より北米西海岸のぶらり旅に出た。今回はポートランド(オレゴン州)、シアトル(ワシントン州)、さらにカナダ、バンクーバー BCまで足を伸ばし先週帰国した。 約2週間にわたる旅も全日程、幸い好天に恵まれ初秋の北米を満喫した。またポートランド~シアトル~バンクーバー (BC)まで鉄道(Amtrak)を利用したので海岸沿いを走る車窓からの美しい風景も充分堪能することができた。

  音楽関係では「オレゴン交響楽団」(ポートランド)、シアトル交響楽団、バンクーバー交響楽団の各コンサート・ホールも訪ねてみた。とりわけ9月29日(土)に聴いた「オレゴン交響楽団」によるブラームスの「ドイツ・レクイエム」は期待以上に素晴らしかった。

  このオーケストラは日本ではまだ馴染みが薄いが全米では「ピッツバーク交響楽団」と並ぶ1896年の創設で7番目に古い歴史を持つ。2003年よりカルロス・カルマーが音楽監督を務めているがその前は「都響」の音楽監督だったジェームズ・デプリーストが23年に渡りその地位にありオーケストラの水準をトップ・レベルまで引き上げたといわれている。

  コンサートは本拠地ポートランドのダウンタウンにある「アーリン・シュニツァー・コンサート・ホール」(写真/筆者撮影)で19時30分から開催された。 独唱陣はいずれも現在アメリカで活躍中のドミニク・ラベル(ソプラノ)、リチャード・ツェラー(バリトン)、合唱=ポートランド・シンフォニック合唱団、指揮はスティーヴン・ゾフィとこれまた日本ではほとんど知られてない面々だったが特にソプラノのドミニク・ラベルの声が美しく印象に残った。

 最後に録音活動も積極的で国内盤は出ていないが「デロス」レーベルのデプリーストとのレスピーギ/交響詩「ローマ3部作」が代表盤として知られている。

 

 


音楽百科 - ケンブリッジ・バスカーズ

2012-09-04 01:24:23 | その他

 今日は針を下ろすと楽しくなるアルバムを取り上げてみたい。写真のLPは1970年代から80年代にかけて「ケンブリッジ・バスカーズ」という名前で親しまれたイギリスの若手コンビによる軽妙洒脱、ウイットに富んだアルバムである。

 「ケンブッリジ・バスカーズ」とはその名称の通り当時この地区の大学の学生だったマイケル・コプレイとデイヴィッド・イングラムが結成した二人組みのリコーダーとアコーディオンによるバンドである。何でも「busker」という単語を辞書で引くと「流し」とか「大道芸人」という意味らしい。クラシック名曲のエッセンスを平均2分から3分に実に上手にまとめあげ親しみをこめて演奏するという特技はイギリス国内のみならず彼らの人気は世界へと広がった。日本にも1976年以降度々登場し多くのファンを持った。現在はアコ-ディオンがイアン・ムーアに変わり「クラシック・バスカーズ」の名称で再結成され活動を続けている。

 ところでこのアルバムは1983年にデジタル録音されたものである。なかでもベートーヴェン全9曲の交響曲を実に巧妙にアレンジしながら4つの楽章にまとめあげてしまうところなど興味がつきない。かつての「ホフナング音楽祭」を連想させてしまうほど何度聴いても飽きの来ないアルバムでもある。(ビクター VIC-28120)

(1985年来日時の色紙)


「ベルリン・ドイツ・オペラ75年史」  

2012-07-15 12:00:18 | その他

  

  「ベルリン・ドイツ・オペラ」はベルリンの「シャルロッテンブルグ地区」に1919年に設立されたオペラ・ハウスである。 設立当時は「シャルロッテンブルグ・ドイツ歌劇場」と呼ばれていた。その後、その名称は「ベルリン市立歌劇場」と「ベルリン・ドイツ・オペラ」と交互に改名されたが1961年に現在の「ベルリン・ドイツ・オペラ」の呼び名で落ち着いた。 写真(上)は1986年にベルリンで刊行されたこのオペラ・ハウスの75年史を豊富な貴重な写真と共に綴った書籍(独語)である。

 「ベルリン・ドイツ・オペラ」で思い出されるのはやはり1963年秋の指揮者にカール・ベーム、ロリン・マゼールらを伴っての来日公演であろう。 この本にも当時の模様が写真と共に詳く紹介されている。 また付録として添付された歴代指揮者たちによる「SP」時代の録音を復刻した17cmLP盤も興味深い。(写真・下) 初代音楽監督イグナーツ・ワーグハルター(Ignatz Waghalter)の1926年録音のおそらくラッパ吹き込みと思われるモーツアルト「フィガロの結婚」序曲を含む貴重な音源が収録されている。