私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

ユーリ・バシュメット&国立ノーヴァヤ・ロシア交響楽団

2015-03-31 20:25:20 | 交響曲

  ロシアの名ヴィオラ奏者、ユーリ・バシュメットは自身が結成した「モスクワ・ソロイスツ」と度々来日、その巧みで緻密なアンサンブルの魅力に酔うファンも多い。同時に近年は指揮者としての活躍も目覚ましく現在は1990年に設立された「国立ノーヴァヤ・ロシア交響楽団」の芸術監督も務めている。写真のCDはこのコンビによるブラームスの「第3番」とチャイコフスキー「第6番<悲愴>」の2曲を収めたライヴ録音である。ちなみにブラームスが2004年4月27日、チャイコフスキーが2005年2月7日、いずれもモスクワ音楽院大ホールにおける演奏である。オーケストラ指揮者としても彼の器の大きさが充分に伝たわる1枚だ。(オーストリアica CLASSICS-ICAC5023)


ヴァント&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の「ブルックナー第8番」

2015-03-30 15:23:00 | 交響曲

 写真はかつての「コンサート・ホール盤」等々どちらかといえばマニアック向けの貴重音源を数々CD復刻している「SCRIBENDUM(スクリベンダム)」が2000年初頭にCD化したギュンター・ヴァント指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団によるブルックナー交響曲第8番である。(SCRIBENDUM-SC007)ヴァントは1946年から74年にかけこの歴史あるオーケストラの首席指揮者を務めていた。なんでもこの録音は彼がケルン市音楽総監督就任25周年を記念したコンサートのライヴ収録(1971年10月4日)とのことだが演奏終了後の聴衆の拍手はカットされている。ヴァントが遺した「第8番」の代表的な公式録音は数えるだけもこの音源の他に古い順に「ケルン放送響(1979年)」・「北ドイツ放送響(1987年・1993年)」・「ミュンヘン・フィル(2000年)」、「ベルリン・フィル(2001年)」と5つあげれるが演奏時間もほぼ年代を追うごとに遅くなっている。因みにこの「ギュルツェニヒ管」との演奏は80分を切っており各楽章のテンポも一番速く鋭角的なブルックナーである。余談だがこの音源、国内盤でも1970年代に廉価盤LP2枚組で発売され筆者も購入した記憶がありレコード棚をチェックしてみたが見つからなかった。

 


若き日のチェリビダッケ 

2015-03-28 13:38:01 | 交響曲

 若き日のチェリビダッケ、貴重な放送音源からの復刻である。戦後の混乱期ベルリンで研鑽を積んでいたチェリビダッケは1945年「ベルリン放送協会」主催の指揮者コンクールで優勝、そして幸運にも「ベルリン・フィル」の指揮台にデビューする。写真のCD(仏TAHRA4017,<旧271>)にはその当時ベルリン放送協会のホールで収録されたベルリン・フィルとの演奏がおさめられている。<ベートーヴェン「レオノーレ序曲第3番」(1945年1946年1月10日収録)、ブラームス「交響曲第4番」(1945年11月18日収録)> 当然のことなが音質に多少難点があることは致し方ないが時代を考慮すれば納得できる。むしろ若きチェリビダッケがエネルギッシュで真摯に真っ向から作品に情熱を注ぐ指揮ぶりに注目したい。残念なことにこのフランス「TAHRA」レーベルも昨年CD制作に幕を下ろしてしまった。


バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニック、 ベートーヴェン/交響曲 旧全集録音から

2015-03-27 10:53:56 | 交響曲

   

  バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックによる(旧)ベートーヴェン交響曲全集録音盤から選んでみた。写真のLPは左から「第5番」(米CBS,MS6468)「第4番」と「第8番」がカップリングされた(MS7412)である。このニューヨーク・フィルハーモニックとの全集録音は1961年から64年にかけて行われている。彼は当時「米CBS」に数多くの録音を遺しているが振り返ると彼の人気がカラヤンと二分するほど万人から注目を集めるようになったきっかけは70年代に入り「ドイツ・グラモフォン」や「EMI」にレコーディングしはじめてからだったと思う。確かにその頃から彼が出演する「ザルツブルク音楽祭」をはじめとしてヨーロッパの音楽祭のチケット入手は困難だった思い出がある。さてこの旧全集録音の話に戻るが私的な見解だが1961年録音の「第5番」に注目したい。若きバーンスタイン(当時43歳)が全身全霊を注いだ渾身の迫力が伝わってくる。また「第4番」・「第8番」(1962年・63年録音)もカラヤン盤と比較しながら聴いてみるのも面白い。

 

 

 

 

 

 


ベームのR.シュトラウス/「英雄の生涯」

2015-03-25 16:32:54 | 管弦楽曲

  カール・ベームはリヒャルト・シュトラウスを大変得意としているだけにオペラも含め数多くのレコード録音を遺している。しかし管弦楽曲作品でウィーン・フィルとは意外なことにこの「英雄の生涯」しかレコーディングしていない。(写真/国内盤DG, MG1052, 1976年録音) 旧録モノラル盤、ドレスデン国立管弦楽団との演奏(1957年録音)も素晴らしく捨てがたいがどちらか1枚を選択するならば録音の素晴らしさに加えベームの人生の悟りも感じ取れるこのウィーン・フィル盤をとりたい。

 

 

 

 


「ウィーン・フィルハーモニー室内アンサンブル」によるベトーヴェン「七重奏曲変ホ長調」作品20

2015-03-24 11:04:41 | 室内楽曲

  ベートーヴェン唯一の「七重奏曲」である。作曲年代は1796年から1800年ごろと推定されておりヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、クラリネット、ホルン、ファゴットのために書かれたものである。写真のLPはかつてウィーン・フィルの名コンサート・マスターとして活躍したゲルハルト・ヘッツェルのほか主席奏者を務めたメンバーにより1975年にレコーディングされた名盤である。なかでも「バリリ弦楽四重奏団」のヴィオラ奏者ルドルフ・シュトレンクやLP余白に収録された小品「弦楽五重奏のためのフーガ作品137」には第2ヴァイオリンにウィルヘルム・ヒューブナーも加わっているのも魅力である。彼らの情緒的で甘美な演奏にうっとりさせれてしまう1枚だ。(写真ー国内盤DG, MG1060)

 

 


スヴェトラーノフ&ロンドン交響楽団 - R=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」

2015-03-23 10:35:24 | 管弦楽曲

  一昨日に続き今回はスヴェトラーノフが西側のオーケストラを指揮して録音したレコードから1枚取り上げてみたい。写真のLPは彼が英EMIに「ロンドン交響楽団」とレコーディング(1978年)したリムスキー=コルサコフの代表作、交響組曲「シェエラザード」である。(英EMI-ASD3779)ヴァイオリン・ソロは当時のコンサート・マスター、ジョン・ジョージアディスがつとめている。この録音は前年の「フィルハーモニア管弦楽団」とのグラズーノフ舞踊音楽「四季」(英EMI)に続く第2弾だった。当時、スヴェトラーノフが西欧のオーケストラとの録音ということで話題にはなったが日本ではそれほどのインパクトはなかったような気がする。もちろん彼はこれ以前(1969年)に「ソヴィエト国立交響楽団」との録音(メロディア)があるがこのEMI盤ではさらに遅いテンポをとりジックリと重厚感あるリムスキー=コルサコフの音の絵巻を仕上げている。

 

  

 


