私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

ワルター&ウィーン・フィル「フェアウェル・コンサート」ライヴ盤

2013-03-30 16:13:21 | 歴史的コンサート・ライヴ

 写真のLPはブルーノ・ワルター&ウィーン・フィル「フェアウェル・コンサート」と題する1960年のライヴ盤である。アメリカに活動拠点を置いていたワルターは1956年80歳を機にコンサート指揮活動の第一線を退いたが当時「米CBSコロムビア」からの強い要請で彼のために組織された「コロムビア交響楽団」と共にステレオでのベートーヴェン交響曲全集録音をはじめとする数々のレコーディング活動を行っていた。そんな中、マーラー生誕100年にあたる1960年の「ウィーン芸術週間」に招かれ最後の力を振り絞りウィーン・フィルの指揮台に立った。この2枚組レコードにはその5月29日の模様が収録されている。「ブルーノ・ワルター協会」所蔵のモノラル音源で音質に多少の難は否めないが概ね鑑賞には問題ない。(写真/国内盤ー日本コロムビア/OZ7538-39BS、1977年発売)収録作品はシューベルト/交響曲「未完成」・マーラー/交響曲第4番・歌曲集「少年の魔法の角笛」から「トランペットが美しく鳴り響くところ」・「リュッケルトによる5つの詩」から「菩提樹の薫る部屋で」・「我はこの世に忘れられて」の以上5曲である。「第4番」終楽章の独唱も含めエリーザベト・シュワルツコップ(ソプラノ)が歌っている。マーラーの「第4番」では楽章間の会場の雰囲気も収録されセッション録音(ニューヨーク・フィル)よりテンポを遅めにとった「第3楽章」(ポコ・アダージョ)が美しく印象的である。

 


国内盤未発売? オッテルロー&ハーグ・レジデンティ管 「アルルの女」・「カルメン」組曲

2013-03-28 12:33:06 | 管弦楽曲

  写真のLPは1960年代後半から70年代初頭にかけて「読売日響」に数多く客演し名誉指揮者の称号も贈られたウィレム・ヴァン・オッテルロー(1907~1978)がオランダ第3の都市「デン・ハーグ」に本拠をおく「ハーグ・レジデンティ管弦楽団」と「ドイツ・グラモフォン」に録音したビゼーの名曲「アルルの女」・「カルメン」(第1組曲・第2組曲)である。(独グラモフォンーLPM18787/1950年代モノラル録音)オッテルローは1949年~72年の長きに亘りこのオーケストラの常任指揮者を務めた。モノラルながら録音は大変優秀で演奏もなかなか味わい深い懐かしい1枚だ。筆者の記憶ではこの国内盤は未発売だったような気がする。尚、「カルメン」の第2組曲は抜粋で第4曲「衛兵の交代」・第5曲「ジプシーの踊り」の二曲が収められている。

 


マゼール&ベルリン・フィル、ステレオ初期の名盤から

2013-03-27 15:44:56 | 交響曲

 ロリン・マゼール&ベルリン・フィル、1960年代初頭ステレオ録音の名盤からメンデルスゾーン「交響曲第4番<イタリア>」」「第5番<宗教改革>」である。写真はそのオリジナルLP(独グラモフォン/SLPM138 684)だが現在のところマゼールのメンデルゾーン交響曲録音はこれが唯一のものである。巨匠マゼールが30歳ごろの録音だがその演奏の質の高さは云うまでもない。先ごろこのオリジナル・ジャケット・デザインで国内盤「グラモフォン・ザ・ベスト1200」でCD復活した。


クレンペラ&バイエルン放送響の「スコットランド」(1969年ー異色のライヴ盤)

2013-03-25 15:26:28 | 交響曲

 オットー・クレンペラーのメンデルスゾーン「交響曲第3番イ短調<スコットランド>」はフィルハーモニア管弦楽団と「第4番<イタリア>」と共に1960年ステレオ・スタジオ録音(EMI)が名盤としてよく知られている。今回取り上げる録音は1969年5月23日、「バイエルン放送交響楽団」とのミュンヘン、「ヘルクレスザール」に於けるコンサート・ライヴ盤(ステレオ)である。(写真/EMI CLASSICS)この音源が公式に初CD化されたのは1998年のことだった。この演奏が異色なのは「第4楽章」のコーダが指揮者クレンペラー自身のアレンジによるところである。メンデルスゾーンのオリジナルでは「イ短調」から「イ長調」に転調され曲は堂々としたコーダをむかえるがこのクレンペラー版ではこの部分を「第4楽章」第二主題を基調に独自のコーダをアレンジ、調性も短調で寂しげに静かに終わる。無論、これは彼自身の見解によるものだが彼は元来この「第4楽章」のコーダについて異論を持っていたようでユニークな1枚として筆者は現在も時々耳を傾けている。


