私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

FMエア・チェック - 「イーリー大聖堂」におけるバーンスタインのマーラー「復活」

2013-04-14 12:03:48 | FMエア・チェック

  久しぶりに過去のFMエア・チェック、オープン・テープからバーンスタイン&ロンドン交響楽団ほかによるマーラー「交響曲第2番ハ短調<復活>」、イーリー大聖堂(英国)におけるライヴを再生してみた。筆者のデータによれば「1974年コンサート・ライヴ」としか無く放送期日が1989年8月13日NHK・FMの記載がある。バーンスタインは同時期に同メンバーで、この聖堂で別に映像、並びにレコード録音もしていた。(1973年~1974年)因みにFMで放送されたライヴ演奏では演奏終了後の拍手はカットされているがバーンスタインが登場する際の拍手は収録されている。彼の「第2番」は先の映像、レコード収録も含め3種の演奏が公式に市販されているがこのライヴ演奏も大変すばらしい。バーンスタイン56歳のまさに絶頂期のもので1970年来日時の「第9番」を彷彿させる。独唱はソプラノ、シーラ・アームストロング、メゾ・ソラノ、ジャネット・ベーカー、合唱、「エジンバラ音楽祭合唱団」。余談ながら演奏会場の「イーリー大聖堂」はケンブリッジ近郊に位置する900年余りの歴史を持つ美しい聖堂で塔は八角形である。

 


ユーリ・シモノフ&ボリショイ劇場管弦楽団、1979年来日公演から(FMエア・チェック)

2013-01-29 20:50:21 | FMエア・チェック

(ユーリ・シモノフ)

  久しぶりにお気に入りのFMエア・チェックテープから1本取り上げてみたい。今回はユーリ・シモノフ指揮ボリショイ劇場管弦楽団、1979年来日公演から10月12日東京文化会館におけるメイン・プログラム、ショスタコーヴィチ「交響曲第5番」の演奏である。この演奏も筆者にとっては1973年のムラヴィンスキー、レニングラード・フィル来日公演の演奏と並び忘れることができない。シモノフはこのロシア最古の歴史を持つこのオーケストラの首席指揮者に史上最年少29歳で就いた人である。(1970年) 以後たびたびの来日でファンも多いが彼のダイナミックな指揮ぶりは聴衆を圧倒させる。コンサートのフィナーレを飾ったこのショスタコーヴィチで会場の聴衆の興奮度は最高潮に達した。


ロリン・マゼールのプロコフィエフ「交響曲第5番」(FM エア・チェック)

2012-07-01 21:36:27 | FMエア・チェック

 意外なことにロリン・マゼール(写真)はプロコフィエフの交響曲を現在までに「第5番」と「第1番」を除き公式レコーディングをしてないようだ。因みに「第5番」は1977年に「クリーヴランド管弦楽団」(英デッカ)、「第1番」を1981年に「フランス国立管弦楽団」(CBS)と録音している。 

 実演では「第5番」を結構プログラムに取り上げており筆者の手元にも数種のFMエア・チェックテープがある。いずれも1970年代後半から1990年代に「NHK FM」でオン・エアされたものである。各々の詳細なデータは年代順に1978年11月21日ーサル・プレイエル(パリ)と1981年11月17日ーシャンゼリゼ劇場(パリ)の演奏が「フランス国立管弦楽団」、「ルツェルン国際音楽祭」、「クンスト・ハウス」(1991年9月5日)における演奏は「ウィーン・フィル」、そして「バイエルン放送交響楽団来日公演」(アクト・シティ浜松/1994年10月18日)のものである。

 時代とともにマゼールの演奏スタイルにも変化が見られるのは当然のことだがそれぞれの演奏時間もまた時代とともに遅くなっていることだ。具体的には1978年・81年の「フランス国立管弦楽団」との演奏はおよそ45分前後とレコード録音に近く1990年代の「ウィーン・フィル」や「バイエルン放送響」の演奏はさらに円熟味や繊細な深みも加わりテンポもかなり遅めにとり演奏時間も50分をはるかに越えている。これには今回改めて興味を引きつけられてしまった。

