私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

未公開音源、カラヤン&ワイセンベルクー1977年普門館公演CD化

2012-09-26 16:39:30 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

  このたびカラヤン&ワイセンベルクの1977年普門館公演(東京)の未公開音源ベートーヴェンのピアノ協奏曲(2曲)がついにCD化された。これで以前に発売済みの「ベートーヴェン交響曲ツィクルス」と共にカラヤン&ベルリン・フィルの東京での演奏が全てそろったことになる。

  当時、これはベートーヴェン・ツィクルス第2夜11月14日「第2番」の交響曲に先立って演奏された「ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37」と第5夜11月17日「交響曲第8番」に続いて演奏された「第5番変ホ長調<皇帝>作品73」である。この二つの協奏曲の演奏は「FM東京」により交響曲と共にひそかに収録されていたが当時オン・エアされることはなく長きに渡り放送局に眠っていたものである。今回、ようやく日の目を見たことはカラヤン・ファンにはもちろんのことライヴ音源愛好家にとっても喜ばしい限りである。

 この二人は「EMI」にセッション録音で全集録音を遺しているがライヴで聴く演奏はまた一味異なる。まして当時会場へ足を運んだ筆者は感慨深い。録音も素晴らしい。 (写真/TOKYO FM -TFMC-0040)

 

 


ミサ典礼、式次第を収録したヨッフムのモーツアルト「レクイエム」

2012-09-25 23:20:07 | 声楽曲

 今回紹介する写真のCDはモーツアルト生誕200年を翌年に控え1955年12月、ウィーンの「シュテファン大聖堂」において典礼様式でオイゲン・ヨッフム指揮より演奏された貴重なライヴ録音である。 したがって、音楽ミサのほかに儀式の始まりを告げるオルガンの前奏をはじめ大聖堂助任司祭ペナル卿の司式のもとに行われたミサ全体が収録されている。管弦楽はウィーン交響楽団、合唱=ウィーン国立歌劇場合唱団、独唱陣はソプラノ=イルムガルト・ゼーフリート、アルト=ゲルトルーデ・ピッツィンガー、テノール=リヒャルト・ホルム、バス=キム・ボルイの面々である。 1955年の録音なのでモノラルだがこのようにミサ典礼の模様を通して聴くレクイエムも厳かで荘重な気分が味わえる。

 写真のCDは1991年(モーツアルト没後200年)にリリースされたDG国内盤POCG2435でLPレコードとしては1970年ごろ「アルヒーフ・レーベル」からたしか2枚組みで出ていたのを記憶している。

 


カラヤン、ベルリン・フィルーブラームス/交響曲第4番(1963年録音)

2012-09-23 23:40:24 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤン&ベルリン・フィルは1962年にステレオによる最初の「ベートーヴェン交響曲全集」を完成後、翌1963年10月には1週間の超短期セッションで最初のブラームス交響曲全集を完了している。写真のLPは全集盤から分売の「第4番」だがジャケットは全てラウターヴァッサー撮影の写真で統一されている。(国内盤/SLGM 1294)この国内盤はジャケットのタスキの通りカラヤン&ベルリン・フィルが1966年2回目の来日公演を記念しての1965年12月頃の発売だったと思う。

 最近はまたカラヤンの60年代、70年代のレコードを中心に聴き入っているがこの時代の録音、ベルリン・フィルの艶やかな響きに改めて感服させられてしまう。この「第4番」もカラヤンの技ありといったところか。LPレコードの深い魅力も不滅である。

 

 


グールド&バーンスタイン、NYPのブラームス「ピアノ協奏曲第1番」

2012-09-21 12:24:53 | 協奏曲

 グレン・グールドはブラームスのピアノ協奏曲をなぜかスタジオ録音しなかった。しかし幸いなことに2つの「第1番」のライヴ録音が遺されている。そのひとつが本日取り上げる1962年4月6日カーネギーホールにおけるレナード・バーンスタイン&ニューヨーク・フィルハーモニックとのコンサート・ライヴである。写真のCDは「ソニー・クラシカル」からリリースされたいわゆる正規音源盤であるがだいぶ以前にLPで「米ワルター協会」からも発売されたことがある。記録によればこのコンサートは4月5日、6日、8日の3日間行われこのLPの記録は8日の演奏となっていた。

