私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

お気に入り、カラヤンの「LPジャケット」から 

2011-05-30 14:53:55 | LPジャケット

 カラヤンはチャイコフスキーの「悲愴」と並びブラームスの「交響曲第1番」も数多くの録音を遺しコンサートでも幾度となくプログラムにとりあげている。因みに最後の来日公演(1988年)のフィナーレを飾ったのもブラームスの「第1番」だった。演奏も彼のベルリン・フィルとの3つのスタジオ録音(1963年・1977年・1987年)の中でこの写真、最初の1963年のものがベストと思っている。これはカラヤンが「ベルリン・フィル」との最初の「ブラームス交響曲全集録音(1963年~64年/ベルリン、イエス・キリスト教会)」から分売で写真のLPはオリジナル国内盤SLGM1291に続き再発売されたSMG2065でオリジナル盤とは異なるカラヤンの写真が使用されている。筆者はこのジャケット写真を特に気に入っている。溌剌と指揮するカラヤンの姿に流動感があり印象的である。
 

LPジャケットの魅力(10)

2009-09-20 09:35:55 | LPジャケット
 写真のジャケットはヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィルによる3回目のデジタル録音による「ベートーヴェン交響曲全集」からの分売第5番・第9番の2LPボックス・セット(DG413-933-1)である。収録は1982年の第5番からスタートして84年2月の第8番で完了した。これらの一連の収録はテレモンディアルのベートーヴェン交響曲全集映像作品とリンクする。
 LPジャケットはそれまでのデザインとガラリと変わりカラヤンのオーラが金ピカに光輝くようなデザインに統一された。演奏スタイル・コンセプトは以前の全集録音と大きな変化はないが迫力の点では個人的にちょっと物足りさも感じるがカラヤンが遺した文字通り金字塔である。それにしてもカラヤンは生涯に最初のフィルハーモニア管弦楽団によるものを含め4回のベートーヴェン交響曲全集録音を完成する偉業を成し遂げた超人指揮者でもあった。
 

LPジャケットの魅力(9)

2009-09-19 07:32:40 | LPジャケット
 今日はカラヤンのシベリウス/交響曲第2番の新旧2つのジャケットを選んでみた。写真左が1960年3月録音のフィルハーモニア管弦楽団、右が1980年11月録音(デジタル)のベルリン・フィルとのものでどちらもEMIからリリースされている。カラヤンはシベリウスも得意なレパートリーの一つにしており第4番や第5番などは実際のコンサートで取り上げているがなぜかこの第2番だけはコンサートで演奏された記録は見当たらない。
 フィルハーモニア盤の日本初出は日本コロンビアから発売されていたが版権が東芝に移り写真のLPは4回目にリリース(AA8309)ものでジャケットに荒涼としたフィンランドの大地をイメージさせる写真が使用されている。一方20年の歳月を経て当時最新のデジタル技術で再録音されたベルリン・フィル盤のジャケットは北欧をイメージさせるイラスト画である。因みにEMIとのシベリウス交響曲の新録音は1976年9月の第5番が最初だったと思うがジャケット・デザインはこの同一作者のイラスト画で統一されている。
 惜しむべきは第3番が録音されなかったことである。
 


LPジャケットの魅力(8)

