私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

メータ/イスラエル・フィル、1991年来日公演からマーラー交響曲第6番

2009-10-31 03:38:05 | 想い出の演奏会
 私が会場に足を運び実演で聴いた想い出に残るマーラー交響曲第6番イ短調「悲劇的」の演奏会は過去に2回ある。その一つは以前にも紹介したヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリン・フィル1979年来日演奏会('79 10/17,東京・杉並、普門館)と今日紹介するズービン・メータ/イスラエル・フィル1991年来日演奏会('91 11/23,池袋、東京芸術劇場)である。言うまでもなくメータはマーラー交響曲を大変得意としている指揮者の一人でこのコンビでレコーディングもしており(1995年)名演を聴かせてくれているがこの1991年の実演も大変感動を受け筆者にとってはいまだに忘れることのできない心に残る演奏であった。
 当日のプログラムは大曲だけにこの作品1曲のみで(もちろんアンコールもな無し)メータも全力投球、エネルギッシュな第6番を披露していた。特に3楽章「アンダンテ・モデラート」のイスラエル・フィルが奏でる情緒的な美しくメランコリックな旋律はこの上なくすばらしかった。そして長大な終楽章の展開部、カウベルの響きから次第に高揚していきこの作品の最大のクライマックスを迎える第1のハンマーが打ち鳴らされるところは私自身も興奮し我を忘れマーラー交響曲の世界に陶酔しきっていた。コンサート終了後も興奮さめやらず家路に着いた記憶がある。
 さてこの第6交響曲には演奏上よく話題の登る話が2つある。その第一が中間楽章ーつまり第2楽章、第3楽章の演奏順序の問題である。現在一般的には1963年「国際マーラー協会」準拠による第2楽章「スケルツオ」、第3楽章「アンダンテ・モデラート」の順で演奏する指揮者が多いが(カラヤンもこの時のメータ演奏もこの順序で演奏)、最近では2003年に「国際マーラー協会」が従来とは逆に第2楽章「アンダンテ」、第3楽章「スケルツオ」の順に演奏するやり方が作曲者マーラーの「最終結論」と公表した関係もあり順序を入れ替えて演奏するケースもある。(メータ/イスラエル・フィルのこの後の来日公演(2003年12月)では実際に入れ替えて演奏していたと思う。)第二は終楽章で打ち鳴らされる「ハンマー」の回数である。なんでもマーラーの当初の自筆稿では「ハンマー」の使用はなかったようだがその後の加筆で「5回」打つようになっていたと言われている。しかし第1稿の出版時にその回数が「3回」になりさらに第2稿で「2回」に減らされた。これも現在の演奏では第2稿の「2回」が一般的になっている。筆者の個人的にも「2回」の打撃のほうが全体的にもスッキリし演奏にも緊張感が高まるような気がする。
 いずれにせよこの作品はマーラーの声楽を伴わない交響曲作品の中では最後の第9番と並ぶ傑作には間違いない。(写真は1991年時の来日公演プログラム)



カラヤン/ベルリン・フィルによる初のオペラ全曲録音ープッチーニ「ラ・ボエーム」

2009-10-30 02:13:11 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 数あるプッチーニのオペラ「ラ・ボエーム」全曲録音レコードの中で敢えて1枚を挙げるとするなら私は写真のカラヤン・ベルリン・フィル盤を選びたい。(原盤英デッカ/日ロンドンL46C1219-20/1972年録音)ミレッラ・フレーニのミミ、ルチアーノ・パヴァロッティのロドルフォをはじめとする選び抜かれた当時の最高キャスト、しかもこの二人の絶頂期にレコーディングされた当盤はまさに理想を超えた「ボエーム」と言っても過言ではないだろう。また脇を固めたパネライのマルチェッロ、ギャウロフのコルリーネの熱唱も申し分ない。ここではオペラ指揮者としてのカラヤンの巧さが叙情性豊かなプッチーニの世界に誘い込む。
 カラヤン、ベルリン・フィルの息の合った見事なアンサンブルも魅力的である。フランス・ディスク大賞並びにイタリア・トスカニーニ大賞を受賞した名盤で今後も「不滅の名盤」として輝き続けることだろう。

