私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

カラヤン&ウィーン・フィル、「1987年ニュー・イヤーコンサート ライヴ盤」 (LP)

2012-12-31 18:57:55 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

  今年も残すところあと数時間になってしまった。 月日が経過するのが年をとるにつれ速くなる感じがする。 ウィーンでは今日大晦日は恒例のウィーン・フィルの「ジルヴェスター・コンサート」、明日の元日は午前11時15分から「ニューイヤ・コンサート」が開催される。今回の指揮はフランツ・ウェルザー=メストで明日の現地からの生放送が楽しみである。筆者はカラヤンが最初で最後にこの舞台にたった1987年の「ニュー・イヤー・コンサート」に運よく足を運んだことを思いだす。このコンサートは筆者にとってこれまで海外で数多く聴いたコンサートの中でも絶対に忘れることができない一つである。

 写真はそのコンサートの模様を編集したライヴ盤だがCDではなくLPである。まだこの当時はCDと同時にLPも発売されていた。日本ではCDへの移行が速かったが海外、特にヨーロッパではまだLPの方がむしろ主流だった。ウィーンの大きなレコード店でもCDは店内の片隅に置かれていた時代である。因みに写真のLPは国内盤グラモフォンーレコード番号「23MG 0593」で当時2,300円で発売され同時に発売されたCDは3,000円だったと思う。現在のLPレコードの価格は途轍もなく高価になってしまったがやはりLPの音には愛着がある。日本でのLPプレスの最晩年が1987年ごろではなかったか? それだけにこのLPには思入れが深い。しかもこのカラヤン盤は数多い「ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート」ライヴ盤の中でもベスト・ワンといっても過言ではない。 写真(下)「1987年ニューイヤーコンサート」プログラム」から


ティルソン・トーマス&ボストン響のチャイコフスキー「冬の日の幻想」

2012-12-30 15:03:10 | 交響曲

 通称MTTで知られるマイケル・ティルソン・トーマスがボストン交響楽団と1970年に「ドイツ・グラモフォン」にレコーディングしたチャイコフスキー「交響曲第1番<冬の日の幻想>」は過去にCDで取り上げたことがあるが今回は久しぶりにオリジナルLP(写真ーDG/2530 078 1971年リリース)で聴いてみた。やはりLPの方が音に厚みが加わりさらに演奏にさらなるスケール感を感じさせる。この録音は彼がまだボストン交響楽団のアシスタント指揮者時代、25,6歳の時のものでおそらくDGへのレコード・デビュー盤ではなかったかと思う。 溌剌とした若きティルソン・トーマスの指揮振りが伝わる手ごたえある洗練された演奏が大変魅力的な1枚だった。この12月に68歳を迎え巨匠の風格もそなえつつある彼の今後のチャイコフスキー交響曲全集録音に期待したいところである。

 


マスネの「ピアノ協奏曲」

2012-12-29 12:07:05 | 協奏曲

 ジュール・マスネ(Jules Massenet/1842~1912)はフランスの軽妙なロマンティック・オペラの作曲家として知られているがオペラのほかにも管弦楽曲、バレエ音楽、歌曲、ピアノ曲等々の作品も多数残している。 しかしこれらの作品は日本で演奏されることは稀で生の演奏を聴く機会もほとんどない。今日紹介する彼の唯一の「ピアノ協奏曲変ホ長調」も筆者はまだレコードでしか聴いたことがない。写真のLPは1980年に「仏パテ・マルコニ」からリリースされたアルド・チッコリーニの「マスネ/ピアノ作品集」で第1面に「ピアノ協奏曲」、第2面にはピアノ小品が収録されている。(仏パテEMIー290189 1)

 協奏曲の指揮は現在、「読売日響」の首席指揮者を務めているシルヴァン・カンブルラン、管弦楽は「モンテ・カルロ国立管弦楽団」で録音はこのオーケストラの演奏会場でもある「レニエ3世オーディトリアム」において1979年に録音されている。この作品は1903年、マスネが61歳の時に作曲されたもので全3楽章からなるロマンティックな持ち味の魅力的なピアノ協奏曲だが国内ではこれまで未発売だった。因みにちょうどマスネ没後100年にあたる今年、国内盤で「EMIクラシックス」として初CD化されている。レコード第2面に収録された小品集もマスネを得意としフランス近代音楽の権威でもあるチッコリーニのうまさが光る。(1975-77年パリ録音)

 

 


