私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

ヨッフム、ブルックナー「ミサ曲第2番ホ短調」

2012-10-30 22:45:42 | 声楽曲

 ブルックナーのオーソリティーであったオイゲン・ヨッフムは「ドイツ・グラモフォン」にその主要な宗教曲の大半を録音している。以前に「ミサ曲第1番ニ短調」を紹介したと思うが今回は写真の「第2番ホ短調」を取り上げてみたい。

 この「第2番」は独唱者を伴わず混声合唱と木管と金管の管楽編成をとる。1866年に第1稿を完成したが10年後の1876年に第2稿、さらに1882年に第3稿が出版されている。ヨッフムの演奏も1882年第3稿に基づいている。合唱はバイエルン放送合唱団、管弦楽はバイエルン放送交響楽団である。レコーディングは1971年2月、ミュンヘンのヘルクレスザールで行われている。「第1番」・「第3番」と同様、ヨッフムの指揮は説得力がある。(写真/独グラモフォンー2530 139)

 


フランク/交響詩「プシュケ」

2012-10-29 22:22:52 | 管弦楽曲

 レコード棚に眠っていた写真のLP、フランクの交響詩「プシュケ」に針を下ろした。 ポール・シュトラウス(Paul Strauss/1920~2007)指揮リェージュ管弦楽団、ベルギー放送合唱団による演奏である。(写真/東芝EMI-EAC80205)この作品はギリシャ神話のプシュケのエロスの物語を描いたものでフランクが晩年の1888年に完成した声楽つきの大交響詩である。 国内ではめったに演奏される機会はないが聴いてみるとなかなか興味深い作品である。

 ポール・シュトラウスはシカゴ出身のアメリカ国籍の指揮者で録音当時(1974年)、このりェージュ管弦楽団の音楽監督を務めていた。またちょうどこのLPが発売された1976年には「読売日響」に客演のため来日している。このレコードはまさに彼の代表盤でもあった。


フランソワの名盤、ショパン「ピアノ協奏曲第1番・第2番」(1965年録音)

2012-10-28 03:04:26 | 協奏曲

 写真のLPはサンソン・フランソワ(1924~1970)の名盤のひとつ1965年録音、ルイ・フレモー指揮モンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団とのショパンのピアノ協奏曲第1番・第2番である。オリジナルの1967年リリースの仏パテ盤は「第1番」・「第2番」をそれぞれ1枚のLPに分けていたと思う。(写真:独Electrola/037 29 0638 1) フランソワの個性があふれ出た独特の演奏スタイルが魅力的だ。何度と針をおろしてもまた聴きたくなる1枚でもある。

 レコーディング記録によると1965年7月13日から15日の3日間でこの2つの協奏曲が一気に録音されている。指揮者フレモーとの息も合いオーケストラも柔軟にそれに応えている。 尚、フランソワは「第1番」を1950年代にモノラルでツィピーヌ指揮パリ音楽院管弦楽団、「第2番」をステレオ初期にクレツキ指揮フランス国立放送管弦楽団とも録音している。

 

 

 

 

 

 


アッカルドのデビュー盤(?) ヴィオッティ/「ヴァイオリン協奏曲第22番」ほか

2012-10-25 19:28:25 | 協奏曲

 本日紹介するLPレコード(写真)はサルヴァートレ・アッカルドのデビュー盤かと推測される。(RCA国内盤RVC2040/ステレオ)アッカルドが21歳1962年の録音である。ヴィオッティの「協奏曲第22番イ短調」とパガニーニの「協奏曲第2番ロ短調<ラ・カンパネラ>」とのカップリングである。 アッカルドは1958年の「パガニーニ国際コンクール」で17歳の若さで優勝、「パガニーニの再来」と世界から注目を浴びパガニーニのオーソリティーである。

 ヴィオッティ(1755~1824)はイタリア屈指のヴァイオリニスト・作曲家、後輩のパガニーニ(1782~1840)も超人的ヴァイオリンのヴィルトォーソであり作曲家だった。ただ意外にもヴィオッティの録音は現在もそれほど多くない。アッカルドは1970年代にシャルル・デュトワ指揮ロンドン響とパガニーニの協奏曲全集録音を完成しているがこの旧録の「第2番」も素晴らしい。指揮はエリオ・ボンコンパーニ(Elio Boncompagni/1933~ )という人でオペラ指揮者でナポリの「サン・カルロ歌劇場」の音楽監督をはじめドイツの「アーヘン歌劇場」の音楽監督も務めイタリア・オペラを得意としている。管弦楽は「ローマ・フィルハーモニー管弦楽団」と記載があるがその実体はよくわからない。

