今日紹介するCDは写真のアンドレ・クリュイタンスが遺した名盤として知られる1枚、ベルリオーズの「管弦楽曲集」である。いずれも1959年から1965年にかけてパリの「サル・ワグラム(Salle Wagram)でレコーディングされている。当時の録音としても大変素晴らしくクリュイタンスの気品を感じる快演である。(仏EMI-CDM7691092、1987年CD化)
収録作品は「ベンヴェヌート・チェルリーニ」・「ベアトリスとベネディクト」・「ローマの謝肉祭」、各序曲(1961年録音)・「ファウストの劫罰」からハンガリー行進曲、妖精の踊り、鬼火のメヌエット(1959年録音)、それに全曲の上演時間が4時間以上も要する長大なオペラ「トロイアの人々」の第2部にあたる「カルタゴのトロイアの人々」から「第2幕第2場」の前に間奏として演奏される「王の狩と雷雨」(1965年録音)が合唱と共に収録されている。またウェーバーの「舞踏への勧誘」(ベルリオーズ管弦楽編曲版/1965年録音)も聴きものだ。因みにオーケストラは1961年録音各序曲が「フランス国立放送局管弦楽団」、1959年録音「ファウストの劫罰から」は「パリ国立オペラ座管弦楽団」、1965年録音の「舞踏への勧誘」と「王の狩と雷雨」が「パリ音楽院管弦楽団」である。