私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

カラヤン&ベルリン・フィル - シューマン「交響曲第3番<ライン>」

2012-11-30 02:46:22 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンのシューマン交響曲全集はベルリン・フィルとの1971年録音が唯一のものとして知られている。彼は実演で「第4番」を好んでよく取り上げていたがなぜか他の3つはほとんど演奏していない。とりわけ有名な「第3番変ホ長調<ライン>」は戦前、「アーヘン市立歌劇場」音楽監督時代に演奏記録がある(?)ようだが戦後の演奏記録は見あたらない。写真のLP(独グラモフォンー2530 447)は先の全集録音からの1枚である。録音はベルリン、ダーレムの「イエス・キリスト教会で行われている。演奏はカラヤンらしいスタリッシュなもので個人的にも全集録音の中で一番気に入っている。またアナログ時代の録音はやはりLPで聴く方が一段と趣を感じる。

 

 


「メンデルスゾーン・アンソロジー」

2012-11-28 00:00:35 | 交響曲

 写真のCDはドイツのマイナー・レーベル「QUERSTAND」がメンデルスゾーン生誕200年記念の年、2008年に企画した「メデルスゾーン・アンソロジー」(全10巻)からの1枚(第6巻)である。この2枚組みCDに収録された作品は「序曲<ルイ・ブラス>」・「2台のピアノと管弦楽のための協奏曲」-「変イ長調」と「ホ長調」(ピアノ/アレクサンダー&クリスティアン・マイネル)、交響曲第3番イ短調「スコットランド」の4曲である。 管弦楽はメンデルスゾーンゆかりの都市ライプツィヒの南に位置する小都市アウエ(Aue)を本拠とする「アウエ・エルツゲビルゲ・フィルハーモニー」、指揮は現在この楽団の首席指揮者を務める若手日本人指揮者、高橋直史。 2008年11月8日、アウエの「クルトゥーアハウス(Kulturhaus)」における録音である。(独Querstand/VKJK 0809)

 指揮の高橋直史は1973年名古屋生まれ今年39歳になる新鋭である。彼は現在、アウエの「エルツゲビルゲ歌劇場」の音楽監督も兼務しておりオペラ指揮者としての評価も高い。今後の彼のさらなる活躍を期待したい。


カラヤン&ツィマーマン=シューマン&グリーグ 「ピアノ協奏曲」

2012-11-26 16:25:47 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンは1980年5月、「ザルツブルク聖霊降臨祭」で当時新鋭のクリスティアン・ツィマーマンとショパンの「協奏曲第2番」で初共演、同年9月の「ルツェルン音楽祭」でも同曲を演奏、翌1981年9月にこの注目のコンビで初レコーディングされたのが写真のシューマンとグリーグの協奏曲だった。(写真/独グラモフォンLP/2532 043)カラヤンにとっては両作品ともギーゼンキングとの1950年初頭のモノラル録音以来のものである。

 とりわけグリーグの協奏曲はカラヤンの演奏記録によれば1940年12月アルトゥーロ・ベネデッティ=ミケランジェリ(管弦楽=ベルリン国立歌劇場管弦楽団)との共演以来、実際のコンサートで演奏されることはなかった。その意味でもこのデジタルによるステレオ録音は今となっては貴重な記録と云えるだろう。また余談ながらカラヤンはショパンの「ピアノ協奏曲」録音は行っておらず先の「第2番」をツィマーマンとの実演で取り上げたのみである。


ノイマン&チェコ・フィル - スメタナ「わが祖国」1974年東京Live

2012-11-23 14:48:03 | 管弦楽曲

  昨日に続きもう1枚スメタナ「わが祖国」ライヴ盤を取り上げてみたい。写真は今年初CD化されたヴァーツラフ・ノイマン&チェコ・フィルによる1974年来日時の東京でのライヴ録音である。(1974年6月30日/東京文化会館) これは当時「FM東京」の「TDKオリジナル・コンサート」公開録音音源で筆者も応募したがなにしろ11万人を超える応募があったとのことで抽選に外れてしまった思い出がある。ノイマン、チェコ・フィルによる本場の演奏が無料で生で聴けるとあって想像を超えた応募はうなづける。

