私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

”N響ライヴ・シリーズ”からアニー・フィッシャー

2015-04-15 16:04:32 | 協奏曲

  ハンガリー、ブダペスト出身の名女流ピアニスト、アニー・フィッシャー(Annie Fischer/1914~1995)がNHK交響楽団に客演した際のNHKホールにおけるライヴ盤である。彼女は1980年以来たびたび来日名演を披露し多くの聴衆を魅了した。写真のCD、「N響ライヴ・シリーズ」には彼女が得意としたモーツアルト、ベートーヴェン、シューマンの協奏曲貴重音源が収められている。それぞれ指揮者は異なるが録音年代順にモーツアルト/ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K.482(フェルディナント・ライトナー指揮1983年)、シューマン/ピアノ協奏曲イ短調作品54(クリストフ・ペリック指揮1985年)、ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番ハ短調作品37(ミルティアデス・カリーディス指揮1987年)となる。また同曲にはそれぞれ1950年代にスタジオ録音した名盤 - オットー・クレンペラーとのシューマン、ウォルフガング・サヴァリッシュとのモーツアルト(以上フィルハーモニア管弦楽団、EMI)、フェレンツ・フリッチャイ、バイエルン国立歌劇場管弦楽団とのベートーヴェン(DG)が存在する。(写真/キングインターナショナル 2CD、KKC2088/9 2014年初CD化)

 

 

 


フルトヴェングラー&メニューイン ルツェルン音楽祭管 ブラームス /ヴァイオリン協奏曲

2015-03-11 11:24:26 | 協奏曲

  (日ビクターLP LS-2002)

 レコード棚奥に久しく眠っていた写真のフルトヴェングラー&メニューイン、ルツェルン音楽祭管弦楽団によるブラームスのヴァイオリン協奏曲に針をおろした。この録音は1949年8月、二人が「ルツェルン音楽祭」に出演した際の評判があまりにも素晴らしかったため急遽スタジオ録音されたものである。オリジナル盤は78回転SP盤(5枚組)で発売された。ちなみに写真のレコード(日本ビクターLS2002/モノラル)は国内盤LPの初出と思われる。今改めて聴いてみると針がひろう最初期LP盤特有のノイズもまた昔の良き時代にタイムスリップさせる。録音も良好でメニューイン自身のカデンツァに興味をそそる。レトロ調のジャケット・デザインもこの時代を彷彿させ気に入っている

 

 

 

 

 


アンダのモーツアルト - ピアノ協奏曲

2014-09-16 10:43:39 | 協奏曲

 写真はハンガリーの名ピアニスト、ゲザ・アンダ(Géza Anda/1921~1976)が自身が指揮も兼ね「ザルツブルグ・モーツアルテム・カメラータ・アカデミカ」と録音した「モーツアルト/ピアノ協奏曲全集」(1960年代初頭~60年末録音)からの1枚である。(独グラモフォン/139 113 SLPM) このLPに収録された作品は第26番ニ長調「戴冠式」K.537と第12番イ長調K.414で因みに「戴冠式」の第1楽章のカデンツァはアンダ自身のものだ。このほかアンダが「ドイツ・グラモフォン」に遺した録音では」フリッチャイとの「バルトーク/ピアノ協奏曲全集」(1957~1960録音)やカラヤンと共演した「ブラームス/ピアノ協奏曲第2番」が印象に残る。手元の資料「NHK交響楽団50年史」(1977年発行)をめくると「N響」との共演、外山雄三の指揮でチャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番」・「バルトーク/ピアノ協奏曲第2番」の演奏記録が掲載されている。(1967年9月30日)懐かしい記憶がよみがえった。


ケンプのモーツアルト「ピアノ協奏曲第21番・第22番」 (1977年録音)

2014-06-04 12:25:57 | 協奏曲

 ヴィルヘルム・ケンプはどうしても「ベートーヴェン弾き」の印象が強く残る。 事実、モーツアルトの「ピアノ協奏曲」録音はモノラル時代のものも含めても少ないしこのDG盤の「第21番」と「第22番」もこの時(1977年)が初録音だったと思う。オーケストラは「バイエルン放送交響楽団」、指揮はベルンハルト・クレーでミュンヘンの「ヘルクレスザール」におけるスタジオ録音である。ケンプは全般的にテンポを若干遅めにとりカンデンツァも自身がアレンジしたものを弾いているところが興味深い。クレーはN響にも何回か登場したこともある指揮者で馴染みがあり彼の正統的で真摯な棒のアプローチにも注目したい。(写真ー独グラモフォン国内盤、28MG 0263)

