このたびカラヤン&ワイセンベルクの1977年普門館公演(東京)の未公開音源ベートーヴェンのピアノ協奏曲(2曲)がついにCD化された。これで以前に発売済みの「ベートーヴェン交響曲ツィクルス」と共にカラヤン&ベルリン・フィルの東京での演奏が全てそろったことになる。
当時、これはベートーヴェン・ツィクルス第2夜11月14日「第2番」の交響曲に先立って演奏された「ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37」と第5夜11月17日「交響曲第8番」に続いて演奏された「第5番変ホ長調<皇帝>作品73」である。この二つの協奏曲の演奏は「FM東京」により交響曲と共にひそかに収録されていたが当時オン・エアされることはなく長きに渡り放送局に眠っていたものである。今回、ようやく日の目を見たことはカラヤン・ファンにはもちろんのことライヴ音源愛好家にとっても喜ばしい限りである。
この二人は「EMI」にセッション録音で全集録音を遺しているがライヴで聴く演奏はまた一味異なる。まして当時会場へ足を運んだ筆者は感慨深い。録音も素晴らしい。 (写真/TOKYO FM -TFMC-0040)