ヴィトルド・ロヴィツキ&ワルシャワ国立フィルのショスタコーヴィチ「交響曲第5番」

2013-03-22 09:31:44 | 交響曲

  ポーランドの名指揮者ヴィトルド・ロヴィツキ(Witold Rowicki/1914~1989)も私にとっては思い出深い指揮者のひとりだ。以前にロンドン響との「ドヴォルザーク交響曲全集」の名盤等を紹介ずみだが今回取り上げるワルシャワ国立フィルの1958年のステレオ初期録音ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」も忘れれることができない1枚である。ややテンポを速めにとりワルシャワ国立フィルの渋い響きが印象的。(写真/独グラモフォンーGALLERIAシリーズCD 453 988-2)彼はその後1967年に同曲をロンドン響とフィリップスに再録音している。また彼は得意とするポーランドの現代音楽を同オケとの来日公演や読売日響への客演時に取り上げ私がペンデレツキやルトスワフスキーの作品を生で聴いたのも彼の指揮による演奏が最初であった。(1973年)

 

 

 

 


スヴェンセンの交響曲第1番・第2番

2013-03-18 00:29:07 | 交響曲

(NAXOS 8.553898 1997年録音)

  ヨハン・スヴェンセン(Johan Svendsen/1840~1911)はグリーグと共に19世紀のノルウェー国民主義音楽を代表する作曲家のひとりとして活躍したが日本ではグリーグの影に隠れ彼の知名度は低い。今回は彼が書いた二つの交響曲ー「第1番ニ長調作品4」と「第2番変ロ長調作品15」のCDを取り上げてみたい。どちらもロマンティックで美しい旋律が魅力的だがコンサートで演奏される機会は少ない。国内盤CDも1980年代末ごろにマリス・ヤンソンス&オスロ・フィルの演奏(EMI)が唯一あったぐらいだと思うが今日紹介するCDは写真のビャルテ・エンゲセット指揮ボーンマス交響楽団による「NAXOS盤」である。「NXOSレーベル」は廉価で幅広いジャンル渡り珍しい数多くの作品もリリースしており我々音楽愛好家、コレクターにとっては大変ありがたいことである。エンゲセットはヘルシンキの「シベリウス・アカデミー」でヨルマ・パヌラの薫陶を受けたノルウェーの若手指揮者で現在ヨーロッパを中心に活躍中である。因みにボーンマス響とは他に同NAXOSにシベリウス、シンディングの「ヴァイオリン協奏曲」(ヴァイオリン=ヘンニング・クラッゲルード)を録音(2003年)している。

 


懐かしの1枚 - フリッツ・レーマン&ベルリン・フィル 「ピーターと狼」

2013-03-15 14:44:09 | 管弦楽曲

  フリッツ・レーマン(Fritz Lehmann/1904~1956)は私がまだ中学生の頃、「ドイツ・グラモフォン」のレコードでよく目にしていた。因みに私が最初に求めたモーツアルトのピアノ協奏曲第26番「戴冠式」のレコードもレーマンが指揮するベルリン・フィルのものでピアノはカール・ゼーマンだった。後に知ったことだがレーマンはバッハを得意とした指揮者で「マタイ受難曲」の録音は定評があった。しかも彼は指揮する「マタイ受難曲」のコンサートの休憩中に急逝したと云われている。今回取り上げ写真(上)のプロコフィエフ音楽物語「ピーターと狼」の10インチLPは1950年代のモノラルだが録音は大変良好なうえ演奏も気に入り現在でも時々針を下ろしている。(写真/独グラモフォンーLPE17117/10インチ盤)マティアス・ヴィーマン(Mathias Wieman)によるドイツ語の語りも快調である。またこの国内盤も中村メイコの吹き替えで当時同じ10インチLP(25cmLP)でリリースされていた。ジャケットのイラスト・デザインもオリジナル盤と同一のものを使用している。(写真下ー国内盤/LG1008)

