みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

「仕事は人並み・プライベート重視」だったバブル世代、なぜか批判されない理由 - 単に数が多いから

2013-11-27 | いとすぎから見るこの社会-雇用と労働
個人的にはかつての資産バブルは極めて不愉快な時代として記憶に残っている。
唾棄すべき程度の低い人間が増長して札束を振り回して周囲を睥睨し、
蛆虫にも似た成金どもが大手を振って闊歩していた。

そして日本のバブルはバフェットもソロスも生み出さなかった。
資産バブルを急激に崩壊させたのが失策であったのは明白であるが、
「平成の鬼平」を望み、そしてバブルを崩壊させた国民感情は無視できない。
それだけバブル成金どもが日本人の憎しみを買っていたからである。
これはよく言われるような妬みだけでは到底説明できない。
日本のバブル経済の騒擾は大多数の国民に恩恵を上回る不快感を与えたのである。

労働市場においても資産バブルは見逃せない影響を与えた。
当時の新卒採用は「狂騒」と呼ぶのに相応しく、
今から考えると信じられないような慣行があった。

それを知っている者にとっては今の若年労働者への批判など笑止千万である。
バブル世代の「行状」の方が遥かに異常だった。
そして彼らが実社会に出てから日本経済は成長率低下・停滞に陥っている。

客観的かつ公平に労働者としての評価を行うなら、
バブル世代が槍玉に上げられるのは不可避である。

それになのにバブル世代が左程批判されない理由は明白だ。
彼らの数が多いからという単純な話である。
よく知られるようにメディアは多数派の奴隷であり、
多数派の欲望に奉仕することで生き長らえることができる。
そうしたメディアが少数派である若者や、搾取される未来世代のことなど
真面目に擁護する筈がない。利己的で責任転嫁する多数派に媚びるに決まっている。

▽ 利己的で欺瞞に満ちた「シルバー・デモクラシー」と構造は全く同じ

『人口負荷社会』(小峰隆夫,日本経済新聞出版社)


2015年頃迄は労働市場も活況で採用側が大変であろうが、
その後には確実に暗転が控えている。
またぞろ腐った連中が企業の手先となって「若者バッシング」を始めるだろう。

「あれほど内定拘束の厳しかったバブル期に、厳しい若者バッシングがあっただろうか?
 バブル期の方が遥かに若者が優秀であったのなら、何故その後に成長率が低下したのか」

「そもそも世代によって極端に質が上下する筈はなく、
 もし若年層の質が本当に下がったとすれば
 間違いなく彼らを育てた上の世代の責任ではないのか」

「少し前の景況悪化期に民間企業が採用を絞っていた時には、
 これから働く若者をバッシングする言説が氾濫していた」

「定年の近い高齢層(特に公務員)が賃金水準や厚待遇に固執し
 中小企業に行きたがらないのと若者の行動様式は同じであろう。
 また、若い大卒層が大企業を目指すのは日本の特殊かつ差別的な待遇のせいで、
 企業規模によって生涯賃金が左右されているのだから当然である」

「若者バッシングは所詮、採用を絞らなければならない時期の企業側の論理に過ぎず、
 業績悪化した企業の自己正当化・責任転嫁である」

「収益が悪化しても役員報酬が減額されないふざけた企業経営を見れば、
 彼らを信用できないのは明白である」

「特に雇用分野で既得権を握っており優位にある連中の話は
 殆ど自己利益を図る薄汚いポジショントークである。
 頭から爪先まで打算だらけの彼らを、絶対に信用してはならない」

企業が採用ターゲットを拡大せざるを得ない今の新卒市場の状況は、
当ウェブログの指摘が正しかったことを裏打ちするものと言えよう。

 ↓ 参考

若者バッシングが減った「大人の事情」- 内定辞退続出に慌てふためく企業、採用絞り込みによる自業自得
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/a98e28c2240d87e88fae719ea3b117f3

小学校レベルの算数ができない大人の方が、分数のできない学生より深刻 - 教授と職員の雇用が問題の根源
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/36d01d0a1821489cb81687115c191e4e

▽ 失業率と社会保険料負担は一貫して上昇しており、「次世代へのツケ回し」は明白

『世代間格差:人口減少社会を問いなおす』(加藤久和,筑摩書房)


