私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

「ウィーン・フィルハーモニー室内アンサンブル」によるベトーヴェン「七重奏曲変ホ長調」作品20

2015-03-24 11:04:41 | 室内楽曲

  ベートーヴェン唯一の「七重奏曲」である。作曲年代は1796年から1800年ごろと推定されておりヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス、クラリネット、ホルン、ファゴットのために書かれたものである。写真のLPはかつてウィーン・フィルの名コンサート・マスターとして活躍したゲルハルト・ヘッツェルのほか主席奏者を務めたメンバーにより1975年にレコーディングされた名盤である。なかでも「バリリ弦楽四重奏団」のヴィオラ奏者ルドルフ・シュトレンクやLP余白に収録された小品「弦楽五重奏のためのフーガ作品137」には第2ヴァイオリンにウィルヘルム・ヒューブナーも加わっているのも魅力である。彼らの情緒的で甘美な演奏にうっとりさせれてしまう1枚だ。(写真ー国内盤DG, MG1060)

 

 


「ベルリン・フィルハーモニー・ゾリステン」のモーツアルト「クラリネット五重奏曲」ほか (1965年録音)

2014-06-09 11:49:52 | 室内楽曲

 懐かしいLPレコードからまた1枚。 当時の「ベルリン・フィル」のトップ奏者で結成された「ベルリン・フィルハーモニー・ゾリステン」のモーツアルト「クラリネット五重奏曲イ長調K.581」と「オーボエ四重奏曲ヘ長調K.370」を収めたアルバムである。(写真/DG国内盤ーMG1391)因みにこの国内盤LPの初出は1967年だった。クラリネットとオーボエの各ソロはカール・ライスターとローター・コッホがつとめている。またそのほかこのレコードでは第一ヴァイオリン=トマス・ブランディス、第ニヴァイオリン=ハンス-ヨハヒム・ヴェストファル、ヴィオラ=ジークベルト・ユーベルシェール、チェロ=ヴォルフガング・ベットヒャーといったメンバーが参加している。いうまでもなくトップ奏者による緻密で見事なアンサンブルが美しい。またライスター、コッホ共にその後に同作品を再録音しているがこの1965年盤も忘れられない。

  


ダニエル・ゲーデ、ブラームス「ヴァイオリン・ソナタ全曲」

2013-12-18 03:10:47 | 室内楽曲

  久しぶりにさわやかなブラームスの「ヴァイオリン・ソナタ」の演奏を聴いた。写真は独レーベル「TACET」からリリースされているダニエル・ゲーデの「ブラームス、ヴァイオリン・ソナタ全曲アルバム」である。彼は1994年に弱冠28歳で「ウィーン・フィル」のコンサート・マスターに就任し2000年まで務めその実力は日本でもよく知られているがこのCDで改めて感服した次第である。録音に定評があるレーベルだけあり音質も素晴らしい。ピアノ伴奏は夫人のセッシュ・リューが担当、二人の息のあったアンサンブルも見事だ。彼は今年の4月より「読売日響」のコンサート・マスターに就任、日本での今後の活躍にも期待したい。(写真ー独TACET 193)

 

 

 

 

 


マッツ・ロンディン&ハンス・パルソン ー ベートーヴェン/チェロ・ソナタ全集

2013-02-06 18:48:01 | 室内楽曲

  かれこれ7,8年前にスウェーデンのマイナー・レーベル「ISIDOR RECORDS」からリリースされたベートーヴェンの「チェロ・ソナタ全集(全5曲)」(写真/2CDーISCD-2)を紹介したい。演奏はマッツ・ロンディン(Mats Rondin)-チェロ、ピアノ伴奏がハンス・パルソン(Hans Palsson)という日本では馴染みがないスウェーデンの演奏家によるものである。因みにチェロのロンディンが1960年生まれ、 ピアノのパルソンが1949年、ヘルシングボルイ(Helsingborg)生まれで共に北欧を中心にヨーロッパで活躍中のソリストである。録音も優秀で2002年3月11日~14日かけてスウェーデンの「Isidors Kulle」におけるスタジオ録音である。

