週刊エコノミストは銀行特集、
オンライン専業バンクに顧客が流出しているとの観測も出ている。
(セキュリティから考えて賢い選択肢とは思えないが)
業界関係者にも法人にも個人にもお薦めしたいのは
P24の覆面座談会、「借り手企業のホンネ」である。
仄聞する状況と一致しており、全くその通りだと思う。
○必要な時には来ないが、ノルマ達成のためなら調子のいいことを言ってくる
○融資先の「反社取引」には敏感なのに、自行の失態にはまず言い訳から
○リストラで30代の行員が少なく、取引先企業の事情など分かっていない
○評価は徹底的な減点主義、リスクを取らない人間が出世する
○地銀が首都圏に攻勢をかけるのは、バブル期と同じ
○今の首都圏不動産への貸出競争は危ない
特に問題なのは最後の不動産絡みの件で、数年後に重大な危機をもたらす可能性がある。
日本の銀行は基本的に横並びだから寄ってたかって問題を深刻化させる通弊があるからだ。
個人的に今後注目が集まるだろうと見ているのはP71、
在米ジャーナリスト岩田太郎氏による「米企業の高収益は公的扶助の悪用か」である。
以前からこの問題は囁かれていたが、既にかなり悪質な状況になっている。
マクドナルドの従業員相談ホットラインが困窮する従業員に
低所得者向け食料購入補助など公的扶助を受けるよう勧めた
証拠の録音を米メディアが報じたそうだ。
低賃金のサービス企業が政府に補助金を出させて人件費を抑制し、
増やした収益は経営陣への報酬や株主配当に回しているという批判である。
株主と企業の利益しか考えていない拝金病の亡者どもは日本国内にもいる。
彼らの主張を真に受けるとこういう腐った社会になるという良い教訓である。
ところで今回のエントリーのサブタイトルはP82の
みずほ総研・安井明彦氏の論考「同盟国への盗聴は許されるのか」より。
(安井氏の寄稿には以前にも注目しており、優れた書き手だと思う)
フランスのクシュネル元外相が自国も盗聴を行っていることを認め、
アメリカの盗聴能力の高さに妬ましさを感じるとのコメントをしている。
安井氏はこうした問題の発覚を、情報面で圧倒的な優位にある
米国を切り崩す機会として相手国が利用する可能性を指摘されている。
全くその通りで、青臭い世間知らずのスノーデンは
ロシア等の米国と対立する非民主的な国々にこの上ないプレゼントを贈った訳である。
◇ ◇ ◇ ◇
今週の『週刊ダイヤモンド』のサムスン特集は本当に素晴らしい。
唯一の弱点は、サムスンの「限界」が見えないことだ。
サムスンは円安ウォン高程度で簡単にくたばるような企業ではない。
何しろ会計を操作するというあり得ない技まで使ってくる企業である。
寧ろ日本企業はサムスンの投資戦略や人材招聘戦略、
欧米の弁護士を使いこなす巧みさを学ぶべきであろう。
(汚い揉み消しや隠蔽もあるがそれは真似してはいけない)
P45「サムスンに貢献した技術者ランキング」やP46「暗黒の技術流出40年史」、
P48「ダイヤモンドの記者に会ったらクビ」との証言もある匿名座談会、
P56「カネで揉み消す〝死の工場〟」等は必見である。
日本人で平気でサムスン製スマホを買っている連中は、
こうした醜い実態を全く分かっていない。
サムスン製品を買う者は、こうした醜いサムスン経営を支えていることになる。
サムスンがこのように厳しい情報管理を行い、
日本企業の技術を巧みに取り入れ、或いは盗み出すことができたのは、
主として軍や公安から人材をリクルートしているためである。
(当ウェブログが左側に掲載している『サムスンの真実』を参照のこと)
太平洋戦争の頃から続く、伝統的に諜報を軽視してきた日本の宿命的弱点であろう。
サムスンから人材をリクルートする等の対策が必要である。
◇ ◇ ◇ ◇
『週刊東洋経済』の英語特集は関心ある向きには良いと思う。
最近増えているアジアへの「英語留学」には役立つ情報がある。
しかし当ウェブログとしてはサブ特集の「PV争奪戦」を評価したい。
この特集で「成功」とされる日経も価格設定のしょうもない社内事情で
米メディア電子版の足元にも及ばないという現状は書くべきと思うが。
個人的には今の大手紙有料版は魅力が乏しく、
アウトソースしてもっと価格の安いセレクト型販売を行うべきだと考える。
あとBLOGOSのようなオピニオンサイトのPVや収益性を調べれば面白いだろう。
それで日本のネット論壇の貧困さが浮き彫りになるだろうが。
メイン特集では後半の、下掲書の方のページが良かった。
実践的でビジネスにすぐ使える。
▽ かなり有名な方だったんですね。
まだ内容を確認していないが、お買い得の「気配」を感じる。
◇ ◇ ◇ ◇
次週も週刊東洋経済に注目。定番気味だが深掘りできるテーマではある。
▽ ところで日本企業は白物家電で新興国市場に食い込めたのだろうか?