 


アバド&ポリーニのバルトーク「ピアノ協奏曲第1番・第2番」 (1977年録音)

2014-06-02 18:54:12 | 協奏曲

  久しぶりに写真のLP、アバド&ポリーニのコンビによるバルトークの「ピアノ協奏曲第1番・第2番」に針をおろした。(独グラモフォン2530 901)管弦楽は「シカゴ交響楽団」、アバドがこのオケの首席客演指揮者に就任するおよそ5年前の1977年2月、シカゴ・オーケストラホールにおけるセッション録音である。またこのコンビとシカゴ響との初顔合わせレコーディングだったと思う。かれこれ40年近く前の録音だがその古さを感じさせない。演奏もアバドとの息もピタリと合った名演である。またポリーニの協奏曲録音というとウィーン・フィルやベルリン・フィルとの録音が先ず思い浮ぶが「シカゴ響」との録音となるとなぜかまた新鮮さも感じる1枚である。

 


懐かしの指揮者 - ヘンリー・ルイス

2014-03-31 19:27:02 | 協奏曲

 久方ぶりにヘンリー・ルイス指揮ジャニス・ヴァカレリ(ピアノ)ロイヤル・フィルによるガーシュイン「ピアノ協奏曲ヘ調」のLPに針をおろした。(写真/RPO-8009) このレコードは1986年に発足した「ロイヤル・フィル」によるオリジナル・レーベルである。レコーディングはLP第2面に収録されている同じくガーシュイン「パリのアメリカ人」と共に1987年7月22日、23日の両日に渡りロンドンの「ヘンリー・ウッドホール」において行われたもである。(デジタル・ステレオ録音)演奏もさることながら録音が大変素晴らしいところも特筆に値する。また筆者にとっては指揮者ヘンリー・ルイス(Henry Lewis/1932~1996)も思い出深い懐かしの指揮者の一人である。筆者が初めて彼の指揮を生で接したのは確か1977年9月、「読売日響」の定期に客演した時だったと思う。読響創立15周年を迎えたこの年、客演指揮者もはなやかさを加え10月定期には幻の指揮者とまで云われたセルジュ・チェリビダッケ、12月定期にはズビン・メータが登場している。因みに9月の定期は確か当初、名誉指揮者のウィレム・ヴァン・オッテルローが振る予定だったが急病でアメリカのヘンリー・ルイスが代役を務めたことを思い起こした。当日のプログラムはモーツアルト歌劇「コシ・ファン・トッテ」序曲、バルトーク「ピアノ協奏曲第3番」、ベートーヴェン交響曲第3番「英雄」だったと記憶している。またソリストには当時ハンガリーの新進ピアニスト、デジュー・ラーンキが客演した。

 

 

 

 

 


リパッティ シューマン「ピアノ協奏曲イ短調 作品54」 (1950年ライヴ盤)

2013-12-08 22:26:41 | 協奏曲

 ルーマニアの天才型ピアニスト、作曲家でもあたディヌ・リパッティ(1917~1950)が亡くなるおよそ9か月前に遺したコンサート・ライヴ録音である。(国内盤ロンドン -SLC6097) これは1950年2月22日、ジュネーヴのスイス・ロマンド管弦楽団の本拠地「ヴィクトリア・ホール」におけるライヴで指揮はもちろんエルネスト・アンセルメ、この放送用音源(モノラル)は1970年に発見されレコード化された。因みに写真の国内盤LPは1974年の再リリース盤でレコードの第2面にはアンセルメ&スイス・ロマンド管弦楽団によるシューマン(グラズーノフほかによる管弦楽版)舞踊音楽「謝肉祭」(原曲:ピアノ曲)が収録されている。(ステレオ録音) リパッティによるシューマンの「ピアノ協奏曲」はほかに1948年スタジオ録音盤のカラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団(EMI)の名盤が有名だがこのアンセルメ盤は病魔と戦うリパッティがまさに渾身の力を振り絞ってのぞんだもので彼の何か妖気に満ちた不思議な緊張感が伝わってくる。

 

 