2009-09-18 03:27:02 | LPジャケット
 今日はドヴォルジャークの代表作、交響曲第9番「新世界から」の4枚のレコードを選んでみた。写真の上段左のフリッチャイ/ベルリン・フィル盤と下段右のベーム・ウィーン・フィル盤は演奏については以前に紹介済み(カテゴリー:交響曲)なのでそちらも参考にしていただければ幸いである。
 フリチャイ盤とカラヤン盤(写真、下段左・英EMI)は19世紀アメリカ合衆国開拓時代の鉄道絵画をジャケットに使用したものである。フリッチャイ盤(1959年録音)はぺンシルバニア(Pennsylvania)鉄道の開拓時代のSLを描写したものでドイツ・グラモフォンの廉価盤ーRESONANCEシリーズとして1975年に再リリースされた。カラヤンはこの作品を生涯にSP盤も含めベルリン・フィルと3回(1940/58/64/77)、ウィーン・フィルと1回(1985)と計5回の録音を行っているが写真のLPはベルリン・フィルとの最後のレコーディングとなった1977年英・EMI盤である。写真、上段右の小澤征爾/サンフランシスコ響盤(Ph/X7550)は彼が40歳ごろの1975年の録音で溌剌とした演奏が聴ける。初版ジャケット写真も若きオザワとサンフランシスコのゴールデン・ゲート・ブリッジをアレンジしたものが使用された。ベーム/ウィーン・フィル盤は1978年5月の録音で彼が83歳の時のものでこれがこの作品初レコーディングでもあった。ジャケットにはF.ヒダルゴ撮影のニューヨークの空撮が使用されている。

LPジャケットの魅力(7)

2009-09-17 00:22:45 | LPジャケット
 R.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」作品40はカラヤンが好んでよくコンサートのプログラムで取り上げた作品の一つである。正規録音盤もロシア・メロディア盤のライヴ録音を含め4種類がリリースされオーケストラはいずれもベルリン・フィルである。写真のLPジャケットは戦後ドイツ・グラモフォンへの初録音(1959年)となった記念すべき日本盤SLGM1181(左)、ドイツ盤SLPM138 025(右)である。
 日本での発売は最初モノラル盤がLGM165のレコード番号でリリースされその後ステレオ盤としてSLGM7が登場、さらに写真のSLGM1181がリリースされいずれもジャケット・デザインは異なる。筆者が写真のレコードを購入したのは1964,5年ごろであった。このころのLPジャケット・デザインは何とも表現しがたい味のあるものが多かった。一方、右のドイツ盤はイラスト・デザインを使用したジャケットであるが同レコード番号でカラヤンが指揮する写真を使用したジャケットも存在した。独奏ヴァイオリンはコンサート・マスターのミシェル・シュヴァルベ、彼は1974年録音EMI盤もソロ・ヴァイオリンをつとめている。因みにカラヤン最後の第4回目となるこの作品の録音(DG)は1985年でソロ・ヴァイオリンも当時のコンサート・マスター、レオン・シュピラーに変わっている。どの盤もカラヤンらしい甲乙つげがたい演奏だが筆者は写真のLPに一番の愛着を持っている。

 

LPジャケットの魅力(6)

2009-09-16 09:56:50 | LPジャケット
 今日は2つのチャイコフスキーの「悲愴」のジャケットを選んでみた。写真左はフランスの名指揮者ジャン・マルティノンがウィーン・フィルと録音した唯一のレコード(日ロンドン/SLC1743/1958年録音)、右はヘルベルト・フォン・カラヤンがベルリン・フィルとドイツ・グラモフォンへの第1回目の録音盤(日グラモフォン/MG2005/1964年録音)である。
 どちらも日ごろから私がよく針を下ろすレコードであるがジャケットも大変気に入っている。マルティノン盤は1969年ゲオルグ・ショルティ/ウィーン・フィル来日記念に合わせてキング・レコードが再発売したものでジャケットも見開きに変わり「ウィーン・フィルハーモニー・フェスティバル」のシールが貼られているのが懐かしい。ジャケット・デザインにはイタリア・初期ルネッサンスの三大芸術家のひとりマザッチオ(Masaccio/1401~1428)が描いたフィレンツェのカルミネ聖堂ブランカッチ礼拝堂内の壁画「楽園追放のアダムとイヴ」のアップが使用されている。またカラヤン盤はジャケット写真が初版のモノクロからカラーに変わりレコード番号の頭の「S」がとれMGになったものである。カラヤンの写真は当時彼のレコーディングが通常行われていたベルリン、ダーレムのイエス・キリスト教会での撮影のものである。壮年のカラヤンの指揮する容姿にひかれる。
 両盤とも1960年代の「悲愴」を代表する名盤だが現在でもその輝きは失われていない。