クリュイタンスのショスタコーヴィチ交響曲第11番「1905年」

2009-10-29 00:53:06 | 交響曲
 ショスタコーヴィチ交響曲第11番ト短調作品103「1905年」は副題の年号「1905年」の革命をテーマにした作品で前回紹介した「第12番」より「描写性」が強く表に出た交響作品である。作品の完成は1957年8月で初演は同年10月30日にナタン・ラフリンの指揮、ソビエト国立交響楽団でモスクワ音楽院大ホールで行われた。またレニングラードでの初演はその4日後の11月3日エフゲニー・ムラヴィンスキー、レニングラード・フィルの演奏で行われている。
 今日紹介するアンドレ・クリュイタンス指揮フランス国立放送局管弦楽団の録音は翌1958年5月19日、パリのサル・ワグラム(Salle Wagram)で作曲者ショスタコーヴィチも立会いの中でされた歴史的名盤でもある。当時のフランスではまだモノラル録音が主流であったがこれはステレオ録音で行われた。参考までに国内での初出は1959年に「日本コロムビア」からモノラルLP盤でリリースされ初の同曲のレコードだった。写真のCDは1996年に英国「TESTAMENT」シリーズ(SBT1099/ステレオ)で久しぶりに再リリースされたものである。クリュイタンスのやや早めのテンポで進められる鋭角的な演奏はその緊張感がグサリと聴き手のハートに迫ってくる。作品は4楽章構成だがアッタカでつながれ休みなく演奏される。各楽章にはそれぞれ第1楽章「宮殿広場」、第2楽章「1月9日(血の日曜日)、第3楽章「永遠の追憶」、第4楽章「警鐘」のタイトルが付され劇的な交響詩をイメージさせる大作である。
 

サー・コリン・デーヴィス/バイエルン放送交響楽団来日公演 -1984年5月21日、東京文化会館

2009-10-28 05:36:27 | 想い出の演奏会
 サー・コリン・デーヴィス(Sir Colin Davis/1927~ )は今年82歳を迎えたイギリス指揮者界の巨匠である。彼はオペラ並びにコンサート指揮者の両方の才能を兼ね備えた指揮者でもあり特にモーツアルトのオペラは評価が高く1958年には英国サドラーズ・ウェールズ・オペラ(現在、英国ナショナル・オペラ)でモーツアルト「後宮からの逃走」でオペラ指揮者として本格デビューを果たしている。
 その後1971年には「ロイヤル・オペラ」の音楽監督に就任、88年までその地位を務めた。一方コンサート指揮者としての才能も高く「BBC交響楽団」、「ロンドン交響楽団」、「ボストン交響楽団」等々の首席(客演)指揮者を始めとして数々の著名オーケストラに客演しその名声は高い。その彼が1984年バイエルン放送交響楽団の音楽監督時代の来日公演を振り返ってみたい。
 筆者が会場へ足を運んだのは5月21日、東京文化会館での公演である。プログラムは前半がモーツアルト交響曲第41番ハ長調K.551「ジュピター」、後半がブルックナー交響曲第7番ホ長調と聴き応えのあるものであった。モーツアルトは彼が得意とする分野でこの日も名演を聴かせてくれた。私が期待したのはもちろんメインのブルックナーであった。当時はまだ彼のブルックナーのレコード、CDはリリースされてなかったのでそれだけにどんな演奏を聴かせてくれるか期待がふくらんだ。結果は私の期待を裏切ることなくすばらしかった。第1楽章からやや遅めのテンポで展開し第2楽章「アダージョ」はバイエルン放送響の弦と金管群の響きが美しくその響きはコンサート終了後もしばらく私の脳裏を離れなかった。幸いにして後日この模様はNHKFMでもオン・エアされオープン・テープでエア・チェックし現在でも大切に保存している。彼はその後、第7番を同楽団で1987年5月1日のコンサート・ライヴ(ミュンヘン)を独オルフェオ・レーベルでリリースしている。これが彼の初のブルックナー交響曲の録音と思うがこの演奏では第2楽章「アダージョ」と第3楽章「スケルツオ」の順序を入れ替えて演奏している。これには私も驚嘆した。作曲者ブルックナー自身、そのような指示はどこにもしていないと思われるので実にディヴィス独断の解釈と推測される。CDなので順序を入れ替えて聴けば通常の演奏に戻るわけだがこのようなスタイルで録音したレコード、CDは他には見当たらない。(写真は1984年来日公演プログラム)
 