 演奏はいかにもグールドらしい個性的なもので極端に遅いテンポをとっている。これについてはバーンスタンとの意見の相違があったようである。CDに収録された演奏前の舞台でのバースタイン自身のスピーチも興味深い。演奏が終わらないうちに沸き起こる聴衆の興奮した拍手も当日の会場の雰囲気が伝わってくる。CDの余白には1963年2月にラジオ収録されたジャエームズ・ファセットによるグールドへのインタビューも収録されている。

 余談ながらもうひとつのライヴ音源はこのコンサートの約半年後(1962年10月)に収録された放送ライヴでピーター・アドラー指揮ボルティモア交響楽団による演奏でこちらも以前に「米M&A」からCD化されたことがある。

 

 


「東京クヮルテット」の「バルトーク弦楽四重奏曲全集」(DG盤)

2012-09-17 21:53:33 | 室内楽曲

 バルトークの弦楽四重奏曲に最初に耳を傾けた時の印象は何んととっつきにくい音楽と抵抗を感じたが改めて聴きこんでいくうちに逆に不思議と魅力を持つようになった。そして最初に求めた全集盤(LP)が写真の「東京クヮルテット」の演奏だった。(国内盤ドイツ・グラモフォンLP/78MG 0110/2、1981年リリース)

 「東京クヮルテット(Tokyo String Quartet)」は斎藤秀雄門下の桐朋学園大学出身メンバーにより1969年に創設された。創設メンバーは第1ヴァイオリン=原田幸一郎、第2ヴァイオリン=名倉淑子、ヴィオラ=磯村和英、チェロ=原田禎夫の4人であったがこの全集盤は1975年から80年に録音されたもので第2ヴァイオリンが名倉淑子から池田菊衛に入れ替わっている。

 バルトークの弦楽四重奏曲、全6曲は1909年から1939年の30年に渡り書いた傑作でとりわけ「第6番」は彼が祖国ハンガリーからアメリカへ亡命する前にヨーロッパで書いた最後の作品でもあった。この全集盤は日本人による若さあふれる当時の「東京クヮルテット」の名盤で発売された1981年はバルトークの生誕100年に当たっていた。 その後、第1ヴァイオリンがピーター・ウンジャンに代わり「RCA」に1993年ー94年にも2度目の全集録音を果たしている。 伝えるところによれば来年6月(2013年)に44年に渡った演奏活動に終止符を打つとのことだ。

 

 

 

 


クレツキ&南西ドイツ放送響のベートーヴェン「交響曲第1番・第5番」

2012-09-14 12:03:53 | 交響曲

 パウル・クレツキの「コンサート・ホール録音」によるベートーヴェンの交響曲についてこれまでに「第3番<英雄>」(南西ドイツ放送響)と「第6番<田園>」(フランス国立放送局管)を取り上げ済みだが今回は残りの1枚、写真の「第1番」・「第5番」を紹介したい。

 これらの録音は彼が「チェコ・フィル」全集録音に取りかかる以前の1960年代前半のものである。この「第1番」と「第5番」は先の「第3番」と同様にバーデン・バーデンの「南西ドイツ放送交響楽団(現、バーデン・バーデン&フライブルクSWR交響楽団)」との録音である。(写真/コンサート・ホールーSMS 2313/ステレオ) しかし当時この楽団によるレコードがこの日本では「コンサート・ホール盤」以外ほとんどなかったためか地味な存在だった。 ポーランドの名指揮者パウル・クレツキ(1900~1973)もエルネスト・アンセルメの後を継ぎ「スイス・ロマンド管弦楽団」の音楽監督を務めた人だがその存在感は地味だった。しかし彼が遺したコンサート・ホール盤」のベートーヴェン交響曲録音ではこの「第1番」・「第5番」も筆者にとっては捨て難い1枚だ。


カラヤンの「ドイツ行進曲集」

2012-09-12 11:34:37 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 今日紹介するLPはカラヤンのレコード録音のなかでもとりわけ異色のジャンルに入る1枚と云えるだろう。