シューリヒト&フランス国立管 - シューマン/交響曲第2番ほか ライヴ盤

2012-12-28 13:06:15 | 交響曲

 カール・シューリヒト(Carl Schuricht/1880~1967)はブルックナーと並びシューマンも得意としていた指揮者だった。彼はスタジオ録音で1950年代にパリ音楽院管弦楽団とモノラルで「第2番」と「第3番」を「英デッカ」にまた1960年にはステレオで南ドイツ放送交響楽団と「第3番」、「マンフレッド」序曲を「コンサート・ホール」に録音していた。今回は過去に取り上げなかったシューリヒトのシューマンのLPから写真の「フランス国立管弦楽団」とのライヴ録音を紹介したい。

 このレコードは1985年初出の国内盤REL-3531(RVCー仏エラート原盤ーERH-16009)で「仏エラート」創立30周年、「フランス国立管弦楽団」創立50周年を記念して限定発売された1枚である。LPには1963年5月14日、パリの「シャンゼリゼ劇場」におけるライヴから「マンフレッド」序曲、1955年の「モントルー音楽祭」におけるライヴから「交響曲第2番ハ長調」が収められている。シューリヒトの解釈は快速テンポで振っているところ等々、スタジオ録音との基本的な違いはないがコンサート・ライヴということもあり幾分引き締まった演奏で緊張感が感じられる。モノラル録音なのがちょっと残念だが録音年代からしていたしかたない。尚、演奏終了後の聴衆の拍手は「マンフレッド」序曲はカットされている。

 

 

 


セラフィンの「ロッシーニ/オペラ序曲集」

2012-12-26 17:50:33 | 管弦楽曲

 トゥリオ・セラフィン(Tullio Serafin/1878~1968)はイタリア・オペラ指揮者界の巨匠だった。彼は戦前から戦中にかけ「ローマ歌劇場」の芸術監督を務めその黄金時代を築いた。戦後も亡くなるまでこの劇場の芸術顧問を務めている。写真のLPは彼が劇場専属の「ローマ歌劇場管弦楽団」と「ドイツ・グラモフォン」に1963年録音したロッシーニの序曲集である。(写真/DG国内盤ーSLGM-1287)

 LPにはロッシーニの代表オペラ、「どろぼうかささぎ」、「絹のはしご」、「ウィリアム・テル」、「セヴィリアの理髪師」、「セミラーミデ」の各序曲と「セヴィリアの理髪師」から第2幕第2場で演奏される「嵐の音楽」が収録されている。当時として録音も大変素晴らしくイタリア・オペラ指揮者の名人芸を味わえる一聴の価値ある1枚だった。


ハリウッド・ボウル交響楽団のクリスマス音楽集

2012-12-25 14:54:14 | その他

 今日はクリスマス。 そこでカーメン・ドラゴン、アルフレッド・ニューマンの指揮「ハリウッド・ボウル交響楽団」演奏によるクリスマス音楽アルバム(写真/米キャピトル、2LPーSTBB-489/ステレオ)を取り上げてみたい。カーメン・ドラゴン(Carmen Dragon/1914~1984)はアメリカのポップス・オーケストラ指揮者の第一人者、作曲、数多くの編曲者として知られ人である。一方のアルフレッド・ニューマン(Alfred Newman/1900~1970)も数多くの映画音楽の作曲を手がけ「アカデミー賞」も9回も受賞した人である。

 このアルバムにはこの二人の巨匠が1960年前後にレコーディングした「もろびとこぞりて」をはじめクリスマスに因んだ作品が20曲収められている。しかもカーメン・ドラゴン指揮によるものは全て彼自身の編曲によるものである。毎年クリスマスの時期になるとよく耳にするこうした作品をフル・オーケストラで聴いてみるのもまた格別である。尚、「ハリウッド・ボウル交響楽団」の名称は「キャピトル」にレコーディングする際に用いられたものでその実体はハリウッドの映画音楽ミュージシャンたち映画音楽やクラシック音楽を演奏するために組織した「グレンデール交響楽団」と云われている。

 