 この演奏は当時その後二週に渡り放送されエア・チェックされた方も多いと思うがこの時の演奏が日本における「チェコ・フィル」による「わが祖国」全曲初公演だった。またこのコンビによる同全曲ライヴ盤にはこのほか1982年11月5日、東京文化会館でのライヴ盤(日本コロムビア)もある。

  

 


アンチェル、スメタナ「わが祖国」ライヴ盤 (1968年「プラハの春」)

2012-11-22 17:16:51 | 管弦楽曲

 本日紹介するCDはカレル・アンチェル(1908~1973)の1968年の「プラハの春国際音楽祭」開幕コンサート(5月12日)におけるスメタナ「わが祖国」ライヴ盤である。「チェコ・ラジオ」ステレオ音源からCD化されたもので2005年に公式リリースされたものである。(写真/Radioservice-CR0292-2-311) アンチェルには以前紹介ずみの1963年スタジオ・ステレオ録音(スプラフォン盤)の名盤もあるがこのライヴはさらに緊張感ある鋭角的な演奏が聴ける。もちろん管弦楽はどちらも「チェコ・フィル」である。

 ところで1968年はこのコンサートの約3ヶ月後にいわゆる「チェコ動乱」が勃発した。これによりチェコの自由化運動は弾圧されこれを機にアンチェルは「チェコ・フィル」首席指揮者を辞任、カナダに亡命した。その後彼は翌1969年より「トロント交響楽団」の首席指揮者となり北米を中心に活躍した。したがってこのコンサート・ライヴ録音は彼が「チェコ・フィル」を指揮した最後のものではないかと思われる。

 


仏パテ・マルコニ - トリアノン・レーベルから

2012-11-21 16:24:19 | 管弦楽曲

 今日は「仏EMIパテ・マルコニ」の「トリアノン(TRIANON)」レーベルから懐かしい1枚を取り上げてみたい。写真のLPはジョルジュ・ツィピーヌ(Georges Tzipine/1907~1987)のオネゲル、ルイ・フレスティエ(Louis Fourestier/1892~1976)のサン=サーンスの管弦楽作品を集めたものである。管弦楽は前者が「パリ音楽院管弦楽団」、後者が「コンセール・コロンヌ管弦楽団」による演奏である。いずれもパリの「シャンゼリゼ劇場」でのステレオ録音である。ジャケットに各演奏の録音期日の記載がないので詳細は不明だが1960年前後のものではないかと思われる。録音も大変良好である。(仏TRIANON-2C 045-10745P)

 収録作品はオネゲルが「パシフィック231」(交響的運動第1番)と「ラグビー」(交響的運動第2番)、一方のサン=サンースは交響詩が4作品ー「エルキュル(ヘラクレス)の青年時代」作品50、「ファエトン」作品39、「オンファールの糸車」作品31、「死の舞踏」作品40の6作品である。いずれも実際のコンサートでしょっちゅう耳にするものではないがどれも興味深い作品が並ぶ。とりわけツィピーヌはオネゲルと親交もあり彼の作品の演奏、録音を数多く手がけておりこのほかにも「オネゲル作品集」のアルバムがある。

 

 


第3楽章「スケルツォ」管弦楽完成版によるシューベルト/交響曲ロ短調「未完成」

2012-11-19 04:03:27 | 交響曲

 以前に渡邊暁雄指揮日本フィルによるシューベルトの名曲「交響曲ロ短調<未完成>」作曲者自身が書き遺した「第3楽章」構想スケッチを管弦楽とピアノで演奏した録音を紹介したことがあるが(日本コロムビア/COCO80716、1961年録音)今回はその「第3楽章」管弦楽補筆完成版によるレコードを紹介したいと思う。

 写真のLPレコード(英Victorola/VICS6700B ステレオー国内盤未発売)はオーストラリア、メルボルン出身(1926年生まれ)の指揮者デニス・ヴォーガン(Denis Vaughan)という人が「ナポリ管弦楽団」とシューベルトが書き遺した管弦楽部分を含むピアノ・スケッチを元に自身が管弦楽補筆完成した「第3楽章スケルツォ」を録音した大変珍しい「3楽章版」である。ところが今この名曲を通しで「第3楽章」まで聴くと何か違和感が残る。やはりこの作品は前半の二つの楽章で余韻をもちながら完成された交響曲と考えた方が自然なのだろう。しかしヴォーガンが録音したこのレコードも「第3楽章」が管弦楽で聴くことができる貴重な1枚であることは云うまでもない。尚、このLPには第1面に「第3番ニ長調D.200」が収録されているが彼はこのオーケストラと全集録音を完成している。ジャケットに録音年代の記載はないがLPのリリースが1965年なので1960年代前半のものと推定される。ジャケットの記載によれば録音はナポリの「Palazzo Reale(王宮)」となっている。

