私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

ピエール・デルヴォーの「ダンディ・管弦楽曲集」

2015-11-30 15:35:11 | 管弦楽曲

 フランスの名匠ピエール・デルヴォー(Pierre Dervaux/1917~1992)が古城群で有名なロワール地方のナント市とアンジェ市に本拠を置く「ロワール地方フィルハーモニー管弦楽団」と録音したヴァンサン・ダンディ(Vincent d'Iindy/1851~1931)の管弦楽曲集である。(写真/仏パテ・マルコニLP,2C 069-16301)

  デルヴォーはN響に1965年に初客演しその後も何度か指揮台に立ち日本のファンも多かった。彼は1971年に創立されたこのロワールのオーケストラの初代音楽監督を務めアルバムは音楽監督時代の1978年にセッション録音されたものである。ダンディの主要な管弦楽曲作品から「山の夏の日」・「交響的伝説ー魅惑の森」、「旅の画集」が収められている。因みに「旅の画集」の原曲は13曲から構成されるピアノ曲だが後に6曲(前奏・進め・みどりの湖・弔いの鐘・宿駅・夢)を選び作曲者自身が管弦楽に編曲したものである。

   


ベイヌム&コンセルトヘボウの「シェエラザード」スタジオ録音盤

2015-08-02 12:36:56 | 管弦楽曲

 以前にエドゥアルド・ヴァン・ベイヌム&アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団によるリムスキー=コルサコフ交響組曲「シェエラザード」の1957年ライヴ盤(伊/MOVIMENTO MUSICA盤)を紹介した際(2013・4/26)「ベイヌムの当作品のスタジオ録音はなかったと思う」と記したがレコード棚の隅からすっかり忘れていた写真の同コンビによるスタジオ録音盤が出てきたので今回訂正しておきたい。(写真/国内盤EPIC-BOM1005)このLPは1957年にリリースされた「EPIC」最初期イエロー・レーベル、モノラル盤である。レコードの解説には録音年月日のデータは記載されてないが手元の資料等から1950年代中頃と推定される。久しぶりに針をおろしたが演奏スタイルはライヴ盤とほとんど変わりはない。またこちらのスタジオ・セッション録音も音質が大変すばらしいことも印象的だ。ソロ・ヴァイオリン当時のコンサート・マスター、ヤン・ダーメンのしなやかな音色にうっとりさせられる。

 

 

 


ジャン=ピエール・ジャキヤ&パリ管弦楽団「ラ・マルセイエーズ」

2015-07-11 16:38:29 | 管弦楽曲

 「パリ音楽院管弦楽団」を発展的に解消、あらたに「パリ管弦楽団」が創設されたのは1967年のことだった。シャルル・ミュンシュを音楽監督、セルジュ・ボドを常任指揮者に迎えミュンシュ門下のジャン=ピエール・ジャキヤ(Jean-Pierre Jacquillat)が当時副指揮者を務めた。今日紹介する写真のLPはおそらくジャキヤの「パリ管」デビュー盤と思われる。アルバムのタイトルは「LA MARSEILLAISE」(ラ・マルセイエーズ)で内容はフランス管弦楽名曲集である。タイトルのルジェ・ド・リール作詞・作曲のラ・マルセイエーズ」(フランス国歌)はベルリオーズ編曲版で演奏されアンドレア・ギオーのソプラノ、クロード・カレのバリトンに「パリ木の十字架少年合唱団」、「フランス国立歌劇場合唱団」が加わり壮大な演奏が魅力的だ。そのほか当時フルート首席を務めたミシェル・デボストのソロが印象的なドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」も素晴らしい。録音は1968年5月に行われている。このほか収録作品はシャブリエ/狂詩曲「スペイン」、デュカ/交響詩「魔法使いの弟子」、サン=サンース/「死の舞踏」、ラロ/「スケルツォ」が収録されている。指揮者のジャキヤは惜しくも1986年不慮の自動車事故で亡くなっている。(写真ー国内盤LP 東芝AA-8429、1969年発売)

 


サー・マルコム・サージェントのホルスト/組曲「惑星」(1957年ステレオ)

