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カラヤン/パリ管レコーディング第1弾:フランク交響曲ニ短調

2009-02-24 13:04:27 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 ヘルベルト・フォン・カラヤンはシャルル・ミュンシュ亡き後1969年2月にパリ管弦楽団の音楽顧問に就任した。在任期間は1971年10月までの約2年半余りであった。この時期の同楽団との録音第1弾がこのフランク交響曲ニ短調であった。彼はこの作品を後にも先にもこの録音しか遺していない。録音は1969年11月パリのサル・ワグラムで行われている。写真のLPは1970年に発売された東芝音楽工業の日本初出盤である。
 この作品はセザール・フランク(César Franck/1822~1890)の唯一の交響曲で全3楽章構成で循環形式(forme cyclique)、つまり一つまたは複数のテーマが他の楽章でも用いられる形式で書かれているのが特徴である。渋みの重厚さを持った作品でカラヤンは実にそのあたりを彼の美学をもって巧みにオーケストラをドライヴしていくところが見事である。終楽章まで聴き終えるとまた第1楽章に戻って聴きたくなるようなカラヤンの名盤のひとつである。
 ただ彼の演奏記録を見るとこのレコードの録音直後1970年当時はパリ管弦楽団とエクサン・プロヴァンス音楽祭をはじめとしてプログラムに載せているがその後は見当たらないのがちょっと不思議である。他のフランス系作品ードビュッシー、ベルリオーズ、ラヴェル等は手兵ベルリン・フィルと結構演奏されているのだが・・・