 


FMエア・チェック - ノリントン、ベルリン・フィルの「スコットランド」

2012-06-17 21:25:53 | FMエア・チェック

 ピリオド楽器のスペシャリスト、ロジャー・ノリントンがモダン楽器の世界名門オーケストラ - ベルリン・フィルに初登場したのは1998年4月のことだった。この時振ったメイン・プロはメンデルスゾーンの交響曲第3番イ短調「スコットランド」であった。(1998年4月20日ーベルリン・フィルハーモニーホール)この演奏はこの年の8月、「東京FM」の早朝放送「ザ・シンフォニー・フロム・ヨーロッパ」で紹介された。ノリントンはこの作品をそれまでに確か自らが創設したピリオド楽器によるオーケストラ「ロンドン・クラシカル・プレーヤーズ」と「第4番<イタリア>」と共にCD録音していたと思うが「ベルリン・フィル」とはどのような演奏ななるのか興味津々であった。

 個性的な解釈からも魅力を引くノリントンだがこのベルリン・フィルとの演奏は多少テンポを遅めにとった(全体の演奏時間が42分強)とどちらかと言えばオーソドックス・スタイルな「スコットランド」にむしろ新鮮味を感じた。その後彼は98年より首席指揮者をつとめている「シュトゥットガルト放送交響楽団」とライヴ録音(2004年9月/独ヘンスラー)しておりこちらも聴きものである。(写真下)


FMエア・チェックー「キッシンゲンの夏」音楽祭(1997)から

2012-06-07 16:51:06 | FMエア・チェック

  6月に入るとヨーロッパ各地で夏の音楽祭が始まる。筆者も気が向くと実際に音楽祭に足を運ぶ。小さな田舎町での音楽祭も大変興味深いものが数多くある。今日紹介する「キッシンゲンの夏」もそんなひとつである。

  「キッシンゲンの夏」(Kissinger Sommer)と呼ばれる音楽祭は毎年6月中旬から7月中旬にかけて南ドイツ・バイエルン州のの温泉地、バート・キッシンゲン(Bad Kissingen)で開催される人気の高い国際音楽祭である。ヨーロッパから著名なオーケストラ、ソリストたちが集まり多彩なプログラムが魅力である。とりわけ開催地バイエルン州を代表するオーケストラ、「バイエルン放送交響楽団」はその人気の的である。またこの音楽祭の目玉は毎年「NHK FM」放送で紹介されているので耳にされた方も大勢おられると思う。これまでに筆者が一番印象深かったものはサー・コリン・デイヴィスが先の「バイエルン放送響」を振ったコンサート(1997年)で「ヴォーン・ウィリアムス/交響曲第6番ホ短調」・「ブルックナー/交響曲第6番イ長調」というなんとも渋いプログラムである。(NHK FM/1998年放送)

 これは確か音楽祭開幕(1997年6月15日)、レゲンテンバウ(Regentenbau)大ホールでのライヴ録音だったと思うがこの二つの超地味な交響曲をデイヴィスが実に丁寧に深みのあるサウンドで聴かせている。


「シュレスヴィヒーホルスタイン音楽祭・1992」ーヴァントのブルックナー「第7番」

2012-05-16 20:47:10 | FMエア・チェック

  過去に「シュレスヴィヒーホルスタイン音楽祭(Schleswig-Holstein Musikfestivals)におけるギュンター・ヴァント/北ドイツ放送響のブルックナーの演奏については「第8番」の1987年ライヴ盤(EMI-Deutsche Harmonia Mundi)のCDを紹介したと思うが今回は1992年の「第7番」ライヴ演奏(FMエア・チェック)を取り上げてみたい。因みにこの音楽祭は毎年夏季にドイツの最北に位置する「シュレスヴィヒ・ホルスタイン州」の都市ーリューベック、キール、フレーンスブルクなどを中心に開催されている。