カラヤン/「オペラ間奏曲集」(DG盤・1967年録音)

2009-10-27 03:06:12 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 カラヤンの「オペラ間奏曲集」と題するレコードは古くは1954年録音のフィルハーモニア管弦楽団(原盤・英コロンビア/モノラル)を始めベルリン・フィルとの1980年ー81年録音(これは間奏曲のほか序曲も含まれる/EMI)まで4種類の録音が存在する。このうち筆者が一番好きな演奏は写真の1967年録音(DG)のベルリン・フィル盤である。(写真は昨年カラヤン生誕100年を記念して再リリースされたCD盤/UCCG4277)
 以前にヴェルディの「オペラ序曲・前奏曲集」でも紹介したようにカラヤンのこれらのジャンルの演奏は「天下一品」言っても過言ではないだろう。特にこの通算3度目の録音となるベルリン・フィル盤はヴェルディの「椿姫」第3幕間奏曲を始めとする全12曲は選曲もよく演奏もさらに磨きのかかったものになっている。「オペラ指揮者」とてのカラヤンの巧さがここでは充分に堪能できる1枚に仕上がっている。LP発売当時のエピソードであるが当初「シャンデリア写真」のデザインによるジャケットだったが後にカラヤンが指揮する写真に差し替えたところさらに良く売れたと言われている。余談ながらこの画像(ラウター・ヴァッサ撮影)は、ベルリン・フィルとの1962年録音のベートーヴェン交響曲第9番の1枚ものLP(日本盤/SMG2051)にも使用されている。

ガーディナーのメンデルスゾーン交響曲第4番「イタリア」

2009-10-26 01:46:50 | 交響曲
 今年、2009年はドイツ・ロマン派を代表する作曲家メンデルスゾーン(1809~1847)の生誕200年の年にあたりコンサートでも彼の作品が演奏される機会が多い。最近では先月9月のNHK交響楽団の定期公演でもクリストファー・ホグウッドがオール・メンデルスゾーン・プログラムを組み序曲「フィンガルの洞窟」作品26の珍しい「ローマ稿」や有名なヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64の初稿版(ヴァイオリン/ダニエル・ホープ)等を披露した。
 今日紹介するCDはジョン・エリオット・ガーディナーの初のメンデルスゾーン交響曲録音でもあったウィーン・フィルとの第4番イ長調作品90「イタリア」を紹介したい。写真のCDは1998年にドイツ・グラモンフォンからリリースされたものでこの「第4番」の1834年改訂稿第2楽章~第4楽章が付加収録された(世界初録音)興味深いものであった。(DG/459 156-2)
 メンデルスゾーンは1833年にこの第4交響曲を完成し通常この完成版が演奏されている。しかし彼がその後1834年に第2楽章から第4楽章を改訂した楽譜が遺されていた。メンデルスゾーンは当然第1楽章の改訂も必要と考えていたようだが完成には至らなかった。改訂稿は随所に旋律やオーケストレーションの相違が見られ興味深いが筆者個人的には完成度は現行版のほうが優れている思う。
 尚このCDには第5番ニ短調作品107「宗教改革」の1996年6月ウィーン楽友協会第ホールでのライヴも収録され名演を聴かせている。最後に補足ながらメンデルスゾーンの交響曲の番号は楽譜の出版年代順に付けられており作曲年代とは異なる。参考までに作曲(完成)年代順に並べ変えると第1番(1824年)、第5番「宗教改革」(1830年)、第4番「イタリア」(1833年)、第2番「讃歌」(1840年)、そして最後に最も有名な第3番「スコットランド」(1842年)となる。