2015-07-07 11:53:33 | 管弦楽曲

 写真のLPはイギリスの名匠、サー・マルコム・サージェントがBBC響首席指揮者時代1957年にステレオ録音したホルスト/組曲「惑星」の英EMIオリジナル盤である。(ASD269)彼はこの作品をすでに1954年にモノラルでロンドン響とも録音していたがステレオで取り直した当盤がやはり聴きごたえがある。ロンドンのキングスウェイ・ホールにおけるセッションで録音も秀逸、今聴いてもステレオ初期録音とは思えないほど各楽器群が鮮明に響く。国内盤は1990年代に一度CD化されたと思うがまた復活をのぞみたいところだ。

 


パウル・クレツキ&フィルハーモニア管弦楽団の「シェエラザード」

2015-05-21 18:44:03 | 管弦楽曲

 これまでにリムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」はカラヤンをはじめ数々の愛聴盤を取り上げてきたがこのパウル・クレツキ(1900~1973)とフィルハーモニア管弦楽団による演奏も忘れることができない1枚だ。(写真)筆者が初めてクレツキが指揮する生の演奏を聴いたのはもう半世紀近く前、エルネスト・アンセルメと共に「スイス・ロマンド管弦楽団」を率いての来日公演(1968年6月)だった。クレツキはポーランド出身の地味な指揮者だったがアンセルメの後を継いで「スイス・ロマンド管弦楽団」の音楽監督を1970年まで務めている。またチェコ・フィルとの「ベートーヴェン交響曲全集」(1965年ー68年スプラフォン録音)などの名盤も思い浮かぶ。写真は1980年前後に英EMIの廉価盤シリーズ(CFPーClassics for Pleasure)で再リリースされたLPでチャイコフスキー「イタリア奇想曲」も収録されている。いずれも録音は1960年代初頭と思われるがオリジナル・ステレオ録音で音質も大変素晴らしい。


バルビローリの「イギリス弦楽作品集」 

2015-04-13 17:57:37 | 管弦楽曲

  2010年に「EMI MASTRES」シリーズとして再リリースされたサー・ジョン・バルビローリが遺した「イギリス弦楽作品集」の名盤CDである。(英EMI/6 31788 2)CDには彼が得意とするエルガー、ヴォーン・ウィリアムズの作品に加え亡くなる半月前の1970年7月に「ハレ管弦楽団」とレコーディングされたディーリアスのイギリス狂詩曲「ブリッグの定期市」が収録されている。リマスター・サウンドの素晴らしさもさることながら各作品が持つ抒情的旋律の美しさに陶酔してしまう。

  収録作品・演奏・録音年代

   1.エルガー

     「序奏とアレグロ」  Sinfonia of London    (1962年7月)

     「エレジー」・「ため息」 New Philharmonia Orchestra (1966年7月)

   2.ヴォーン・ウィリアムズ

     「タリスの主題による幻想曲」・「グリーンスリーヴズ」による幻想曲 Sinfonia of London (1962年5月)

   3.ディーリアス

     イギリス狂詩曲「ブリッグの定期市」 Hallé Orchestra  (1970年7月)

 

 

 

 


ジョネル・ペルレア&バンベルク響との貴重音源 - リムスキー=コルサコフ:交響組曲「シェエラザード」

2015-04-12 17:58:16 | 管弦楽曲

 ルーマニア出身の名指揮者ジョネル・ペルレア(Jonel Perlea/1900-1970)は日本では馴染みが薄いがミュンヘンとライプツィヒで研鑽を積み母国の「ブカレスト歌劇場」音楽監督をはじめとして戦後はアメリカに帰化、「メトロポリタン歌劇場」、ミラノの「スカラ座」等々でオペラ指揮者として活躍した。1950年代、オペラを中心にレコード録音も数多く残している。今日紹介する写真のLPは「バンベルク交響楽団」を振ったリムスキー=コルサコフ/交響組曲「シェエラザード」である。(独PANTHEON -XP3020) ジャケット解説に録音データの記載がないので録音年代は不詳だが1950年代のものと推定される。モノラル録音なので音の広がりはないが音質は良好で彼のオーケストラ指揮者としての力量が充分に伝わる貴重な1枚だ。彼は1957年に心臓発作で倒れその後は左手だけで指揮をしたといわれている。


