写真は今や伝説の名指揮者、ハンガリー、ブダペスト出身のフェレンツ・フリッチャイ(Ferenc Fricsay/1914~1963)が南ドイツ放送交響楽団(現在、シュトゥットガルト放送交響楽団)とスメタナ/交響詩「モルダウ」のリハーサル風景と本番を収録したLPである。(独グラモフォン/LPEM 19 471 1960年リリース) これは1960年収録のモノラル録音だが当時の映像も幸い残されている。
このリハーサル風景を聴くとフリッチャイが各楽器のパートを入念に持ち味の美声で歌いなが的確に指示していく様子がうかがえる。久しぶりに針をおろし48歳の若さで亡くなった鬼才フリッチャイが遺した貴重なプローベ録音であることを再認識した。彼は残念ながら連作交響詩「わが祖国」全曲録音は残さなかったがこの「モルダウ」については他にベルリン・フィルと1960年ステレオ録音、「ボヘミアの森と草原から」をモノラルで1953年に録音している。(いずれも独グラモフォン)