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デュカの交響詩「魔法使いの弟子」

2009-02-07 03:36:31 | 管弦楽曲
 フランスの作曲家ポール・デュカ(Paul Dukas/1865~1935)は私にとってはなぜか不思議な魅力を持った音楽家だ。彼は年代的には印象派のドビュッシー(1862~1918)や反ロマン主義のサティ(1866~1925)とほぼ同時期に活躍した人である。特にドビュッシーとは親交を持ち印象派の手法も採り入れてはいるが印象派には属していない。この交響詩「魔法使いの弟子(L'apprenti sorcier)」は1897年の作品で前年に代表作の一つである交響曲ハ長調を完成している。
 「魔法使いの弟子」は通称で「ゲーテのバラードによるスケルツオ」というタイトルが付されている。つまりゲーテのバラードを仏語訳したテキストを基に音楽は「序奏とコーダ付きのスケルツオ」の形式で書かれている。バラードの内容は魔法使いの弟子が師匠の留守にまだ自分のものにしていない中途半端な呪文を箒にかけて大失敗をしてしまうという話だが音楽の方は実に巧く表現されている。
 私はこの作品を聴くたびに作曲者デュカの不思議な魅力にはまってしまう。まさにデュカの管弦楽法の魔法にかかった様だ。因みに私の愛聴盤はダニエル・バレンボイムがパリ管の音楽監督時代に録音したDG盤(1977年頃の録音/写真)やジャン・マルティノン/フランス国立管弦楽団(1971録音/エラート盤)である。いずれの盤もデュカの魅力を充分に楽しませてくれる演奏である。