私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

コンドラシン&モスクワ・フィル ショスタコーヴィチ/交響曲第1番&第2番

2011-11-30 11:02:32 | 交響曲

 写真のLPレコードはキリル・コンドラシン(1914~1981)が「モスクワ・フィル」の首席指揮者時代の1961年から74年かけて録音した「ショスタコーヴィチ交響曲全集録音」からの旧ソヴィエトのメロディア盤分け売りの1枚で「1番」と「第2番」が収録されている。(メロディア原盤/CM03625-6/ステレオ/1972年録音)この全集録音は現在も彼が遺した名盤として高く評価され当時西側諸国でも彼の実録・名声が高まるきっかけとなったレコードでもあった。
 筆者は特に第1面の「第2番ロ長調<十月革命に捧げる>」によく針を下ろしている。この作品はショスタコーヴィチがまだ20代のはじめに書いたもので副題にあるように「十月革命の民衆の勝利」と「レーニン賛美」をテーマにしており混声合唱も加わり最後のレーニンを称えるシュプレヒコール」が印象的である。単一楽章構成の演奏時間にして約20分前後の短い交響曲だが作品には当時の「前衛的」な技法も取り入れておりそのあたりも興味深い。
 この「全集盤」は後に国内盤でもCD化されたが現在は廃盤のようである。

イェネ・ヤンドーのリスト「ピアノ協奏曲第2番」ほか

2011-11-28 14:41:13 | 協奏曲

 今年はリスト生誕200年の年にも当たる。写真のLPレコードもだいぶ以前にブダペストのレコード店で求めたハンガリー「フンガロトン・レーベル」の筆者にとっては懐かしい1枚である。LPには現在ハンガリーの世界的ピアニストのひとりイェネ・ヤンドー(1952年生まれ)が弾くリストの「ピアノ協奏曲第2番イ長調」・「ハンガリー民謡の主題による幻想曲」・「ハンガリー狂詩曲第8番」の3曲が収められている。管弦楽はヤーノシュ・フェレンチク指揮ハンガリー国立管弦楽団である。(Hungaroton-SLPX12024)ジャケットに録音年代の記載はないが当時20代はじめのヤンドーが1973年の「ハンガリー・ピアノ・コンクール」で優勝した直後のものかと思われる。若きヤンドーのフレッシュで生気に満ちたピアノがききもの1枚で録音も素晴らしい。
 尚、ヤンドーは現在、「ナクソス・レーベル」にも数多くのレコーディングを行っている。

フランスの名匠、ルイ・フレモーの「イタリア歌劇序曲集」

2011-11-27 14:40:16 | 管弦楽曲

 ルイ・フレモー(Louis Fremaux)は1921年生まれの今年90歳を迎えた最長老のフランスの名指揮者である。すでに現役は引退していると思うが「モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団」(1956年~66年)、「バーミンガム市交響楽団」(1969年~78年)の音楽監督時代に数々の名録音がある。今日紹介する写真のLPレコードは彼が「モンテカルロ」時代に「ドイツ・グラモフォン」にレコーディングした「イタリア歌劇序曲集」である。(DG/2544 139/ステレオ)このLPは筆者が1970年代にヨーロッパ旅行中に求めた再リリース盤でオリジナルLPは1964年にレコード番号「135 067」で発売されたものである。録音年代がジャケットに記載されてないので正確なことは不明だがオリジナル盤の発売年代から推定して1962,63年の録音と思われる。また余談ながら彼は同レーベルにその後(1965年頃)同コンビで「フランス歌劇序曲集」も録音している。
 さてこの「イタリア序曲集」にはヴェルディ:「運命の力」・「シチリア島の夕べの祈り」、ロッシーニ:「絹はしご」・「セビリアの理髪師」・「アルジェのイタリア女」の各序曲に加えベッリーニの「ノルマ」序曲も収録されているところも興味深い。演奏も彼独特のアクセント、メリハリ感が印象的である。録音も大変素晴らしのも魅力的だ。フレモーはこれまでに度々来日しているが筆者が一番印象に残る来日は1972年11月「東京都交響楽団」の客演である。この時彼が振ったルーセルの「バッカスとアリアーヌ」第2組曲は今も忘れられない。

(1972年11月「都響」プログラム -ルイ・フレモーの直筆サイン)

