写真のLPレコードはキリル・コンドラシン(1914~1981)が「モスクワ・フィル」の首席指揮者時代の1961年から74年かけて録音した「ショスタコーヴィチ交響曲全集録音」からの旧ソヴィエトのメロディア盤分け売りの1枚で「1番」と「第2番」が収録されている。(メロディア原盤/CM03625-6/ステレオ/1972年録音)この全集録音は現在も彼が遺した名盤として高く評価され当時西側諸国でも彼の実録・名声が高まるきっかけとなったレコードでもあった。
筆者は特に第1面の「第2番ロ長調<十月革命に捧げる>」によく針を下ろしている。この作品はショスタコーヴィチがまだ20代のはじめに書いたもので副題にあるように「十月革命の民衆の勝利」と「レーニン賛美」をテーマにしており混声合唱も加わり最後のレーニンを称えるシュプレヒコール」が印象的である。単一楽章構成の演奏時間にして約20分前後の短い交響曲だが作品には当時の「前衛的」な技法も取り入れておりそのあたりも興味深い。
この「全集盤」は後に国内盤でもCD化されたが現在は廃盤のようである。