▽ ダイヤモンド誌は切り口を変えた資産運用特集だがタイミング悪い。来春にとっておけば。。
▽ エコノミストはもはや定番となりつつある中国経済。現状は「絶望」ではなく「停滞」だと思う。
メインではない「東電解体」の方が面白いかも。
何せあの連中は国民の怒りを買うような失態を次々としでかす習性があるから。
オンライン専業バンクに顧客が流出しているとの観測も出ている。
(セキュリティから考えて賢い選択肢とは思えないが)
業界関係者にも法人にも個人にもお薦めしたいのは
P24の覆面座談会、「借り手企業のホンネ」である。
仄聞する状況と一致しており、全くその通りだと思う。
○必要な時には来ないが、ノルマ達成のためなら調子のいいことを言ってくる
○融資先の「反社取引」には敏感なのに、自行の失態にはまず言い訳から
○リストラで30代の行員が少なく、取引先企業の事情など分かっていない
○評価は徹底的な減点主義、リスクを取らない人間が出世する
○地銀が首都圏に攻勢をかけるのは、バブル期と同じ
○今の首都圏不動産への貸出競争は危ない
特に問題なのは最後の不動産絡みの件で、数年後に重大な危機をもたらす可能性がある。
日本の銀行は基本的に横並びだから寄ってたかって問題を深刻化させる通弊があるからだ。
『エコノミスト』2013年 11/19号 | |
個人的に今後注目が集まるだろうと見ているのはP71、
在米ジャーナリスト岩田太郎氏による「米企業の高収益は公的扶助の悪用か」である。
以前からこの問題は囁かれていたが、既にかなり悪質な状況になっている。
マクドナルドの従業員相談ホットラインが困窮する従業員に
低所得者向け食料購入補助など公的扶助を受けるよう勧めた
証拠の録音を米メディアが報じたそうだ。
低賃金のサービス企業が政府に補助金を出させて人件費を抑制し、
増やした収益は経営陣への報酬や株主配当に回しているという批判である。
株主と企業の利益しか考えていない拝金病の亡者どもは日本国内にもいる。
彼らの主張を真に受けるとこういう腐った社会になるという良い教訓である。
ところで今回のエントリーのサブタイトルはP82の
みずほ総研・安井明彦氏の論考「同盟国への盗聴は許されるのか」より。
(安井氏の寄稿には以前にも注目しており、優れた書き手だと思う)
フランスのクシュネル元外相が自国も盗聴を行っていることを認め、
アメリカの盗聴能力の高さに妬ましさを感じるとのコメントをしている。
安井氏はこうした問題の発覚を、情報面で圧倒的な優位にある
米国を切り崩す機会として相手国が利用する可能性を指摘されている。
全くその通りで、青臭い世間知らずのスノーデンは
ロシア等の米国と対立する非民主的な国々にこの上ないプレゼントを贈った訳である。
◇ ◇ ◇ ◇
今週の『週刊ダイヤモンド』のサムスン特集は本当に素晴らしい。
唯一の弱点は、サムスンの「限界」が見えないことだ。
サムスンは円安ウォン高程度で簡単にくたばるような企業ではない。
何しろ会計を操作するというあり得ない技まで使ってくる企業である。
寧ろ日本企業はサムスンの投資戦略や人材招聘戦略、
欧米の弁護士を使いこなす巧みさを学ぶべきであろう。
(汚い揉み消しや隠蔽もあるがそれは真似してはいけない)
P45「サムスンに貢献した技術者ランキング」やP46「暗黒の技術流出40年史」、
P48「ダイヤモンドの記者に会ったらクビ」との証言もある匿名座談会、
P56「カネで揉み消す〝死の工場〟」等は必見である。
日本人で平気でサムスン製スマホを買っている連中は、
こうした醜い実態を全く分かっていない。
サムスン製品を買う者は、こうした醜いサムスン経営を支えていることになる。
『週刊ダイヤモンド』2013年 11/16号 | |
サムスンがこのように厳しい情報管理を行い、
日本企業の技術を巧みに取り入れ、或いは盗み出すことができたのは、
主として軍や公安から人材をリクルートしているためである。
(当ウェブログが左側に掲載している『サムスンの真実』を参照のこと)
太平洋戦争の頃から続く、伝統的に諜報を軽視してきた日本の宿命的弱点であろう。
サムスンから人材をリクルートする等の対策が必要である。
◇ ◇ ◇ ◇
『週刊東洋経済』の英語特集は関心ある向きには良いと思う。
最近増えているアジアへの「英語留学」には役立つ情報がある。
しかし当ウェブログとしてはサブ特集の「PV争奪戦」を評価したい。
この特集で「成功」とされる日経も価格設定のしょうもない社内事情で
米メディア電子版の足元にも及ばないという現状は書くべきと思うが。
個人的には今の大手紙有料版は魅力が乏しく、
アウトソースしてもっと価格の安いセレクト型販売を行うべきだと考える。
あとBLOGOSのようなオピニオンサイトのPVや収益性を調べれば面白いだろう。
それで日本のネット論壇の貧困さが浮き彫りになるだろうが。
『週刊東洋経済』2013年 11/16号 | |
メイン特集では後半の、下掲書の方のページが良かった。
実践的でビジネスにすぐ使える。
▽ かなり有名な方だったんですね。
『カリスマ同時通訳者が教える ビジネスパーソンの英単語帳』(関谷絵里子,ディスカヴァー・トゥエンティワン) | |
まだ内容を確認していないが、お買い得の「気配」を感じる。
◇ ◇ ◇ ◇
次週も週刊東洋経済に注目。定番気味だが深掘りできるテーマではある。
▽ ところで日本企業は白物家電で新興国市場に食い込めたのだろうか?
『週刊東洋経済』2013年 11/23号 | |
▽ ダイヤモンド誌は切り口を変えた資産運用特集だがタイミング悪い。来春にとっておけば。。
『週刊ダイヤモンド』2013年 11/23号 | |
▽ エコノミストはもはや定番となりつつある中国経済。現状は「絶望」ではなく「停滞」だと思う。
『エコノミスト』2013年 11/26号 | |
メインではない「東電解体」の方が面白いかも。
何せあの連中は国民の怒りを買うような失態を次々としでかす習性があるから。