 


チョン・ミョンフン、メシアン「彼方の閃光」

2012-11-16 10:47:22 | 現代音楽

 チョン・ミョンフンは晩年のオリヴィエ・メシアン(Olivier Messiaen/1908~1992)と親交があり厚い信頼も得て彼の作品を「バスティーユ・オペラ」音楽監督時代に代表作「トゥーランガリラ交響曲」をはじめいくつかをレコーディングしている。この「彼方の閃光」はメシアンが最後に完成した管弦楽作品といわれている。11の楽章から構成され先の「トゥーランガリラ」と並び演奏時間約1時間を要する大曲である。因みに作品は「ニューヨーク・フィルハーモニック」創立150年を記念して委嘱されたものである。録音は1993年10月、「バスティーユ・オペラハウス」で行われた。ジャケットのサインはチョン・ミョンフン来日の際に入れてもらったもの。(ドイツ・グラモフォン/439929-2 1994年発売)

 

 


モントゥー&ACOの「エロイカ」(1962年録音)

2012-11-14 20:31:20 | 交響曲

 写真のLP、ピエール・モントゥー(Pierre Monteux/1875~1964)指揮アムステルダム・コンセルトへボウ管弦楽団によるベートーヴェン交響曲第3番「エロイカ」はモントゥー87歳(1962年)の最晩年の録音である。このLP、1963年の国内初出盤(フィリップスーSFL5528)は豪華布張りのカートン・ボックス入りで発売された。また「第2楽章<葬送行進曲>」のリハーサル風景を収録した特典盤付きであった。彼のウィーン・フィルとの1957年のステレオ録音も名盤だが個人的にはこの渋みのあるコンセルトヘボウ盤が好きである。彼はこの録音の翌年1963年、当時首席指揮者を務めていた「ロンドン交響楽団」と「大阪国際フェスティバル」参加のため初来日を果たしたが大阪公演のみで我々東京地区の音楽ファンをガッカリさせた思い出がある。

 この「第2楽章」のリハーサル風景については以前にも別の特典非売品レコード紹介したことがあったかと思うが断片的ながら彼の音楽づくりを垣間見ることができ興味深い。

 


クリュイタンス&パリ音楽院管 東京Live、1964 

2012-11-12 23:13:00 | 管弦楽曲

 アンドレ・クリュイタンス&パリ音楽院管弦楽団、1964年来日時の東京公演ライヴ(NHK放送音源)の「ラヴェル・プログラム」(5月7日公演)とベルリオーズ「幻想交響曲」(5月10日公演)初LP並びにCD化されたのは1986年のことである。それらは当時「キング・レコード」から「セブンシーズ」レーベルで発売された。いずれも会場は「東京文化会館」である。因みに前者のラヴェルはモノラル、後者のベルリオーズはステレオだった。その後これらは2000年に「Altus」レーベルから再発売されたがさらに2009年にラヴェルの一部ステレオ音源(「クープランの墓」を除く)が見つかり先のモノラル音源もリマスターされステレオ音源と併せてCD化された。(写真/Altus-ALT167-8)

 当時、公演の模様は当時NHKFMでステレオ(当時は立体放送と呼んだ)でオン・エアされているがラヴェルの音源についてはNHKにも「モノラル」しか保存されていなかったようである。ところが幸いなことに筆者も日頃お世話になっている竜ヶ崎市音楽愛好会「ゲヴァントハウス」の所蔵ライヴ・テープ(FMエア・チェック)にそのステレオ音源が存在し急遽CD化される運びになったとのことである。コンサート・ライヴ・コレクターにとっては実に喜ばしいかぎりである。 尚、クリュイタンスは1950年代に「フランス国立放送管弦楽団」とモノラル、1960年代にステレオでこの「パリ音楽院管弦楽団」とステレオでラヴェルの管弦楽曲全集を録音いずれも彼の不滅の名盤として輝いている。