カラヤン、チャイコフスキー前期交響曲(第1番~第3番)の録音について

2009-10-25 06:33:56 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 カラヤンのチャイコフスキー前期交響曲、つまり第1番ト短調作品13「冬の日の幻想」(1866第1稿・第2稿/1874第3稿)、第2番ハ短調作品17「ウクライナ」(1872/80改訂)、第3番ニ長調作品29「ポーランド」(1875)以上の3曲はベルリン・フィルとの全集制作(1976年~79年)のためのレコーディングであった。実際のコンサートでは一度もプログラムに取り上げられたことがなかった作品である。しかしこれらの録音を今改めて聴くとカラヤンの音楽造りの偉大さをひしひしと感じさせる演奏である。チャイコフスキーを始めロシアの作曲家は金管群を壮麗に響かせることにも特徴があるがカラヤンの第1番を聴くとそれが如実にわかる。筆者にとってはコンサートでも取り上げてもらいたかった作品のひとつであった。続く第2番は「ウクライナ地方」の民謡を多く素材に取り上げられてところから「ウクライナ」の副題で知られているがチャイコフスキー自身が付けたものではない。因みに彼自身が付けた副題は第1番の「冬の日の幻想」のみである。カラヤンはこれらのメラコリックで美しい旋律を見事に聴かせている。ベルリン・フィルの管楽器群のアンサンブルもさすがである。前期交響曲の最後に当たる第3番はおそらくコンサートで取り上げられる回数が最も少ない作品ではないだろうか。チャイコフスキーの交響曲で唯一5楽章から成りその最終楽章が「ポロネーズのテンポで(Tennpo di polacca)」と記されているところからイギリスで演奏された際に「ポーランド」と名づけられたと伝えられている。演奏時間も約50分近くを要する大曲であるが前2作と比較するとチャイコフスキーにしてはちょっと地味な作品である。そのあたりはさすがカラヤンらしく聴き手を退屈させないようにベルリン・フィルの高度な演奏テクニックでうまくカバーしているところが素晴らしい。
 写真のレコードは1985年に第1番から第3番を2LPセットにして再プレスしたドイツ・グラモフォン盤(DG/415 024-1)で国内盤では単発で2LPでは発売されなかったと記憶している。

カラヤンとドヴォルジャークの交響曲

2009-10-24 03:06:42 | ヘルベルト・フォン・カラヤン
 ヘルベルト・フォン・カラヤンはドヴォルジャークの交響曲を第8番ト長調作品88と第9番ホ短調「新世界から」作品95の2作品しか録音しなかった。因みに映像収録を除くと「第8番」をベルリン・フィルで1979年来日公演ライヴ盤(NHKクラシカル)を含め2回、ウィーン・フィルと1974年「アンダンテ」レーベルのライヴ盤を含め1961年(DECCA)と1985年(DG)の3回、計5回、一方「第9番」もベルリン・フィルで4回(1940年録音のモノラル盤を含む)、1985年録音のウィーン・フィルで1回(DG)計5回の録音が存在する。特に「第8番」はお気に入りだったようでコンサートでも頻繁に演奏していた。ベルリン・フィルとの来日公演でも1966年、70年、73年、79年とプログラムに取り上げている。
 中でも英デッカ1961年録音(1963年にも補足録音が行われている)の「第8番」は筆者が一番好んで聴くレコードである。(日ロンドンGT9131)このレコードはウィーン・フィルの艶やかな音色が美しくカラヤンの都会的センスがマッチした演奏が聴ける1枚である。写真の同LP(GT9131)は1977年の5回目のベルリン・フィルとの来日公演に合わせて廉価盤としてキング・レコードから再プレスされた限定盤(1973年の来日の際にも1000円盤として話題を呼んだ)で価格も1300円に改訂された来日記念盤でもある。
 