バブル入社組 5年間で2万人の「半沢直樹」が生まれていた(SAPIO)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131123-00000005-pseven-bus_all
”1988年から1992年に社会人になった世代、俗にいう「バブル入社」世代は約850万人いる。ドラマ『半沢直樹』では八面六臂の活躍をしたが、現実のバブル入社組の多くは悲哀を味わっている。
 バブル入社組の有効求人倍率は毎年3倍に迫る勢いで、ピークの1991年には2.86倍に達した(リクルートワークス研究所調べ)。1人で3社の内定を得るのは当たり前だったことになる。ちなみに一回り年下の就職氷河期どん底世代は0.99倍だった(2000年)。
 バブル期の就職活動で今もよく語られるのが、空前の売り手市場で内定者を拘束するための接待伝説の数々。会社説明会に訪れた学生に交通費や宿泊費として3万~5万円を配っていた企業もある。45歳の大手旅行代理店勤務の男性が語る。
「地方の学生の中には1泊2日で会社説明会を7~8社回り、40万円を〝荒稼ぎ〟した人もいます。大企業では内定者を拘束するためにハワイなど海外に連れて行って遊ばせてくれました。中小企業でも国内の温泉でコンパニオン付きの宴会を催し、1人当たり20万円かけることも珍しくなかった
 大量採用されたバブル組は当時11行あった都市銀行だけで毎年約4000人に達する。
〔中略〕
 主要電機29社では1990~1992年まで毎年3万人近く採用された。ところが1993年になると1万5000人台まで半減し、翌1994年には8752人とさらに半減。いくつかの有名企業で1991年→2000年の採用数の変化を見てみると、鹿島建設は430人→83人、大成建設は545人→147人、サントリーは322人→170人へと激減している。武田薬品工業にいたっては335人→39人と、実に10分の 1近くになった(『サンデー毎日』就職クロスランキングより)。”

90年代以降に生まれた世代はこうした実態を知らないから、
自分が批判されると本気で悩んでしまう。
はっきり言って、バブル世代には今の若者を批判する資格などない。
有効求人倍率が何よりも雄弁に事実を語っている。


バブル組の9割 1日1回以上スマホでネットにアクセスする(SAPIO)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20131124-00000004-pseven-bus_all
”1988年から1992年に社会人になった世代、俗にいう「バブル入社」世代は約850万人いる。
〔中略〕
 日本生産性本部などが行なった新入社員意識調査の結果を経年変化で見ると、「人並み以上に働かなくていい」「仕事より生活が中心」「残業よりデートを優先」と答えた人の割合が1989~1992年のバブル組でピークを迎えた。仕事よりプライベートを重視する価値観への地殻変動がはじめて起こった世代とも言える。
 そんな彼らは今、どんな私生活を送っているのか。
 彼らの趣味がバブル終焉から約20年でどう変化したかをトヨタマーケティングジャパンと三菱総合研究所が調査(2011年)した結果、意外なほど慎ましい姿が浮かび上がった。
 1987年に公開された映画『私をスキーに連れてって』が大ヒット、バブル期と重なって空前のスキーブームに沸いていた1980年代後半、彼らの趣味は 1位「お酒」(38.3%)に次いで2位「スキー・スキューバダイビング」(27.3%)、3位「クルマ・ドライブ」(27.0%)だった。
 しかし、今は1位「パソコン・インターネット」(63.7%)、2位「国内旅行(温泉など)」(30.5%)、3位「お酒」(28.5%)。40代半ばになれば落ち着くのは当然とも言えるが、派手な流行や娯楽を追いかける様子は見られない。その下は「ウォーキング」や「ペットの世話」、「ガーデニング」などが続き、自宅周辺で事足りる趣味が目立つ。
 それもそのはずで、前述のように派手な趣味に費やす金銭的余裕はない。限られた予算のやり繰りで、1か月の飲み代「7152円」、趣味の費用「1万1353円」を何とか捻出しているのが実情だ(前出の新生銀行調査)。
 ただし、流行には今も敏感。「スマホ利用実態調査」(アイレップ=2013年)では、1988~1990年に就職したバブル組の9割が「1日1回以上」スマホでネットにアクセスしている。これは今年の新社会人と並ぶ高い数値だ。
〔中略〕
 この他、「Facebook」の利用率や「モバゲー」や「グリー」などのオンラインゲーム課金率が40代で顕著に高いというデータもある。”

そのバブル世代の価値観は以上の通り。
今は「失われた20年」に懲りて慎ましくなっただろうが
所詮はバブルに踊って価値観が歪んでしまったという側面は否定できない。
高飛車で強欲な女性を大勢生み出して後輩女子から白眼視されるようになった起源もこの時代である。
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