写真は「プロイセン行進曲集」と題したドイツの行進曲を集めたアルバムでカラヤン自身の企画によるレコーディングと云われている。1973年3月の録音で「イエス・キリスト教会(ベルリン)」での最終セッションでもあった。オリジナル盤はLP2枚組みで全30曲の行進曲が収められていたが写真のLPはその中から13曲を収録した独グラモフォンの「CLUB-EDITION盤」(DG-329268)である。 演奏はベルリン・フィルのブラス・アンサンブルによるもの。 

 ※「CLUB-EDITION盤」の収録曲

 ピーフケ:「プロイセンの栄光」・「国王祝賀行進曲」 モルトケ:「大公旗連隊行進曲」 ヘンリオン(メケネ編曲):「十字軍騎士ファンファーレ」・「フュールベリン騎兵隊行進曲」 ベートーヴェン(シャーデ編曲):「ヨルク行進曲」 ラデック:フリードリヒ近衛連隊行進曲」フリードリヒ大王:「トルガウ行進曲」・「ホーエンフリートベルク行進曲」 タイケ:「旧友」

 作曲者不詳:パッペンハイマー行進曲」・「ペテルブルグ行進曲」・「パリ入場行進曲」   以上 13曲

 

 

 


ルネ・レイボヴィッツのベートーヴェン「ウェリントンの勝利」

2012-09-10 20:06:38 | 管弦楽曲

 オールド・クラシック・ファンには懐かしいレネ・レイボヴィッツ(1913~1972)のレコードから写真の1枚を取り上げてみたい。このLPはかれこれ40年近く前にアメリカのマイナー・レーベル「Olympic Records」から発売されたものである。ベートーヴェンの「ウェリントンの勝利」のほか「シュテンファン王」序曲・「11のウィーン舞曲」も収められている。管弦楽は「パリ・フィルハーモニー管弦楽団」との記載があるがその実体はよくわからない。(米Olympic-8113)

 シェーンベルクやベルクに学んだ指揮者レイボヴィッツは「新ウィーン楽派」の作品を紹介したり自ら作曲家としても活躍したことでも知られている。彼が1960年初頭に「ロイヤル・フィル」とレコーディングした「ベートーヴェン交響曲全集」は現在も語り継がれている。今日紹介するLPはそれに遡る1950年代のモノラル録音だがこの「オリンピック盤」ではなぜか発売当時ブームを呼んだ「QS4チャンネル・マトリックス」による「擬似ステレオ」になっている。 ステレオ効果が楽しめる「ウェリントンの勝利」ということもありさらに「マトリックス4チャンネル化」したと思われるがその効果は期待はずれだった。オリジナルがモノラル録音なので致し方ないだろう。

 

 

 


カラヤン&ベルリン・フィル ー 「スッペ・序曲集」 

2012-09-09 10:51:37 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 ショルティ&ウィーン・フィル盤(英デッカ/1959年録音)と双璧をなすカラヤン&ベルリン・フィルの1969年録音のスッペの傑作序曲集である。(写真/独グラモフォンー2530 051) 収録作品のうち「軽騎兵」序曲以外の「ウィーンの朝・昼・晩」、「スペードの女王」、「美しきガラテア」、「怪盗団」、「詩人と農夫」の5曲はこの録音が初で唯一のものである。

 このアルバムは以前にも「カラヤン 60・CD BOX」で紹介済みかと思うが今回はオリジナルLPで取り上げてみた。 颯爽としたカラヤンの指揮ぶりが爽快である。さらに先のショルティ盤と同様、録音が大変素晴らしいことも付け加えておきたい。 演奏もCDよりやはりこのオリジナルLPでの再生がより味わいを深く感じてしまう。


カラヤンの唯一の録音となった「シェエラザード」

2012-09-08 22:06:48 | ヘルベルト・フォン・カラヤン

 カラヤンは数多くの同一作品を複数回レコーディングしているがリムスキー=コルサコフの代表作、交響組曲「シェエラザード」はベルリンフィルとの1967年1月の録音が唯一のものである。 写真はその初出LPでリムスキー=コルサコフの作品の録音もこの曲のみである。(独グラモフォン/139 022) 

 カラヤンがベルリン・フィルの機能美を最大限に引き出したきらびやかなサウンドが印象的でコンサート・マスター、ミシェル・シュヴァルベのソロも美しい。なぜか実際のコンサートでカラヤンが一度もこの作品を取り上げなかったことも不思議である。また筆者個人的にはCDよりもレコードで聴くほうが好きである。