  筆者の当初の期待をはるかに超えた抒情性に富みスケール感ある演奏にはまってしまった。チェロのロンディンは指揮者としても活躍、室内オーケストラや「スウェーデン放送響」、「ロイヤル・ストックホルム・フィル」等々の北欧のメジャー・オーケストラに客演している。またピアニストのパルソンもヨーロッパの数々のメジャー・オーケストラにソリストとして客演、古くはシクステン・エールリンク、エフゲニー・スヴェトラーノフ、パーヴォ・ベルグルンドらと共演、レパートリーもバッハから現代音楽までと広い。

 


「東京クヮルテット」の「バルトーク弦楽四重奏曲全集」(DG盤)

2012-09-17 21:53:33 | 室内楽曲

 バルトークの弦楽四重奏曲に最初に耳を傾けた時の印象は何んととっつきにくい音楽と抵抗を感じたが改めて聴きこんでいくうちに逆に不思議と魅力を持つようになった。そして最初に求めた全集盤(LP)が写真の「東京クヮルテット」の演奏だった。(国内盤ドイツ・グラモフォンLP/78MG 0110/2、1981年リリース)

 「東京クヮルテット(Tokyo String Quartet)」は斎藤秀雄門下の桐朋学園大学出身メンバーにより1969年に創設された。創設メンバーは第1ヴァイオリン=原田幸一郎、第2ヴァイオリン=名倉淑子、ヴィオラ=磯村和英、チェロ=原田禎夫の4人であったがこの全集盤は1975年から80年に録音されたもので第2ヴァイオリンが名倉淑子から池田菊衛に入れ替わっている。

 バルトークの弦楽四重奏曲、全6曲は1909年から1939年の30年に渡り書いた傑作でとりわけ「第6番」は彼が祖国ハンガリーからアメリカへ亡命する前にヨーロッパで書いた最後の作品でもあった。この全集盤は日本人による若さあふれる当時の「東京クヮルテット」の名盤で発売された1981年はバルトークの生誕100年に当たっていた。 その後、第1ヴァイオリンがピーター・ウンジャンに代わり「RCA」に1993年ー94年にも2度目の全集録音を果たしている。 伝えるところによれば来年6月(2013年)に44年に渡った演奏活動に終止符を打つとのことだ。

 

 

 

 


「アマデウス弦楽四重奏団」の名盤から

2012-07-11 19:48:20 | 室内楽曲

 昨日に続いて「ドイツ・グラモフォン」の60年代の名盤から「アマデウス弦楽四重奏団」のモーツアルトを取り上げてみたい。 「アマデウス弦楽四重奏団」についてはことさら紹介するまでもなく1947年の結成から1987年の解散に至るまで実に40年間に渡り不動のメンバーによって活動し続け世界に多くのファンを持つ「四重奏団」であった。 とりわけその名称のとおりベートーヴェンに並びモーツアルトを得意としてDGに各弦楽四重奏曲全集録音を完成している。

 写真のLP盤は1965,6年の録音と思われるがモーツアルトの弦楽四重奏曲のなかでも最も代表的作品、通称「ハイド・セット」から「第15番ニ短調K.421」・「第19番ハ長調K.465<不協和音>」をカップリングしたものである。(DG国内盤ーMG1396)演奏は然ることながらあわせてジャケット・デザインも大変魅力的な1枚であった。

 

 

 

 


「ジュリアード弦楽四重奏団」のステレオ初期録音名盤から

2012-03-12 19:35:24 | 室内楽曲

 写真のLPは1971年に「ジュリアード弦楽四重奏団名演集」(全5巻」として「RCA」の懐かしい「RED Seal」で発売されたうちの1枚である。(国内盤ーSRA2756)レコードにはこの四重奏団が得意とする分野でもる「新ウィーン楽派」のアルバン・ベルクとアントン・ウェーベルンの作品が3つ収められている。録音はいずれも1959年で「ジュリアード四重奏団」の初期ステレオ名盤として誉れが高い。
 レコード第1面にベルク「弦楽四重奏のための<抒情組曲>」、第2面にウェーベルン「弦楽四重奏のための5つの楽章」作品5と「弦楽四重奏のための6つのバガテル」作品9が収録されている。今日久しぶりに針をおろしたが彼らの完璧なアンサンブルと見事な表現力に圧倒された。この「四重奏団」の結成は確か戦後間もない1946年だったと思うがこの録音は第一ヴァイオリンのロバート・マンとヴィオラのラファエル・ヒリヤーの二人が結成当時からのメンバーで第二ヴァイオリンは1958年より参加のイシドーア・コーエン、チェロには1955年より参加のラウス・アダムによって行われている。尚、現在ではこの名演もCD化されており気軽に楽しむことができる。
 