サー・マルコム・サージェント&ロンドン交響楽団 - レスピーギ「ローマの松」・「ローマの噴水」

2015-04-08 17:47:37 | 管弦楽曲

 筆者がまだ小学生の1950年代、レコードはまだSPレコード(78回転盤)が中心で再生装置といえば「電気式蓄音機」(電蓄)だった。その後、レコードがSPからLP移行時に体裁の良い当時としてはハイカラ・モデルのモノラル再生専用ハイファイ・プレーヤー登場、そして1960年代に入りようやく「ステレオ装置」が一般に普及し始めた。今日紹介するLPレコードはちょうどその頃、映画用35mmマグネチック・サウンド・フィルムを使用し高音質ステレオ録音されたサー・マルコム・サージェント指揮ロンドン交響楽団によるレスピーギの「ローマ三部作」から交響詩「ローマの松」・「ローマの噴水」がカップリングされたリマスター盤でレコードの重さは200gある。(写真/EVEREST SDBR3051 1959年録音)もう半世紀以上も前の録音だがリマスターされたサウンドは新鮮そのものでアナログ・レコードファンにはたまらない。レスピーギの音の描写を見事に再現している。実はこの音源、遡ること1970年代初頭、「日本コロムビア」のクラシック廉価盤ー懐かしい「ダイヤモンド1000シリーズ」でユージン・グーセンス指揮の「ローマの祭」(1960年録音)を加えてリリースされたことがある。しかし当時ほとんど話題に上がらなかった。因みにサージェント(Malcolm Sargent/1895~1967)は1950年ー60年代英国を代表する指揮者のひとり、「プロムス」の常連指揮者としても有名。1954年9月初来日し東京交響楽団、関西交響楽団を振る。写真(下左)は初来日公演プログラムの表紙。当時は紙の質も悪くタイプ印刷だった。写真(下右)はプログラム裏表紙に掲載されたサージェントのレコード広告、これも時代を感じさせる。

        

 

 


独「ACOUSENNCE」 - "LIVING CONCERT SERIES" から

2015-04-02 15:36:08 | 管弦楽曲

 今日は最近マニアの間で注目されている独「ACOUSENCE」の"LIVING CONCERT SERIES”から1枚取り上げてみたい。このシリーズは24bit/192kHzの高音質録音を売りとしている。写真のCDはイギリス出身のジョナサン・ダーリントン指揮デュイスブルク・フィルハーモニー管弦楽団によるR.シュトラウス交響詩「ドン・キホーテ」、2009年のセッション録音で演奏・録音ともに秀逸だ。ただ指揮者、オーケストラともいささか日本では馴染みが薄い。しかしジャケットの解説によれば楽団の歴史は古く設立は1877年、この作曲者R.シュトラウスのほかマックス・レーガー、ハンス・プフィッツナーなども指揮台に上っていた。またブルックナーの「交響曲第9番」のドイツ初演を行ったのもこの楽団である。指揮者のダーリントンは2002年から11年のシーズンまで音楽監督を務めていた。因みに現在の音楽監督は1965年イタリア出身のジョルダーノ・ベッリンカンピ(Giordano Bellincampi)が務めている。デュイスブルク(Duisburg)はルール工業地帯の中心都市デュッセルドルフの北方に位置しライン川とルール川が合流する河港の町である。(写真/独ACOUSENCE,ACO-CD22012)

 

 

 


ベームのR.シュトラウス/「英雄の生涯」

2015-03-25 16:32:54 | 管弦楽曲

  カール・ベームはリヒャルト・シュトラウスを大変得意としているだけにオペラも含め数多くのレコード録音を遺している。しかし管弦楽曲作品でウィーン・フィルとは意外なことにこの「英雄の生涯」しかレコーディングしていない。(写真/国内盤DG, MG1052, 1976年録音) 旧録モノラル盤、ドレスデン国立管弦楽団との演奏(1957年録音)も素晴らしく捨てがたいがどちらか1枚を選択するならば録音の素晴らしさに加えベームの人生の悟りも感じ取れるこのウィーン・フィル盤をとりたい。