 この「第7番」の演奏は1992年の音楽祭オープニングとして先の「第8番」と同じリューベックのカテドラル(写真)で行われたライヴである。(1992年6月28日ライヴ録音)今回FMエア・チェックしたオープン・テープからCD-Rにコピー保存するため久しぶりに耳を傾けた。筆者も訪れたことがある聖堂だが残響時間が想像以上長い。ブルックナーの交響曲の響き、余韻を味わうにはまさにピッタリの会場である。ヴァントも響きの余韻が消えるのを待って次のフレーズに進めていく。従って彼が通常のコンサート・ホールで振った「第7番」の録音より演奏時間も幾分長くオーケストラの残響の余韻が印象的である。99年のベルリン・フィルとのライヴ盤(RVC)と共に今後も愛聴したい。

(リューベック、カテドラル)

 

 


FMエア・チェック - ヤコフ・クライツベルクの「エロイカ」

2012-03-24 13:33:49 | FMエア・チェック

 ロシア出身のヤコフ・クライツベルク(Yakov Kreizberg)はこれからがさらに期待される指揮者のひとりだったが昨年3月、51歳の若さで亡くなった。筆者は彼が2004年にウィーン交響楽団」と来日したときのことを思い起こした。彼のレパートリーは古典作品から現代作品にいたるまで多彩な持ち主だったがなかでも個人的に特に印象にのこるFMエア・チェック・ライヴ演奏が今日紹介したいベートーヴェン交響曲第3番「エロイカ」である。

 この演奏は彼の「ベルリン・コーミッシェ・オーパー(Komiche Oper Berlin)」の音楽監督時代のものでこのオペラ・ハウスのオーケストラ(ベルリン・コーミッシェオーパー管弦楽団)) を振った1997年10月16日、「コーミッシェ・オーパー」におけるコンサート・ライヴである。演奏はいたってオーソドックス・スタイルだが「第1楽章」の主提示部の反復も丁寧に実行するなどじっくりとこの大曲を聴かせている。またこのオーケストラのレコード録音自体もそれほど多くないので貴重な記録でもある。

(写真=コーミッシェオーパー、ベルリン)

 

 

 

 

 


FMエア・チェック、ベーム晩年のザルツブルク音楽祭ライヴから

2012-03-21 19:45:36 | FMエア・チェック

 現在、1970年代、80年代の「FMエ・チェック」オープン・テープの「CD-R」保存整理を進行中だがこれが結構手間隙かかる作業なので気が向いた時に一気に進めるようにしている。今日は最近整理したカール・ベーム&ウィーン・フィルの1977年、78年の「ザルツブルク祝祭音楽祭」ライヴから二点を取り上げてみたい。

 先ず1977年のコンサートからマウリツィオ・ポリーニをソリストに迎えたモーツアルトのピアノ協奏曲第23番イ長調K,488である。これは「祝祭大劇場」における8月17日のライヴ録音でこの日のメイン・プロ、ブルックナー交響曲第7番の前半に演奏されたものである。レコード録音はその前年にすでにこの組み合わせで行われており確か「第19番ヘ長調K.459」とのカップリングでリリースされた。(DG)今回の整理にあたりじっくりとこのライヴ演奏を聴いてみたがやはり二人の息があった優美なモーツアルトが楽しめた。ライヴ演奏ならではの会場の雰囲気も感じとれこれもライヴの魅力の一つと云えるだろう。

 もう一つは1978年のコンサートからベームにとっては大変珍しいプログラムでドヴォルザークの交響曲第9番ホ短調作品95「新世界から」である。これは8月6日の「祝祭大劇場」におけるライヴでベームはこれまでドヴォルザークの作品をほとんどコンサートでも取り上げることがなかったのでこの演奏は大変貴重なライヴ録音でもある。因みに彼はこのコンサートの約3ヶ月前に「ムジークフェラインザール」でこの作品の初の公式レコード録音を終えたばかりだった。(管弦楽/ウィーン・フィル)このLP(ドイツ・グラモフォン/写真下)については以前に紹介ずみと思うがこの実演はレコード以上に私には鋭い迫力を感じる「新世界」だった。

