私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

ジュリーニ&ロス・フィルのベートーヴェン/「交響曲第5番」

2013-04-30 11:26:57 | 交響曲

 カルロ・マリア・ジュリーニのロスアンジェルス・フィルハーモニックによるベートーヴェン「交響曲第5番」の録音は意外にも彼のこの作品の初レコード録音でもあった。1981年11月のロスアンジェルス、U.C.L.A.ロイス・ホールにおけるデジタル録音である。(写真ーLP/独グラモフォン2532 049)贅沢に「第5番」1曲がLP両面にゆったりとカッティングされている。因みに彼はベートーヴェンの交響曲を「ロス・フィル」とこのほか「第3番」(1978年)、「第6番」(1979年)の録音を遺している。ジュリーニの演奏スタイルはテンポを遅めにとり堂々とした躍動感が魅力的だった。後に「スカラ・フィル」と再録された「第5番」と比較しても個人的にはこの「ロス・フィル」盤に愛着を持ってしまう。尚、この「ロス・フィル」盤では「第4楽章」の前半提示部の反復も実行している。


アンタル・ドラティ&ロンドン響の「スコットランド」

2013-04-28 14:16:13 | 交響曲

 写真はハンガリーの名指揮者、アンタル・ドラティ(Antal Dorati/1906~1988)の懐かしいLPである。ステレオ最初期(1956年)の「マーキュリー」録音でロンドン交響楽団とのメンデルゾーン/交響曲第3番「スコットランド」に定番の序曲「フィンガルの洞窟」がフィルアップされている。レコードは当時キング・レコードから発売された国内盤(SMR-1012)で「マーキュリー・リヴィング・プレゼンス」とジャケットに記載された後に35mmマグネチック・フィルムによるステレオ・ハイファイ録音が登場する前のもので少々時代を感じさせるが音質も演奏も申し分ない。私がドラティの生の演奏を聴いたのも30年余り昔のことだが1982年3月、「読売日響」の定期に客演し得意のハイドンの交響曲ほかを指揮、プログラムの最後を飾ったバルトーク「舞踊音楽/中国の不思議な役人」は今でも印象に残っている。


ベイヌム&コンセルトヘボウ、「シェエラザード」ライヴ盤

2013-04-26 18:54:47 | 管弦楽曲

  写真のLPは1982年,イタリアの「Movimento Musica」レーベルからリリースされたエドゥアルト・ヴァン・ベイヌム&アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団によるリムスキー=コルサコフ交響組曲「シェエラザード」のライヴ盤である。LPのデータによれば1957年4月30日のコンサート・ライヴである。確かベイヌムの「シェエラザード」はスタジオ録音もなかったと思うのでやはり興味深い1枚だった。モノラル録音だが音質は大変良好で聴きやすい。おそらくオリジナルは放送音源であろう。全体的にベイヌムらしくやや速めのテンポで押し進め鋭角的な鋭い彼の美学が感じ取れる。余談ながら何年か前にこのコンビによる1930年代から50年代にかけてのオランダ放送音源による貴重ライヴ演奏を集めたCD集もリリースされたことを記憶しているがその中にはこの音源は含まれてなかったと思う。(写真ー伊MOVIMENTO MUSICA/01.044)

 


1999年ー「ダニエレ・ガッティ&ロイヤル・フィル来日公演」

2013-04-23 11:05:43 | 想い出の演奏会

   (ガッティ&ロイヤル・フィル・1999来日公演プログラム)

  今日は久しぶりに私も会場に足を運んだ1999年6月の「ダニエレ・ガッティ&ロイヤル・フィル来日公演」のFMエア・チェックテープを聴いてみた。東京での公演はサントリー・ホールで6月27日と28日の2回行われた。 当時の模様は28日の公演がNHK FMで公演から約3ヶ月後の9月17日に放送された。因みにプログラムは27日ーシューベルト/交響曲第7番ロ短調<未完成>、マーラー/交響曲第5番嬰ハ短調、翌28日がチャイコフスキー/幻想序曲「ロメオとジュリエット」、プロコフィエフ/舞踊音楽「ロメオとジュリエット」抜粋、ブラームス/交響曲第2番長調作品73である。ついでながら当初の予定では28日の公演は超個性的なヴァイオリニスト、ナイジェル・ケネディが確かブラームスの「ヴァイオリン協奏曲」を弾くことになっていたがケガのため来日できず上記のプロに変更されたと記憶している。私もケネディのヴァイオリンが生で聴けると期待していたのだが実現できずガックリした思い出も残る。しかし、この演奏を生で聴き期待通りガッティの鬼才ぶりを再認識した次第である。得意とするブラームスでコンサートは最高潮に達っした。「第1楽章」の前半提示部の反復も実行するなど丁寧な指揮ぶりが印象的だった。

 

 

 

 

   

 

  


ティーレマンのシェーンベルク/交響詩「ペレアスとメリザンド」

2013-04-21 12:32:27 | 管弦楽曲

 クリスティアン・ティーレマン、シェーンベルクの初録音は「ベルリン・ドイツ・オペラ」音楽監督時代の「交響詩ペレアスとメリザンド」だった。(写真/独グラモフォン 439 008-2) 1999年6月、ベルリン・イエス・キリスト教会におけるデジタル録音でワーグナー「ジークフリート牧歌」とのカップリングである。 写真のドイツ・グラモフォン初出CDにはまだ「4D AUDIO RECORDING」・「DIGITAL」の記載はない。発売当時の話題性は今ひとつと記憶しているが今改めてじっくり聴いてみると彼の底力を充分に窺いことができる。演奏時間45分を超える単一楽章形式で書かれたこの作品、時折だらけてしまうことがあるがティーレマンのこの演奏、時間も忘れ一気に聴きこんでしまった。「ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団」のアンサンブルも素晴らしい。

