今回紹介する写真のLPレコードはクルト・ヴェス&日本フィルによる「ウィーン音楽の夕べ」と題する貴重なライヴ録音である。これは「日本フィルハーモニー交響楽団」自主制作レコードで限定配布盤であった。内容は1972年9月4日、「東京文化会館」におけるコンサート・ライヴを収録したものでオーストリア、リンツ出身のクルト・ヴェスが得意とするヨハン・シュトラウス・ファミリーの音楽をメインにしたものである。当時、「日本フィル」は財政等の問題から分裂を余儀なくされこのコンサートは久しぶりの「東京文化会館」におけるステージだった。指揮者ヴェスとの息もピッタリ、ライヴならではの熱演がよみがえる。特にアンコールで再度演奏されたポルカ「狩り」は印象的だ。ジャケットの解説によれば録音用マイクは会場の吊り下げマイク2本だけによるものということだが音のバランスも大変素晴らしい。(写真:日本フィル自主制作盤ーJPS-1)