ショルティ/カーネギー・ホール・ライヴ盤から「ショスタコーヴィチ:交響曲第9番」

2009-10-23 00:41:29 | 交響曲
 サー・ゲオルグ・ショルティのショスタコーヴィチ/交響曲第9番変ホ長調作品70の録音は2つのライヴ盤がある。それは1990年、ムジークフェラインザールにおけるウィーン・フィル盤と1994年の「ショルティ・オーケストラ・プロジェクト」によるニューヨーク、カーネギー・ホールにおけるライヴである。どちらも歴史に残る名盤として輝かしいものがあるが今日は敢えて後者の「カーネギー・ホール」ライヴ盤に注目したい。(写真/日ロンドンーPOCLー1558/英デッカ原盤)
 このCDは1994年6月13日と21日に開催された「ショルティ・オーケストラ・プロジェクト・コンサート」からのライヴ録音である。「ショルティ・オーケストラ・プロジェクト」とはアメリカの音楽学校の学生たちを中心にオーディションによって選ばれた約90名からなる臨時編成のオーケストラである。さらに各セクションのトップにはニューヨーク・フィル、シカゴ響、ボストン響等々全米のメジャー・オーケストラからそれぞれのトップ奏者が客演するという構成であった。このCDを聴く限りこの企画コンサートは大成功をおさめたようだ。現在若い音楽家を育成するためのプロジェクトはバーンスタインの提唱で始まった「PMFオーケストラ」始めとしてさかんに行われており有能な若手演奏家の活躍に期待が寄せられている。
 さて話を本題に戻しショスタコーヴィチの「交響曲第9番」は1945年戦争が終結し「勝利の交響曲」として当時のソビエト政府(スターリン政権)は「大交響曲」になることを期待していた。ところが完成した作品は全5楽章構成から成るも室内管弦楽曲的で演奏時間も30分足らずと短いものだった。しかも内容も軽妙洒脱で「政府当局」も一杯食わされた感があったようだ。そのことが当時の「ソビエト共産党」の批判を浴びたことは言うまでもない。しかし今日ではその軽妙さが受け結構人気のある作品になっている。
 
 
 

ショルティのショスタコーヴィチ:交響曲第8番ハ短調(1989年ライヴ盤)

2009-10-22 00:00:03 | 交響曲
 ショスタコーヴィチ「第8番」の交響曲も昨日の「第7番」に続き所謂「戦争交響曲」のジャンルに属する作品である。作品は「第7番」の約2年後の1943年に完成、依然「独ソ戦争」の最中にあった。作品構造も前作の第7番に劣らず雄大で全5楽章から成り第1楽章「アダージョ」の演奏時間が全曲の約半分弱を要する。作品は第5交響曲を始め数多くの初演を手がけたエフゲニー・ムラヴィンスキーに献呈されている。
 今日紹介したい演奏は写真のCD、ゲオルグ・ショルティ(1912~1997)とシカゴ交響楽団のコンサート・ライヴ盤(写真/英デッカ425 675-2)である。この演奏は1989年2月4日、5日、6日の3日間シカゴ響の本拠地シカゴ・オーケストラ・ホールで行われたコンサートライヴ編集で演奏終了後の聴衆の拍手はカットしてある。またショルティ、初のショスターコーヴィチ交響曲の録音でもあった。 さすがショルティらしく堂々としたおごそかな演奏で迫力も充分である。さらに録音(デジタル)英デッカならではのシカゴ響の弦の柔らかい響きも心地よい。筆者の一番の愛聴盤でもある。この他の同曲ライヴ盤ではキリル・コンドラシン/モスクワ・フィルの1967年来日公演(4月20日/東京文化会館)録音ーNHK音源ステレオ録音/Altus-ALT067)も忘れがたい。