私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

女流指揮者「ヴェロニカ・ドゥダロヴァ」へのオマージュ

2010-02-14 12:58:55 | 女流指揮者
 ロシアの女流指揮者ーヴェロニカ・ドゥダロヴァ(Veroniva Dudarova)が昨年(2009年)92歳で亡くなった。おそらく世界の最高齢の女流指揮者だったと思われる。彼女については過去にもカリンニコフの交響曲で紹介ずみだが昨年ロシア「ヴェネチア」レーベルより彼女の名演が3CDセットで再リリースされた。(写真/ヴェネチアーCOVE00011)
 内容は以前紹介した先の「英OLYMPIAレーベル」から出ていたカリンニコフの2曲の交響曲も含まれている。(1992年録音)そのほかにめったに聴くことがないハチャトゥリアンの付随音楽「バレンシアの寡婦」、「仮面舞踏会」(以上1987年録音)「チェロと管弦楽のためのコンチェルト・ラプソディー」(チェロ:マリーナ・タラソヴァ)1994年録音)や27曲も交響曲を書いたミヤスコフスキーの声楽を伴う大作「交響曲第6番変ホ長調」(1992年録音)がセットされたものである。オーケストラはハチャトゥリアンが彼女が1960年から1989年まで音楽監督を務めた「モスクワ国立交響楽団」、カリンニコフとミヤスコフスキーが1991彼女自身が創設した「ロシア(ドゥダロヴァ)交響楽団」による演奏である。
 以前にもふれたと思うがロシアのオーケストラの名称を日本語に直すとほぼ同名になってしまう楽団が多々あり非常に混乱を招きやすい。筆者自身もその実体を把握しきっていないのが実情であるが少なくとこの2つのオーケストラはすでに日本でもお馴染みの「国立ロシア交響楽団」や「モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団」等とは区別されるものである。
 それよれもいずれも彼女のエネルギッシュな指揮ぶりが想像できる熱演である。ミヤスコフスキーの大作もバランスよく仕上がっており特にフィナーレの合唱とオーケストラの融合が美しく聴きほれてしまうほどである。

シモーネ・ヤング/ハンブルク・フィルー「ブルックナー交響曲第8番ライヴ盤」

2010-02-04 01:03:43 | 女流指揮者
 女流指揮者の活躍がめざましいことは以前にもマリン・オルソップ(Marin Alsop)を紹介したことがあるが今日話題にしたいオーストラリア、シドニー出身のシモーネ・ヤング(Simone Young)もその代表格の一人であろう。彼女は現在、北ドイツの歴史あるハンブルク・フィルの音楽総監督を務めており現在ライヴによるブルックナー交響曲の第1稿によるレコーディングを進行中である。写真のCDは新録音、第8番ハ短調のライヴ盤で昨年、日本レコード・アカデミー大賞(交響曲部門)にも輝いた名演で日頃コメントも寄せて頂いている音楽愛好仲間atman氏から先日筆者の還暦祝いに頂戴したものである。
 彼女のブルックナーはこれまでに第2番ハ短調(2006年)、第3番ニ短調(2006年)、第4番変ホ長調(2007年)のリリース次ぐライヴ第4弾でいずれも第1稿による演奏である。筆者は最初の第2番の演奏が発売された時から彼女のブルックナーの演奏には注目していたがこの第8番の演奏を聴きあらためて彼女のファンになってしまった。確か1997年の夏だったと思うが彼女がNHK交響楽団に客演来日した際、生の演奏を東京で聴いたのが最初だった。
 最近は第1稿による演奏も以前に比べればそれほど珍しくはなくなったとは言えこのCDの登場により第1稿による名演盤がまた一つ増えたことになる。ブルックナー・ファンにとっても今後の彼女の活躍が楽しみである。さらに付け加えるならこのシリーズの録音が大変優秀なのが名演奏に花をそえている。(HYBRID STERO-Multi-ch,Dec.14&15,Laeiszhalle Hamburg, Live/エームス・クラシックスBVCC10005~6)

「マリン・オルソップの芸術」 - 4CD セットから

2009-04-27 16:39:29 | 女流指揮者
 近年、マリン・オルソップ、シモーヌ・ヤング、アヌ・タリ、そして日本の西本智実といったクラシック音楽界も女流指揮者の活躍がめざましい。そんな中で今日はアメリカのマリン・オルソップ(Marin Alsop/1956~ )にスポットを当ててみたいと思う。彼女はニューヨーク、マンハッタンの生まれ、ジュリアード音楽院で学び1989年のタングルウッド音楽祭で「クーゼヴィツキー賞」を受賞しレナード・バーンスタイン、小澤征爾に師事した経歴を持つ。1993年から2005年までデンバーに本拠を置くコロラド交響楽団の音楽監督を務めた。この間に英国のロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の首席客演指揮者やボーンマス交響楽団の首席指揮者などヨーロッパでも活躍。2007年からは米国、ボルティモア交響楽団の音楽監督も務めている。
 レコーデイングも積極的でNAXOSレーベルから多数のCDをリリースしている。ロンドン・フィルとのブラームス交響曲全集録音は女性指揮者による世界初の録音(NAXOS)として注目を浴びた。写真は彼女が得意とするバーンスタイン、バーバー、チャイコフスキーの作品を集めた4枚セットのCDBox(NAXOS)で聴き応えのあるものばかりである。中でも2000年9月にライヴ収録されたコロラド交響楽団とのチャイコフスキーの交響曲第4番ヘ短調は私好みの演奏の一つで終楽章のコーダ、畳み掛けるような迫力に圧倒させられる。
 参考までにこのCDBoxの内容は下記のとおり

  ●レナード・バーンスタイン:交響組曲「波止場」(映画音楽)
                チチェスター詩篇から
          ミュージカル「オン・ザ・タウン」ー3つのダンス・エピソード
                         (ボーンマス交響楽団)
  ●チャイコフスキー:幻想的序曲「ロメオとジュリエット」
            交響曲第4番ヘ短調作品36 (ライヴ)
                         (コロラド交響楽団)
  ●バーバー :序曲「悪口学校」
         交響曲第1番ホ短調作品9
         管弦楽のためのエッセイ作品12
         交響曲第2番作品19
  ●      チェロ協奏曲作品22 (Vc)ウェンディ・ワーナー
         バレエ組曲:「メディア」作品23
         「弦楽のためのアダージョ」作品11
            (ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団)