(ベーム&ウィーン・フィルの初の公式録音となったドヴォルザーク/1978年5月録音)

 

 


FMエア・チェック - ヴァント&バイエルン放送響のブルックナー

2012-02-29 23:00:31 | FMエア・チェック

 数ある過去のFMエア・チェック・オープン・テープを「CD-R」に整理進行中だが目鼻がつくまでまだまだ先が長い。そこで今回は今年生誕100年、没後10年になる巨匠ギュンター・ヴァントに先ずスポットを当てた。今日はその中から彼が「バイエルン放送交響楽団」に客演した際に振ったブルックナー「交響曲第5番」を取り上げてみたい。
 この演奏は1982年1月7日、このオーケストラの本拠地でもあるミュンヘンの「ヘルクレス・ザール」でのライヴ録音でNHKFMでこの年の8月25日に放送されたものである。ヴァントは1912年1月7日生まれなので偶然にもこのコンサートは彼が満70歳の誕生日を迎えた日であった。今回改めて聴いてみたがブルックナー指揮者としての彼の本領を充分にうなづける説得力あるものだった。トータルの演奏時間は約75分と彼の晩年の演奏と比較すればやや速い演奏だが引き締まったサウンドが魅力でこの放送オーケストラの巧さを引き出していた。当時、彼のブルックナーのレコードといえば「ケルン放送響」(独Harmonia Mundi)とのものが出ていたことが思い出される。また日本ではまだ彼の知名度はそれほど高くなかった時代でちょうどこの年に彼は「北ドイツ放送響」首席指揮者に就任している。「バイエルン放送響」とのブルックナーはレコード(CD)化もされてないと思われるのでその意味からも貴重な演奏である。

 



FMエア・チェック ー 「エッシェンバッハ&バンベルク響のブルックナー第8」

2011-12-27 22:09:12 | FMエア・チェック

 今日は久しぶりに過去のFMエア・チェック・オープンテープからクリストフ・エッシェンバッハ&バンベルク交響楽団によるブルックナー交響曲第8番を再生してみた。これは1989年10月1日、「ブッルクナー国際音楽祭ーブルックナーハウス(リンツ)」におけるライヴである。放送はNHKFMで翌年1990年9月20日に行われている。
 エッシェンバッハと云えば先ごろウィーン・フィルと来日公演で「第4番<ロマンティック>」を振って聴衆を魅了したばかりだがこの「バンベルク交響楽団」との「第8番」もズッシリと聴き応えがある演奏だ。因みに「1890年ノヴァーク版第2稿」による演奏である。エッシェンバッハのブルックナーは全般的にテンポが遅いことも特徴的だがこの「第8番」も第3楽章「アダージョ」が極端に遅い。参考までに録音データによれば各楽章の演奏時間はⅠ18:00 Ⅱ16:16 Ⅲ 32:09 Ⅳ 23:40でトータルで全体の演奏時間が90分余りを要している。
 ところでバンベルク響のブルックナー第8番の演奏でもう一つ思い浮かぶのがオイゲン・ヨフッムとの1982年9月15日の来日公演である。(NHKFM生中継。2001年にAlutsよりCD化)筆者も当日会場のNHKホールに足を運びその名演に興奮した。ヨッフムも基本的に「ノヴァーク版第2稿」による演奏だったと思うがトータル演奏時間は約81分である。このエッシェンバッハの演奏と比較して単純に約9分ほどの違いがあることも面白いことである。また彼が2005年の「プロムス」でウィーン・フィルを振った「第8番」の映像があるとのことでこちらもぜひ見てみたい。