イダ・ヘンデル&チェリビダッケ LSO、 ブラームス/ヴァイオリン協奏曲

2011-11-26 15:58:14 | 協奏曲

 今日はポーランド出身の名女流ヴァイオリニスト、イダ・ヘンデルが1953年にセルジゥ・チェリビダッケ指揮ロンドン交響楽団とレコーディングした懐かしいLP盤についてふれてみたい。筆者が最初に彼女の演奏を聴いたのが今から35,6年前に発売されたこのレコードだった。(写真上ー国内盤/東芝EMI-EAC60044モノラル)
 若きイダ・ヘンデルと録音当時まだ41歳のチェリビダッケとの共演でこのころのチェリビダッケは「DECCA」や「EMI」にレコーディングを行っていた時代である。筆者はこのLPを聴いて彼女の生の演奏を聴きたくなった。ちょうどこのレコードと相前後して以前にも紹介したシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」のLP(パーヴォ・ベルグルンド/ボーンマス交響楽団との共演/EMI)もリリースされた。その後間もなく幸いにして「1978年香港芸術祭」でこのLPと同コンビによる彼女のシベリウスが聴けるというニュースを聴き筆者も香港へ飛び彼女の生演奏に接することができた。写真(下)は当時「香港芸術祭」の会場でプログラムに入れてもらった彼女の直筆サインである。
 ところでこのブラームスの協奏曲は演奏も申し分ないほど完成度が高いことは云うまでもないが録音も1953年のモノラルにしては驚くほど素晴らしいことも付け加えておきたい。


ミトロプーロス/「ケルン放送響」-放送録音音源から

2011-11-25 15:01:33 | 交響曲

 以前にギリシャの名匠ディミトリ・ミトロプーロス(Dimitri Mitropoulos/1896~1960)の「ラスト・コンサート」となったケルン放送交響楽団(現、WDR交響楽団)ほかによるマーラーの「交響曲第3番」のライヴ盤(1960年10月31日)を取りあげたことがあったと思うが本日紹介するこのメンデルスゾーン/交響曲第3番「スコットランド」も彼が亡くなるおよそ1週間前の放送録音である。(1960年10月24日、Fankhaus,Saal-1,WDR Cologne)
 写真のCD(「Medici Artsレーベル」ーMM014-2)にはこのほかにミトロプーロスが「ケルン放送響」に客演した時の放送音源からメンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」(1957年7月19日録音)とフランソワ・クープランの「4声のソナタ<スルタン妃>」から「序奏とアレグロ」(ダリウス・ミヨー管弦楽編曲版/1954年7月16日録音)も収録されている。これらの作品は元来ミトロプーロスが得意としていたものでそれぞれニューヨーク・フィルハーモニックとのスタジオ・セッション録音(モノラル)も遺されているがこの放送用ライヴ録音も彼らしい切れ味のある名演に仕上がっている。また「スコットランド」はこの年の「ザルツブルク祝祭音楽祭」でのベルリン・フィルとのライヴ録音(1960/8月21日)も「Orfeoレーベル」からリリースされているので聴き比べも興味深い。

フルトヴェングラー/ルツェルン音楽祭1947年ライヴ盤(仏ーTAHRA)

2011-11-24 18:31:54 | 歴史的コンサート・ライヴ

 今日は久しぶりにフルトヴェングラー&ルツェルン祝祭管弦楽団のライヴ盤(写真CDー仏TAHRA盤/FURT1028-29)を聴いてみた。これは1947年の「ルツェルン音楽祭」、8月27日クンストハウスにおけるコンサートを収録したものである。因みに当日の演奏曲目はベートーヴェン/序曲「レオノーレ第3番」・「ピアノ協奏曲第1番」(ピアノ:アドリアン・エッシュバッハー)・ブラームス/交響曲第1番であった。その音質は決して良好とは云いがたいが演奏はフルトヴェングラーの全身全霊が伝わる熱演である。とりわけベートーヴェン「第1番」のピアノ協奏曲は現在このライヴ音源以外のほかには見当たらないので大変貴重である。またプログラムの最後を飾ったブラームスの「第1番」は1951年の「北ドイツ放送響」(ライヴ盤)と並ぶ名演ではないかと思う。
「フルトヴェングラー生誕125周年」にもあたる今年はまた静かなブームを呼び起こし世界的に益々人気が加速する不思議な魅力を持つ指揮者である。
 
 