スヴェトラーノフ&ソヴィエト国立交響楽団 - チャイコフスキー/交響曲第1番

2015-03-21 21:04:15 | 交響曲

  昨日のキリル・コンドラシンとは対照的にエフゲニー・スヴェトラーノフはチャイコフスキーの交響曲をライヴ録音も含め数多く遺している。写真のLPレコード(ロシア・メロディア盤C 01543-4),「第1番ト短調<冬の日の幻想>」は彼と縁の深かった「ソヴィエト(現、ロシア)国立交響楽団」と最初に完成した全集録音(1967年)からの1枚である。このレコードは「ソヴィエト連邦」が新生「ロシア」になった直後の1991年9月、モスクワ郊外の雑貨店で求めたもので印象も深い。当時、ロシアの小さな町の雑貨店には日用雑貨の他に書籍類やレコード等も置いてあった。90年代になってもしばらくはCDよりまだLPの方が幅をきかせていた思う。この録音は若きスヴェトラーノフの底力を充分にうかがい知ることができる。彼はその後このコンビで「チャイコフスキー交響曲全集録音」を「1990年5月来日公演時のライヴ、さらに「ロシア国立交響楽団」になった1993年にもモスクワ放送局大ホールにおけるセッション録音にる全集を完成している。

 

 

 


コンドラシン&国立モスクワ・フィルハーモニー響のチャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」

2015-03-20 10:58:43 | 交響曲

 キリル・コンドラシンとモスクワ・フィル一行が初来日したのは今から半世紀近く前の1967年4月のことだった。当時の公演の模様はかれこれ10数年前にNHK放送音源よりCD化(Altusレーベル)されたことがある。今回紹介する写真のLPは1970年前後に当時「日本ビクター」から発売されていた「新世界レーベル」(メロディア原盤)の同コンビによるチャイコフスキー「交響曲第6番ロ短調<悲愴>」である。ところでコンドラシンのチャイコフスキーの交響曲公式録音は意外に少なくこの「悲愴」もおそらくスタジオ・セッション録音では唯一のものではなかろうか?当LPには録音年代データは記載されてないが彼が音楽監督をつとめていた1960年代半ばごろと推定される。音質は少々時代を感じさせるが演奏は金管楽器群の響き、スケール感、迫力はさすがである。(写真/新世界レコードLP SMK7510)余談になるがこの音源、国内盤は今だにCD化されてないようである。

 

 

 


レミ・バローのブルックナー/交響曲第3番/第8番

2015-03-19 11:48:10 | 交響曲

   

  写真のCDはレミ・バロー(Rémy Ballot)指揮によるブルックナーの交響曲第3番と第8番である。CDの解説によればバローは16歳のころから巨匠チェリビダッケに学んだことがあるパリ出身のフランス人指揮者とのことである。共にブルックナーゆかりのリンツ近郊に位置する「聖フローリアン修道院」本堂における「ザンクトフローリアン・ブルックナー音楽祭」におけるライヴ録音である。因みに「第3番」が2013年8月23日、「第8番」が2014年8月22日の演奏でオケーストラが異なり前者が「ザンクトフローリアン・アルトモンテ管弦楽団」、後者が「オーバーエスターライヒ青少年交響楽団」となっている。両者とも耳なれない楽団だが前者は1996年に創立された団体で「アルトモンテ」とはこの修道院の大広間に壮大なフレスコ画を描いたバロック期の一族「アルトモンテ」に因んでつけられたそうだ。また後者のユース・オーケストラはオーストリアのリンツを州都とする「オーバーエスターライヒ州」の音楽学校で研鑽を重ねてきた音大生たちで構成されている。ブルックナー好きの筆者も何度かこの修道院を訪れここの長大な残響を体感しているがこの演奏もその残響を効果的に考慮しながらブルックナーの美しい響きの世界にさそい込んでいる。「第3番」は最も小節数が多い1873年ノヴァーク第1稿を使用し演奏時間も全体で90分近く要ししかも1枚のCDに収めておりまさに聴きごたえあり。一方、「第8番」の演奏は「ノヴァーク版第2稿(1890年)」を基本としたものと思われるがこれも100分を超える重量感ある演奏で会場の残響、余韻がたっぷりと味わえる。(「第3番」-Gramola GRML99044, 「第8番」-Gramola GRML99054 SACD仕様<2層>2CD)