LPジャケットの魅力(5)

2009-09-15 00:07:42 | LPジャケット
 「LPジャケットの魅力」5回目の今日はプロコフィエフの音楽物語「ピーターと狼」作品67を取り上げてみた。この作品は1936年、作曲者プロコフィエフが45歳の時のもので子供たちのためにロシアの民話を基に自身でシナリオを書き作曲した。子供たちだけでなく結構大人も楽しめる人気の高い作品でもある。
 この作品を演奏するにあたり不可欠な「語り」はそれぞれの国の言語で吹き替えられリリースされているが筆者のLPコレクションの中から代表的な「日本語」・「英語」・「ドイツ語」・「フランス語」によるものを選択してみた。写真上段左からヘルベルト・フォン・カラヤン/フィルハーモニア管弦楽団/語り、坂本 九/日本語ー東芝AA8130)、レナード・バーンスタイン指揮と語り(英語)/ニューヨーク・フィルハーモニック/CBS・ソニー/SOCL75)、ロリン・マゼール/フランス国立放送管弦楽団/語り、マチアス・ヴィーマン/ドイツ語/DG2535 108)、ルイ・フレモー/モンテカルロ国立歌劇場管弦楽団/語り、フェルナンド・ルドゥ/フランス語/RVC-ERA1082)の4枚である。録音年代もカラヤン盤の1956-57年の他はいずれも1962年の録音である。一昔前の録音だがいずれもオリジナル・ステレオ録音で音質も良好で申し分ない。ジャケット・デザインもそれぞれが「子供のための御伽噺」の世界をイメージして作成されている。
 この中で特に筆者が気に入っているLPはカラヤンと当時日本のトップ、エンタテーイナーだった言っても過言ではない坂本 九を語りに起用した盤である。この語りの部分の日本語台本の制作・脚色を担当したのは坂本 九と切っても切れない間柄だった永 六輔であった。因みにこの語りの部分の録音は1965年にされている。当時、大変人気ものだった坂本 九の軽妙洒脱な語り口が何とも素晴らしく大指揮者カラヤンと坂本 九の組み合わせは日本盤レコード制作の上で大成功を収めたと言っていいだろう。
 尚、このカラヤン盤の外国語のナレーションでは英語は俳優のピーター・ユスティノフ、ドイツ語ーアンネリーゼ・ローテンベルガーとロミー・シュナイダーの2種類、フランス語ーロベール・ヒルシュ、イタリア語ーティノ・カッラーロが担当したLPが各国で発売された。またカラヤンがこの作品を実際のコンサートでプログラムにとりあげた記録は少なく手元の資料を見る限りでは1949年1月8日・9日にウィーン楽友協会大ホールでのウィーン交響楽団との演奏会で歌手のイルムガルト・ゼーフリートの語りによるものが見当たるくらいである。

LPジャケットの魅力(4)

2009-09-14 02:15:18 | LPジャケット
 一昔前の日本のクラシック・レコードのカップリングでベートーヴェン交響曲第5番ハ短調「運命」とシューベルト交響曲第8番「未完成」という組み合わせは一つの定番であった。最もベートーヴェンの第5交響曲を「運命」という副題で呼ぶのはそもそも日本のみで世界的には交響曲第5番ハ短調作品67で統一されている。またシューベルトの交響曲第8番は現在では作曲年代順に整理され「第7番」と表記されることが一般的になった。
 写真の3枚のLPはそれぞれ定評ある不滅の名盤である。左からアンドレ・クリュイタンス/ベルリン・フィル盤(東芝/ASC5118/1957-78年録音)、ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィル盤(日本グラモフォン/SLGM1270/1962年/64年録音)、レナード・バーンスタイン/ニューヨーク・フィルハーモニック盤(日本CBS・ソニー/SONC10207/1961年録音)である。筆者が最初に求めたのはクリュイタンス盤で中学時代だったからおそらくもう45年以上昔のことになる。レコード番号も「ASC」と後の「AA」で始まる番号より以前のものでジャケット・デザインもその歴史を感じさせる。中央のカラヤン盤はこの組み合わせのLPでは発売当時からヴィヴァルディの「四季」と並びベスト・セラーを長年続けた名盤中の名盤でもあった。後に見開きジャケットになりレコード番号もSMG2001→MG2001と変わっていった。なおこの組み合わせで発売されたのは日本のみで本国のドイツ盤では第5番単独での発売となっている。左のバーンスタイン盤はコロンビアからCBS・ソニーへ発売が移籍した当時のもので1970年初回プレス盤にはボーナス盤として「ニューヨーク・フィルの歴史」と題したメンゲルベルク、トスカニーニを始めとするニューヨーク・フィルの名指揮者の演奏を収録したLPが添付されていた。