ボッケリーニの「ギター五重奏曲」

2012-03-02 15:34:07 | 室内楽曲

 私がボッケリーニの「ギター五重奏曲」に興味を持ったきっかけは「ハイティンク&アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団1977年来日公演のアンコールでルチアーノ・ベリオによる管弦楽編曲版の「マドリードの帰営」を聴いたことに始まる。早速私はこの作品の基となる「ギター五重奏曲第9番ハ長調」が収録されたレコード(写真)を買い求めた。因みに「マドリードの帰営」はこの「五重奏曲」の「第4楽章(終楽章)」が原曲である。
 イタリアを代表する古典派作曲家ルイジ・ボッケリーニ(Luigi Boccherini/1743~1805)はほぼ古典派の大作曲家ハイドンと同時代に活躍した人である。彼は主に器楽・室内楽曲作品に名曲を数多く遺している。今日紹介する「ギター五重奏曲」は全部で12曲、1798年~99年に作曲されたとされているが現在楽譜が市販されているものは写真のレコードに収められている「第4番ニ長調」「第7番ホ短調」とこの「第9番ハ長調」の3曲のみでその他のものは「手稿譜(自筆ではない)」のみが保存されているか「手稿譜」すら失われ紛失してしまっていると云われている。
 写真のLPはドイツの名四重奏団「メロス弦楽四重奏団」にスペインの世界的ギタリスト、ナルシソ・イエペスが加わってレコーディングされた「ドイツ・グラモフォン」の名盤である。(国内盤MG2307/1970年3月録音)また「第4番」の終楽章「ファンダンゴ」は当時のマドリードの花形女流舞踊家ルセロ・テナのカスタネットも聴きものだ。

「恨・夢・憧れ」 - チョン・ミュンファ&ミュンフン 名曲アルバム

2012-01-26 15:54:30 | 室内楽曲

 写真はチョン・ミュンファ(チェロ)&ミュンフン(ピアノ)姉弟デュオによる名曲アルバムである。このCDアルバムには「恨・夢・憧れ」というタイトルがつけられ2010年に「韓国SONY MUSIC」からリリースされた。録音は1992年から2009年にかけて行われたものを集め編集されている。内容はフォーレ「夢のあとで」、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」など慣れ親しんだ小品から韓国の作曲家Young Jo Leeの作品 - 「親愛なるお母さん、お姉さん」・「<Sungboolsa>の主題による変奏曲」・「<Jang-gu>(韓国民俗打楽器=鼓)とチェロのためのドドリ」と彼自身の編曲に韓国民謡「ハン五百年」など全14曲が収録されている。ミュンファのチェロとピアノの名手でもあるミュンフンとの美しいアンサンブルが魅力的なアルバムである。
(SONY MUSIC KOREA/S70426C)

 

ボロディン四重奏団 & リヒテルのシューマン/ピアノ五重奏曲

2012-01-13 16:59:45 | 室内楽曲

 スヴャトスラフ・リヒテルが亡くなり今年は早や15年を迎える。彼は1970年に初来日するまで「幻のピアニスト」などと云われた人だがその後度々来日を果たし名演を披露した。彼はお国の「ロシアもの」はもちろんのことベートーヴェンやシューベルト、シューマンなどドイツ・ロマン派の作品も大変得意なレパートリーとしていた。写真のCD、「ボロディン四重奏団」と共演したシューマンの室内楽作品の傑作「ピアノ五重奏曲変ホ長調作品44」は1994年6月フランスのナントに於けるコンサート・ライヴ録音で話題となった名盤である。(原盤:独テルデック)
 録音年月からして彼の最晩年のライヴ録音と推定される1枚であった。彼はこの「ボロディン四重奏団」とは古くから共演しておりロシア・メロディア盤には同曲の1985年12月のモスクワ、「プーシキン美術館」におけるライヴ録音もある。また写真のCDには「ボロディン四重奏団」のシューベルト「弦楽四重奏曲第14番ニ短調<死と乙女」(1995年10月・ベルリン、テルデック・スタジオ録音)が合わせて収められておりこちらも聴きものである。昨年「ワーナー・クラシックス・ネクスト・ベスト100」シリーズの廉価盤として再発売された。