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FMエア・チェックから生まれた名演 -(8)ザルツブルグ音楽祭1978 

2009-02-06 00:26:47 | FMエア・チェック
 ヘルベルト・フォン・カラヤンはブルックナーの交響曲をコンサートでもよく取り上げた指揮者でもあった。因みに第8番は1959年ウィーン・フィルと約40日間のアジア・アメリカ演奏旅行で来日した際10月28日日比谷公会堂で日本初演を果たしている。私はこの時まだ小学生だったので残念ながらこの演奏会に足を運ぶことができなかったが7年後の1966年、ベルリン・フィルと2回目の来日公演5月2日東京文化会館での演奏はよく覚えている。第4楽章の最後のソ・ミ・レ・ドが完全に終わらないうちに興奮した聴衆の爆発的な拍手が巻き起こった。一呼吸おいてからの拍手を期待した私はちょっと残念な気持ちになった。今回取り上げるFMエア・チェック・テープはカラヤン/ウィーン・フィルの1978年ザルツブルグ音楽祭での第8番の演奏である。この放送はNHK・FMで同年12月22日にされている。ウィーン・フィルの柔らかい弦の響きと金管楽器群の何とも表現しがたいたおやかな美しさが何度聴いてもたまらない。カラヤンの美的感性がブルックナーの神秘的な響きの世界と調和した見事なライヴ演奏だと思う。特に第3楽章アダージョの演奏約26分間は我を忘れてききほれてしまう。私にとっては会場の祝祭劇場大ホールで生で聴きたかった演奏の一つである。