アラベラ・シュタインバッハー - ミヨー「ヴァイオリン協奏曲第1番/第2番」ほか作品集

2013-11-06 11:01:19 | 協奏曲

  ダリウス・ミヨー(Darius Milhaud/1892-1974)はサティーと共にいわゆる「フランス6人組」を結成し新即物主義的な現代音楽の創作に取り組んだ作曲家である。彼の作品はストラヴィンスキーの影響も受けた「新古典主義」から「ロマン的」なものまで多種多様な分野に及ぶが録音も少ないこともあり日本ではまだまだ馴染みが薄い。今回紹介したいドイツの若手女流ヴァイオリニスト、アラベラ・シュタインバッハー(アラベラ・美歩・シュタインバッハー)が2004年に録音したヴァイオリン協奏曲を含むアルバムはミヨーの世界にふれる打ってつけの1枚だ。(独ORFEO-C646A) ミヨーの作品と聞くとちょっと取っつきにくい先入観を持ってしまいがちだがこのアルバムを聴けばそれは吹き飛ぶと思う。特にCDの最初に収録された「ヴァイオリン協奏曲第2番Op.263」(1946)は美しくロマン的な作品で彼女の優美なヴァイオリンにウットリとさせらてしまう。このほかヴァイオリンと室内オーケストラのために書かれた「春のコンチェルテーノOp.135」(1935)、舞踊音楽で有名な「屋根の上の牝牛Op.58」(原曲はヴァイオリンとピアノによる「シネマ幻想曲」)も聴きものである。(バックの管弦楽は「ミュンヘン放送管弦楽団」、指揮はピンカス・スタインバーグ)

 


アンリ・ドゥマルケット、サン=サンース チェロ作品集

2013-10-26 19:03:58 | 協奏曲

  写真のCDは2010年に「仏Mirare」レーベルからリリースされたフランス中堅チェリスト、(Henri Demarquette)のサン=サンースのチェロ作品集である。ドゥマルケットは1970年生まれ今年43歳、日本では「ラ・フォル・ジュルネ東京(2011年)」にも参加しファンも多い。CDには「チェロ協奏曲第1番」・「チェロ・ソナタ第1番」・ロマンス ヘ長調」・「チェロとピアノのための組曲」・「動物の謝肉祭」の計5作品が収録されている。「協奏曲」と「動物の謝肉祭」はジョセフ・スウェンセンが指揮する「パリ室内管弦楽団」が共演、さらに「謝肉祭」にはピアノにボリス・ベレゾフスキーとブリジット・エンゲラーの二人が加わる。「チェロ・ソナタ」のピアノ伴奏はベレゾフスキーが担当、また「ロマンス ヘ長調」は元来、ホルンまたはチェロと管弦楽のために書かれた作品だがここではピアノ伴奏版で演奏されブリジット・エンゲラーがピアノを弾いている。ドゥマルケットの気品ある甘美なチェロに息のあったベレゾフスキーとエンゲラーのピアノが輝る。(仏Mirare - MIR 108)

 

 

 

 


ベーム&ムスリン、シュトゥットガルト放送響 ー ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」

2013-08-01 01:27:18 | 協奏曲

 オールド・ファンには懐かしい旧ユーゴスラヴィア、ザグレブ出身の名女流ピアニスト、ブランカ・ムスリン(Branka Musulin/1920~1975)のベーム指揮シュトゥットガルト放送交響楽団によるベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」の貴重な録音である。演奏は当時オープンしたシュトゥットガルトの「ヴィラ・ベルク(Villa Berg)」スタジオにおける放送ライヴを収録したものである。(1951年4月15日、モノラル録音) 筆者はこのCDをはじめて耳にした時、まずその録音の良さに驚いた。ブランカは特に「フランス印象派」」の作品を得意とするピアニストでこのベートーヴェンの演奏も随所に彼女の繊細な感性がうかがえる。ベームとの録音も現在これが唯一のものと思われる。

 尚、このCDにはベーム十八番のモーツアルト「交響曲第40番ト短調K.550」(1974年9月18日、Liederhalle, ステレオ・ライヴ録音)もリハーサル風景付き(第1楽章・第4楽章)で収録されている。こちらも云うまでもなくキリリと引き締まったベームらしいモーツアルトが聴ける名演である。(写真/hänssler Classic CD 93.014)