 


オッテルロー&ハーグ・フィルのベートーヴェン「第9」

2012-10-23 18:31:08 | 交響曲

 その昔、「読売日響」に客演し日本でも馴染み深かったオランダの名匠ウィレム・ヴァン・オッテルロー指揮するベートーヴェンの「第9番」である。彼のレコードについては先日、代表盤のベルリン・フィルとのベルリオーズ「幻想交響曲」を取り上げたがこの「ハーグ・フィル(正式名称:ハーグ・レジデンティ管弦楽団)」とのこのベートーヴェンも懐かしい。(写真:コンサート・ホール盤/CHJ-30052/ステレオ)

 ジャケット解説に録音年月の記載がないので録音された年月は不明だが彼がこの楽団の首席指揮者時代のもの推定される。彼は1949年から1973年まで実に四半世紀に渡り首席指揮者を務めこの楽団を国際的オーケストラとしての名声を高めたといわれている。演奏は全般に快速テンポで進め(演奏時間約65分)強烈的な印象はないがソリストのソプラノ、マリア・シュターダーの美声が光り「第4楽章」は聴きごたえあり。 他にソリストはソフィア・ヴァン・サンテ(アルト)、エリック・タッピー(テノール)、フランツ・クラッス(バリトン)、合唱はアムステルダム・トーンキュンストコール。

 

 


R.クーベリック&ベルリン・フィル ドヴォルザーク「交響曲第6番」

2012-10-22 11:42:32 | 交響曲

 ラファエル・クーベリック(1914~1996)はベルリン・フィルと1966年録音の「第8番」を皮切りに次の1971年「第7番」録音まで間を置くがドヴォルザークの交響曲全集録音を1973年に完成している。写真の「第6番」は1972年9月の録音である。(独グラモフォンLP/2530 425) 当時、国内盤LPでは全集盤で発売された記憶があるが単発では発売されなかったと思う。

 「第6番ニ長調作品60」は第3楽章「プレスト」のスケルツオ楽章にボヘミアの民俗舞曲「フリアント」を用いているので「フリアント」と呼ばれることもある。ドヴォルザークがこの「第6番」を完成した年は1880年のことで晩年を迎えたブラームスとの関係が深くなっていく。事実この作品以降の彼の交響曲にはブラームスの影響もうかがえる。

 クーベリック&ベルリン・フィルの全集録音のなかでもこの「第6番」は特に気に入っている。


竜ヶ崎市・音楽愛好会「ゲヴァントハウス」5周年記念特別企画のお知らせ - (終了しました。)

2012-10-21 04:28:40 | 余暇文化活動

 2007年9月にスタートいたしました当会の「CDコンサート」もおかげさまで「5周年」を迎えることができました。 これも日頃から皆様の当「ゲヴァントハウス」へのご協力の賜物でございます。 つきましては今回「5周年」を記念しまして音楽愛好家の皆様から多くのご要望を頂いておりましたNHK音楽番組サウンドエンジニア、辻本 廉(きよし)氏を再び特別講師にお招きし講演・CDコンサートを開催する運びとなりました。

 氏は2009年2月、当会の第1回特別記念イベントで「カラヤン等、巨匠がNHKに残した音源エピソード」というテーマで講演され会場を埋め尽くしたクラシック音楽愛好家の皆様から大きな反響を呼びました。今回は「秘蔵音源でたどるNHK音楽番組収録技術の変遷」と題して過去の「NHK交響楽団」のコンサートライヴ音源を中心にお話しされる予定です。

 どうぞ今回も皆様お誘いあわせのうえご来場ください。

                                    ( 記 )

   (期  日) 2012年 11月17日 (土)    14時 ~ 16時30分 

   (会  場) 竜ヶ崎ショッピング・センター 「リブラ竜ヶ崎」 2階 旧映画館(シネパラ)

             関東鉄道・竜ヶ崎線、 終点 竜ヶ崎駅下車 徒歩約3分 (無料駐車場完備)