LPジャケットの魅力(3)

2009-09-13 10:11:44 | LPジャケット
 今日は私のお気に入りのジャケットからムラヴィンスキーのチャイコフスキー後期交響曲のジャケットを紹介したい。写真の3枚のLPジャケットは1960年代末にドイツ・グラモフォンから発売された見開きジャケットの日本盤である。これらのLPは昔から超名盤として高い評価を受けており最近では紙ジャケの限定CD盤にも復刻されていた。
 因みに録音はムラヴィンスキーとロジェストヴェンスキーに率いられたレニングラード・フィルハーモニー管弦楽団が1960年9月にイギリス、11月にオーストリアに演奏旅行をここなった際に並行しての第4番がロンドンのウェンブリー・タウン・ホール、第5番・第6番がウィーン楽友協会大ホールでおこなわれている。この時のコンサートの反響は想像を絶するほど凄かったらしい。
 ジャケットに話を戻すとこのデザインのジャケットは初リリース時ではなく確か再発売時だったと記憶している。日本では当初SLGMからの番号をだったがその後、ジャケットも見開きの厚い豪華なものに変わりSMG(後に頭のSが取れMGに)から始まる番号に変更された時この何とも言えないジャケットになった。
 また1枚、1枚が昔のロシアの香りを漂わせており独特な風格を持っており古き良き時代をも感じさせてくれる。

 

LPジャケットの魅力 (2)

2009-09-12 06:08:20 | LPジャケット
 今日は私の好きな作曲家の一人ベルリオーズの代表作品「幻想交響曲」のジャケットを写真の4枚の初期盤から取り上げてみたい。写真左上から順にシルヴェストリ/パリ音楽院管弦楽団(東芝/ASC5099・1957年録音)、クリュイタンス/フィルハーモニア管弦楽団(東芝/AA7042・1958年録音)、アルヘンタ/パリ音楽院管弦楽団(キング/SL1011・1957年録音)、カラヤン/ベルリン・フィル(DG/SLPM138 964/1964年録音)である。
 いずれもこの作品の名盤と評価されたレコードだがジャケットもそれぞれ個性的なデザインで興味深いものがある。1950年代後半から60年代初頭のLPジャケットの味を感じさせる。写真上段のシルヴェストリ盤は作曲者ベルリオーズの肖像画をデザインしたもの、一方クリュイタンス盤はこの作品イメージから湧いた幻想的絵画、夢で出てくるベルリオーズが恋する女優ハリエットがグロテスクに描かれている。下段のアルヘンタ盤は演奏も特に個性的だがジャケットに使用された絵画はアントニウスの祭壇画からであろうか奇怪なグロテスクな生物が悪魔的に描かれた部分をアップで強調している。この作品の終楽章をイメージしたものだろう。
最後のカラヤン盤は1964年ベルリン・フィルとの最初のベルリン・イエス・キリスト教会録音のものである。こちらもこの作品にピッタリの幻想的絵画を使用したセンスのあるジャケットだ。
 この作品のレコード・ジャケットにはまだまだこれ以外にも多くの個性的で興味深いデザイン・ジャッケットがあるのでたまには演奏を聴きながらそれぞれ並べて見て楽しむのもまたオツなものである。