ヴィトルド・ロヴィツキ/LSO、「ドヴォルザーク交響曲全集」

2011-11-23 11:58:05 | 交響曲

 昨年(2010年)長らく廃盤となっていたポーランドの名匠ヴィトルド・ロヴィツキ(Witold Rowicki/1914~1989)がロンドン交響楽団と1965年から71年にかけおよそ6年の歳月に渡って完成した彼の代表盤の一つドヴォルザークの「交響曲全集」が「DECCA COLLECTORS BOX」シリーズでCD6枚組で復活した。(写真)筆者は彼が1973年に「読売日響」定期で振った「第9番<新世界>」や同年5月に当時音楽監督を務めていた「ポ-ランド国立交響楽団」との来日公演を懐かしく思い起こす。
 彼のこのロンドン響との全集録音はチェコのオーケストラとはまた一味違う「ドヴォルザーク」感が味わえる。全般的に緊張感のある鋭角的で引き締まった演奏が大変魅力的である。また「ロンドン交響楽団」は当時相前後してイシュトヴァン・ケルテスとも同全集録音を完成しているので両者を聴き比べも興味深い。
 尚、このロヴィツキー盤のCD全集には「謝肉祭」・「わが家」・「オセロ」・「フス教徒」といった普段あまりコンサートでも演奏される機会が少ない序曲も収録されている。

「KARAJAN 60」からベートーヴェン「ウェリントンの勝利」ほか

2011-11-22 19:37:45 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 「ベートーヴェン生誕200年」を記念して録音されたこの俗に「戦争交響曲」とも呼ばれる「ウェリントンの勝利」作品91はこれがカラヤン唯一の録音である。録音は1969年1月にベルリンの「イエス・キリスト教会」で行われている。以前にチャイコフスキーの大序曲「1812年」(1966年録音)とカップリングされて「ドイツ・グラモフォン」の廉価盤「レゾナンス(RESONANCE)・シリーズ」で再リリースされたLP(写真下ー2535 125)で紹介済みと思うが初出盤LPはベルリン・フィルの管楽器アンサンブルによる「ベートーヴェン/行進曲集」とのカップリングであった。(写真(上)-「KARAJAN 60復刻オリジナル・ジャケットCD)カラヤンも実演のコンサートでこのステレオ効果満点の大管弦楽曲作品を演奏することはなかったがレコード録音でその面白さを充分に伝えている。当時、筆者もドラティ盤と共に愛聴していたことが懐かしい。
 
 
 以上ここまで「KARAJAN 60」CD-BOXに収められたおおよその中身を紹介してきたがこれで一応のピリオドを打ちたいと思う。

 

「KARAJAN 60」から「シュトラウス・ファミリー・アルバム」

2011-11-20 14:33:53 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンも「ヨハン・シュトラウス・ファミリー」の作品を数多く録音した指揮者である。その彼が1987年の「ウィーン・フィル・ニュー・イヤー・コンサート」に初めて指揮台にあがった時の興奮は今も忘れることができない。当時筆者は幸運にもこのプラチナ・チケットを手に入れ生の演奏を目前に聴くことができた。
 さてこの「KARAJAN 60」にはカラヤンが1966年(写真・左)と1969年(写真・右)のベルリン・フィルとの2枚のアルバムが収められている。これはベルリン・フィルとのステレオによる初の「シュトラウス・ファミリー」のアルバムであった。アルバムにはヨハン・シュトラウスII世の代表作品「美しく青きドナウ」や「皇帝円舞曲」をはじめとする全部で17曲のワルツ、ポルカなどが収録されている。どれもがカラヤンらしく洗練され磨きあげられた演奏である。筆者は先に述べた1987年の「ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート」ライヴ盤と共に愛聴している。

「KARAJAN 60」からブラームス交響曲全4曲

2011-11-18 14:00:19 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンはベルリン・フィルと生涯に3つのブラームスの「交響曲全集録音」を行っているがこれが最初のステレオによる全曲録音であった。レコーディングは「イエス・キリスト教会」において1963年10月、一気に「第1番」・「第2番」・「第4番」が行われ残る「第3番」が翌年1964年9月に行われている。確か日本での全集盤としての初出は当初ドイツ直輸入LP盤セット(SKL133~139/7枚組)でこれら4つの交響曲に「ヴァイオリン協奏曲」、「ドイツ・レクイエム」を加えたかたちで1965年ごろ発売された。因みに国内盤での交響曲の分け売りはその後のことで最後に録音された「第3番」(1964年録音)は筆者が高校時代の1966年だったと思う。
(写真の一連のジャケットはラウターヴァッサー撮影)