             (東京方面からお越しの場合はJR常磐線 「佐貫駅下車」、関東鉄道(竜ヶ崎線)乗り換え

   (講  師) 辻本 廉(きよし) 氏 (NHK音楽番組 サウンドエンジニア)

             プロフィール: 1969年NHK入局、 放送技術研究所、音響研究セレクションでステレオ音響技術、

                       放送システム・機器の音質評価技術を研究  制作技術部門でクラシック音楽番組の

                       ミキシング担当、 BS・FM放送デジタル音声制作技術の開発

                       退職後はサウンドエンジニアとしてNHKクラシック音楽番組の制作に携わる

   (予定使用音源) シュヒター指揮NHK交響楽団 レスピーギ/交響詩「ローマの松」(1959年録音)

               マタチッチ指揮NHK交響楽団 ブルックナー/交響曲第8番(1975年・1984年録音)

               マルケヴィッチ指揮NHK交響楽団 チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」(1983年録音)

               コンヴィチュニー指揮ゲヴァントハウス管弦楽団 ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱」(1961年録音)

                                                                            

   (入 場 料)    無   料 

                                                                        以上

 

 

                       

 

 

   

 

 

               

 

  

 


グールド、「ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ集」

2012-10-18 11:44:05 | 器楽曲

 グレン・グールドはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集録音は果たさなかったが幸いにして「第4番」・「第11番」・「第19番」~「第22番」・「第24番~第29番」の計12曲を除く残りの20作品を1956年から79年にかけて録音した。写真のCDはそれらをまとめたもので最後の「30番」~「第32番」は1956年のモノラル録音である。(SONY CLASSICAL/88725412862) 国内盤はLPで1982年12月限定盤で確か「第12番」と「第13番」を除く18曲を「グールド追悼メモリアル盤」として当時の「CBS・ソニー」から最初にリリースされたと思う。

 これらの演奏を聴くと特に緩徐楽章を極端に遅く弾く彼の個性を改めて強烈に感じる。録音されなかった大曲の「第29番<ハンマークラヴィア」等どのようなアプローチを持って弾いたのか私個人として興味深かった人である。


堀込ゆず子、「1980年エリーザベト王妃国際音楽コンクール」ライヴ盤

2012-10-17 21:02:18 | 協奏曲

 これもまた懐かしいLPである。 現在、ベルギー、ブリュッセルを拠点に国際的に活躍中の堀込ゆず子が1980年の「エリーザベト王妃国際音楽コンクール」ヴァイオリン部門で優勝を果たした時のライヴ盤で彼女のデビュー盤でもあった。(写真/DG国内盤、20MG0116/1981年リリース)

 シベリウスの「ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47」と第2面の余白にはこの年のコンクール、新曲課題曲となったベルギーの作曲家フレデリック・ヴァン・ロッスムの「ヴァイオリン協奏曲」が収められている。いずれも1980年5月30日ブリュッセルの「パレ・デ・ボーザール」における本選の録音である。この演奏を聴くと彼女のテクニックもさることながらのびのびとした気分で作品に取り組んでいる様子が伝わってくる。管弦楽はベルギー国立管弦楽団、指揮はジョルジュ・オクトール。


アントルモン父子共演、「モーツアルト/ピアノ協奏曲第20番・第23番」

2012-10-16 14:26:48 | 協奏曲

 今日、紹介するLPはフィリップ・アントルモンが父ジャン・アントルモンの指揮で「コンサート・ホール」にレコーディングしたモーツアルトの「第20番ニ短調K.466」・「第23番イ長調K.488」である。(写真/SMS-2149/ステレオ) 

 管弦楽は「フランクフルト交響楽団」とクレジットされているがおそらく実体はヘッセン放送協会の「フランクフルト放送交響楽団」ではないか?? ジャケットには録音年月の記載はないが資料を調べた結果1950年代後期のものと推定されアントルモン20代前半の録音である。久しぶりに針をおろし改めて親子の息のあった格調高い演奏を再認識した。これまでにも「コンサート・ホール盤」を数多く紹介してきたと思うがまだまだ多くの隠れた名盤がこのレーベルにはありそうだ。

 アントルモンはこの録音で「第20番」のカデンツァを通常演奏されるベートーヴェンのものではなくカール・ライネッケによるものを弾いている。これも普段耳にすことがないのでなかなか興味深い。因みに「第23番」はモーツアルト作のカンデンツァによっている。ジャケット・デザインもオシャレで気に入っている。