 

 


シルヴェストリ&ボーンマス響、ライヴ盤 (BBC LEGENDS)

2013-03-14 15:23:53 | 歴史的コンサート・ライヴ

  コンスタンティン・シルヴェストリ(Constantin Silvestri/1913~1969)のLP、CDについても過去に何枚か取り上げてきたが今回は英BBC放送音源からの写真の1枚(2CD)にスポットをあててみたい。(BBC LEGENDSシリーズ/BBCL 4182-2)

  シルヴェストリの演奏スタイルのその多くは大変個性的なところに魅力があった。この「ボーンマス交響楽団」首席時代のライヴも例外ではない。エルガー、アーノルド、ブリテンなどイギリスの作曲家の作品のほかチャイコフスキー「交響曲第2番」、ドビュッシー「遊戯」、エネスク(エネスコ)「ルーマニ狂詩曲第1番」など全6曲が2枚のCDに収められている。とりわけこのライヴ音源が現在唯一のものと思われるエルガー「コケイン」序曲、交響曲第1番、アーノルドの喜劇序曲「ベッカス・ザ・ダンディプラット」等々貴重音源も大変興味深いものがある。録音はアーノルド1963年録音のみがステレオでそのほかが1960年代後期の録音にして全てモノラルなのが惜しいが音質は大変良好である。因みにその他の録音年はエルガー/「コケイン」序曲、チャイコフスキー/「交響曲第2番」、ブリテン/歌劇「ピーター・グライムズ」から「4つの海の間奏曲、エネスク「ルーマニア狂詩曲」以上が1966年、エルガー/「交響曲第1番」(1968年)、ドビュッシー/「遊戯」(1965年)である。


サー・マルコム・サージェント&BBC響 ライヴ盤 (BBC LEGENDS)

2013-03-11 19:28:54 | 交響曲

  英国の名匠サー・マルコム・サージェント(Sir Malcolm Sergent/1895~1967)が当時のラジオ東京(現TBS)、東京交響楽団の招聘で初来日したのはもう半世紀以上も前の1954年の秋のことである。彼が遺した名録音は過去にもシベリウスをはじめ何枚か紹介済みだが今回はライヴ盤を取り上げてみたい。写真のCDは英BBC放送音源からのライヴ盤、「BBC LEGENDSシリーズ」からの1枚である。(BBCL 4237-2)収録作品はヴォーン・ウィリアムズとシベリウスの「交響曲第4番」でどちらも彼が得意としていたものである。前者のヴォーン・ウィリアムズが1963年8月16日、後者のシベリウスが1965年9月2日、いずれも「ロイヤル・アルバート・ホール」におけるステレオ・ライヴ録音である。 彼は当時、ロンドン、夏の風物詩 -「プロムス」の常連指揮者でもありおそらくこれも「プロムス」におけるライヴと思われる。またどちらも確かセッション録音がなかったと思うのでこのライヴ音源はその意味からも大変貴重である。もちろん演奏も大変すばらしく「BBC響」もその本領を発揮した1枚である。写真(下)はサージェントの初来日、「東京交響楽団」との日比谷公会堂におけるコンサート・チラシである。

 

 


バルビローリ&ハレ管弦楽団 - チャイコフスキー/交響曲第4番 (メトロノーム盤)

2013-03-09 02:11:53 | 交響曲

  サー・ジョン・バルビローリ(1899~1970)はチャイコフスキーの後期交響曲(第4番~第6番)を手兵「ハレ管弦楽団」とステレオ最初期の1950年代後期に英パイ(PYE)レーベルに録音していた。これらの音源は米ヴァンガード(Vanguard)からも発売され当時筆者も外盤バーゲン・セール等で買い求めた記憶がある。因みに写真のLPはちょっと珍しいデンマークの「メトロノーム(Metronome)盤」で同音源の「第4番」(MCLP 85049/モノラル盤)である。バルビローリのチャイコフスキーは彼が得意とするイギリス音楽やマーラー、シベリウス、ブラームスなどの名演の陰に隠れた感は否めながとりわけこの「第4番」は彼の個性が強く前面に出た演奏である。