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想い出の演奏会ー(10) オイゲン・ヨフッム/バンベルク交響楽団

2009-02-11 07:04:47 | 想い出の演奏会
 バンベルク交響楽団が初代首席指揮者ヨーゼフ・カイルベルトと初来日公演を行ったのは今から約40年余り前の1968年のことであった。しかし不運にもその年の秋ミュンヘンでワーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を指揮中に倒れ帰らぬ人になってしまった。そのカイルベルトの後を引き継いだのがオイゲン・ヨフッム(1902~1987)で彼は1968年から73年にかけてこの楽団の音楽顧問・71年からは首席指揮者も務め1982年来日時は名誉指揮者になっていた。
 そのヨッフムがこの来日公演で得意のブルックナー交響曲第8番ハ短調を初日の公演(9/15)に1回だけ振ると聞いて私は早くからチケットを求め首を長くしてこの公演を待った。当日は仕事のことは忘れそそくさと会場のNHKホールへ向かった。この演奏会の開始時刻は当時としては珍しく19時10分からであった。私の席はホール2階右7列目でステージからさほど遠くなかった。80歳を迎える巨匠の第8番の生をよもや聴けるとは思ってなかった私は興奮して演奏の中身どころではなく巨匠の指揮に圧倒されてしまった。この時の模様はNHK・FMで生中継され家内に録音してもらっていたので帰宅後じっくり聴きなおしたところその演奏の凄さに改めて驚いた。特に第3楽章のアダージョは見事なもので陶酔してしまう。また後にAltusレーベルからこのライヴは「NHK思い出のシンフォニー」としてCD化されているのでお聴きなったかたも多いと思う。後世に残る名ライヴの一つと私は思っている。(写真は当時のコンサート・プログラムとチケット)