A.ボールト&ニュー・フィルハーモニア - V.ウィリアムズ/交響曲第3番・第6番

2012-12-23 13:01:34 | 交響曲

  サー・エードリアン・ボールト(1889~1983)はヴォーン・ウィリアムズ(1872~1958)のスペシャリストだった。彼は彼の交響曲全集録音をモノラルで「ロンドン・フィル」と英デッッカ、ステレオで「ロンドン・フィル」と「第1番~第2番」、「第5番」、「第7番~第9番」、「ニューフィルハーモニア管」と残りの「第3番」・「第4番」・「第6番」を「EMI」に遺している。写真のLPは後者ステレオ録音のニュー・フィルハーモニア管弦楽団との「第3番<田園交響曲>」と「第6番」をカップリングしたものである。(英EMIーED2904081)どちらも渋い作品で日本では馴染みが薄い交響曲だがこのボールトの指揮で聴くとなぜか不思議にハマってしまう。「第3番」では最終楽章のソプラノ、マーガレット・プライスによる歌詞を持たないヴォカリーズが神秘的である。録音は1967,8年ごろと思われる。

 

 


ユーリ・アーロノヴィチ&ロンドン響 - チャイコフスキー「マンフレッド交響曲」

2012-12-21 17:21:34 | 交響曲

  筆者はチャイコフスキーの「マンフレッド交響曲」に惹かれ今も数々の指揮者によるレコード・CDを収集し耳を傾けている。今日紹介するユーリ・アーロノヴィチ指揮ロンドン交響楽団の演奏はとりわけ魅力的である。(写真、ドイツ・グラモフォン初出LP-2530 878/1977年録音)アーロノヴィチはクルト・ザンデルリングやナタン・ラフリンに師事した当時のレニングラード出身の指揮者だがその後イスラエルに移住し西側で活躍した指揮者である。日本でも「読売日響」に客演し1979年暮れの「第9」を振り私も足を運んだ記憶がある。

 彼が「ドイツ・グラモフォン」にロンドン響と録音したこの「マンフレッド交響曲」はレコード・デビューでもあった。チャイコフスキーがバイロンの同名の作品から4つの情景を音楽描写した大作を彼は持ち前の堂々としたスケールでじっくりと正面から取り組んでいる。全体的にテンポを遅めにとり演奏時間も65分余りを要し実に聴き応えも充分だ。 2002年に指揮者としてはまだこれからという70歳を迎える前に彼がこの世を去ったことは残念である。

 

 

 


モーシェ・アツモン&ウィーン交響楽団 - チャイコフスキー/交響曲第3番「ポーランド」

2012-12-20 18:30:17 | 交響曲

 ハンガリー、ブダペスト出身でイスラエルの名指揮者モーシェ・アツモン(Moshe Atzmon)も現在81歳、ハンス・シュミット=イッセルシュテットの後を継ぎ1972年から76年まで「北ドイツ放送響」の首席指揮者を務めた。また手元の「1967年ザルツブルク音楽祭」の公式プログラムを開くと彼はこの年にウィーン・フィルを振って「ザルツブルク音楽祭」のオーケストラ・コンサートの舞台に立っている。筆者は彼が「都響」の首席指揮者時代、1970年代末から80年代前半にかけてしばしば彼のコンサートに足を運んだことを思いだす。

 今日は写真のLP、彼が「ドイツ・グラモフォン」に「ウィーン交響楽団」とレコーディングしたチャイコフスキー/「交響曲第3番ニ長調<ポーランド>」を取り上げてみたい。(独グラモフォンー2530 401) この録音はちょうど彼が「北ドイツ放送響」の首席指揮者に就いた1972年の録音である。しかもチャイコフスキーの交響曲のなかでも一番渋い「第3番」を選曲したところなど彼の幅広い音楽性と底力を再認識させられる。この5楽章から構成され演奏時間も50分近く要するチャイコフスキーにしては地味な交響曲を飽きさせず作品のツボを押さえた彼の指揮ぶりにハマってしまう1枚である。

 


バーンスタイン&ボストン響の貴重映像 - リスト「ファウスト交響曲」(1976年)

2012-12-18 15:53:57 | 貴重映像

 レナード・バーンスタインがボストン交楽団を振ったリストの大作「ファウスト交響曲」の貴重映像である。(写真ーDVD/ドリーム・ライフDLVC1180)ジャケットの解説によると1976年7月27日、ボストン・シンフォニーホールにおけるライヴ・ステレオ収録となっている。テノール独唱はケネス・リーゲル、タングルウッド祝祭合唱団が共演している。因みにこの映像収録と並行して同一メンバーによるレコード・セッション録音も行われこちらはバーンスタインが正式に「ドイツ・グラモフォン」専属契約をしたレコード第1弾となった。またバーンスタインはこの作品を1960年にニューヨーク・フィルとも「CBS」にステレオ録音していた。当時58歳のバーンスタインの溌剌とした指揮ぶりが印象的だ。