 


ワイセンベルクのブラームス「ピアノ協奏曲第1番」

2013-04-18 20:23:17 | 協奏曲

  アレクシス・ワイセンベルグ(1929~2012)が遺した唯一のブラームスのピアノ協奏曲の録音である。指揮はカルロ・マリア・ジュリーニ、管弦楽はロンドン交響楽団、1972年11月ロンドン、アビー・ロード・スタジオにおけるセッションでワイセンベルクはじっくりと味わい深いブラームスを聴かせている。写真のCDは「仏EMII盤」だが昨年、国内盤も超廉価盤で久しぶりに再発売されたことが記憶に新しい。ただ「第2番」をなぜか録音しなかったことが今となっては悔やまれる。尚、ジュリーニは1960年初頭にクラウディオ・アラウと「第1番」・「第2番」をフィルハーモニア管弦楽団と同EMIに録音している。こちらもアナログ時代の不滅の名盤として輝いている。

 


ジュリーニ&フィルハーモニア管弦楽団 - 「ロッシーニ/序曲集」

2013-04-15 18:09:29 | 管弦楽曲

  ロッシニーのオペラ序曲集についてはカラヤン、アバドなどの名盤を取り上げてきたがこのジュリーニ盤も忘れることができない。1956年から1964年にかけてのロンドン、キングスウェイ・ホールでのステレオ・セッション録音だが一昨年リリースされた「EMI MASTERS」盤は一段と音質もアップ、ジュリーニの格調高い響きが聴ける。CDには「絹のはしご」、「ブルスキーノ氏」、「タンクレディ」、「アルジェのイタリア女」、「セヴィリャの理髪師」、「シンデレラ」、「泥棒かささぎ」、「セミラーミデ」、「ウィリアム・テル」の以上9つの序曲が収められている。普段オペラの全曲を耳にする機会はないが序曲はどれも親しみを感じるものばかり

 


FMエア・チェック - 「イーリー大聖堂」におけるバーンスタインのマーラー「復活」

2013-04-14 12:03:48 | FMエア・チェック

  久しぶりに過去のFMエア・チェック、オープン・テープからバーンスタイン&ロンドン交響楽団ほかによるマーラー「交響曲第2番ハ短調<復活>」、イーリー大聖堂(英国)におけるライヴを再生してみた。筆者のデータによれば「1974年コンサート・ライヴ」としか無く放送期日が1989年8月13日NHK・FMの記載がある。バーンスタインは同時期に同メンバーで、この聖堂で別に映像、並びにレコード録音もしていた。(1973年~1974年)因みにFMで放送されたライヴ演奏では演奏終了後の拍手はカットされているがバーンスタインが登場する際の拍手は収録されている。彼の「第2番」は先の映像、レコード収録も含め3種の演奏が公式に市販されているがこのライヴ演奏も大変すばらしい。バーンスタイン56歳のまさに絶頂期のもので1970年来日時の「第9番」を彷彿させる。独唱はソプラノ、シーラ・アームストロング、メゾ・ソラノ、ジャネット・ベーカー、合唱、「エジンバラ音楽祭合唱団」。余談ながら演奏会場の「イーリー大聖堂」はケンブリッジ近郊に位置する900年余りの歴史を持つ美しい聖堂で塔は八角形である。

 


パッパーノのラフマニノフ「交響曲第2番」

2013-04-10 19:47:08 | 交響曲

 アントニオ・パッパーノ&ローマ聖チェリーリア音楽院管弦楽団による粋でスタイリッシュなラフマニノフ「交響曲第2番」である。録音データによれば2009年11月、12月のコンサート・ライヴでCDの冒頭にはアナトーリ・リャードフの管弦楽曲「魔法にかけられた湖」が収録されている。パッパーノの同オーケストラとの”ロシアもの”ではこれもコンサート・ライヴだったと思うがチャイコフスキーの交響曲第4番~第6番(2006年)に次ぐアルバムである。前回のチャイコフスキー以上にこのラフマニノフは凄くインパクトが強かった。演奏終了後の聴衆の盛大な拍手もそれを物語る。彼は2005年よりこのオーケストラの音楽監督を務めており今後もさらなる活躍に期待したい。(写真/EMI Classics)

 


富田 勲 - 「宇宙幻想」

2013-04-06 11:18:25 | その他

  最近では宮沢賢治の世界を巨大シンフォニーに表現した「イーハトーヴ交響曲」で話題を集める富田だが今回紹介する写真のLPは「宇宙幻想(COSMOS)」と題する彼の第5作目にあたるアルバムである。(1977年12月リリース)前作のホルスト「惑星」が大変な評判となりいささかその陰に隠れた1枚だったがオネゲル「パシフィック231」やアイヴス「答えのない問い」などシンセサイザーによる彼独特のイメージで築き上げられる音の表現が大変興味深かった。確か当時「CD-4」による「ディスクリート方式」の4チャンネル盤も発売されたと記憶している。(写真/2チャンネル盤、RVCー2170)