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変換効率85%の太陽電池を石橋晃・北大教授らが開発 - 東大発ベンチャーは熱回収型、進化する太陽電池

2013-01-10 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
当ウェブログが前々から言っているように、太陽光発電のイノベーションが速い。

北海道大学では理論変換効率85%という驚異的な太陽電池が開発され、
東京大学発のベンチャーでは太陽光を追尾し熱利用もできる
効率の高い新型太陽光発電システムが実用化されつつある。

何度も繰り返しているように、既にして揚水発電よりもコストの安い
太陽電池は夏の消費電力ピーク帯において必須である。
現下の技術開発の進捗を見れば、更なる価格低下と効率向上は確実である。

一向にバックエンドと安全性のコスト問題が解決しない
投機的なエネルギー源である原子力発電とは大違いだ。

あとは従前から主張しているように送電線投資が必要で
送電ロスも生じるメガソーラーを排除することである。
    ↓

「何より、非住宅用の所謂メガソーラーの伸びが想定以上に早過ぎる。
 次年度から即刻、メガソーラーの買取価格を引き下げるべきである。
 巷間言われているようにメガソーラーの適正買い取り価格水準は30円前後だろう」

「非住宅用のメガソーラーは、一律の買取価格を廃止しなければならない。
 そして自家消費分を優遇する「ドイツ方式」にシフトすべきだ。
 企業等が自らの施設で太陽光発電を行えば送電網増強は不要である」

太陽電池のイノベーションを促す買い取り制度の改革も必要だ。
耐久性に懸念のある中国製パネルを優遇する必要など全くない。

▽ ドイツは太陽光発電の自家消費を優遇し始めている

『国民のためのエネルギー原論』(植田和弘/梶山恵司,日本経済新聞出版社)


 ↓ 着々と拡大する太陽光発電

東京都環境局、「屋根貸し」太陽光発電の仲介事業開始へ - 屋根をレンタルするだけで売電収入に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/4d900e06cd14ec263a5165672c80e327

年間3000万円の売電収入、大和ハウス工業が太陽光発電に本格参入-楽天も太陽電池を大幅値下げで攻勢に
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/8c620a01100f935c6b2a9d60de375996

▽ 拡大を急ぎすぎたドイツの失敗に学び、イノベーションを促す制度にすべきである

『脱原発を決めたドイツの挑戦 再生可能エネルギー大国への道』(熊谷徹,角川グループパブリッシング)


太陽電池「変換効率85%」 北大、実験で原理確認(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO49959570U2A221C1TJM000/
北海道大学の石橋晃教授らは太陽電池のエネルギー変換効率を高める技術を開発した。理論上は85%まで上がる見通しだ。ふつうの太陽電池では40%台にするのも難しい。種類が違う半導体の材料を幾つも使い、太陽光の大半を電気に変える。今は原理を確かめた段階で、早期の実用化を目指す。
 光が進む方向に複数の半導体の薄膜を順に並べ、紫外光、可視光、赤外光の順に吸収する。〔以下略〕”

以前からこの技術については期待されてきたが、早くも実用化が見えてきた。
東大や政府系研究機関も太陽電池の効率向上を急いでいる。
切磋琢磨して国民の期待に応える技術を開発してくれるに相違ない。


発電と熱回収、太陽追尾で“二役” 東大発ベンチャーが開発(産経新聞)
http://www.sankeibiz.jp/business/news/121223/bsc1212231011000-n1.htm
東京大学発のベンチャー企業、スマートソーラーインターナショナル(仙台市)は太陽を自動で追尾し、発電と熱回収の“二役”をこなす太陽光発電システムを開発した。
 太陽光をエネルギーに換える変換効率は、太陽光発電単独に比べ2倍の最大40%超を実現した。
7月から再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取る「固定価格買い取り制度」が始まり、太陽光発電の普及が加速しているが一方で効率向上やコスト低減を求める声が強まっている。
 システムは太陽電池のセルを六角形に組み合わせて筒状にし、周りを半円形の反射鏡で囲む。この鏡が太陽の向きに合わせて動き、太陽光を装置中心のセルに集めて発電する仕組み。太陽の位置が低い冬でも効率良く発電できるという。
 太陽電池を包むガラス管の中の冷媒が発電と同時に発生する熱も回収する。発電した電気は照明などに使えるほか、電力会社へ売電もできる。熱は温水としてハウス栽培や工場、ビルの暖房などに活用する。

 平成25年度から装置を5千台以上組み合わせ、発電能力が1千キロワット超の大規模システムの本格販売にも乗り出す。農業事業者や工場などに売り込む方針で、余剰電力は電力会社への売電を想定している。価格は4億円程度の見込みだが、ハウス栽培に導入した場合、8年間で初期費用を回収できるという。27年度に100億円の売上高を目指している。
〔中略〕
 市販の太陽光発電のエネルギー変換効率は最大20%超にとどまり、メガソーラーの建設には大規模な場所が必要。また、太陽光発電のコストが高止まりしたままだと、電気料金に転嫁される国民負担が増える懸念もある。
 このため、狭い場所でも一定の発電量を確保する高効率のシステムが求められている。スマートソーラーインターナショナルは、シャープ元常務で東京大学先端科学技術研究センターの富田孝司特任教授が平成21年8月に設立した。”

直近では熱回収ができる太陽光発電システムが開発されている。
こちらは設備投資額が大きいので、確かに農業や工場向けだろう。

財界によくいる、折角優遇された再生可能エネルギーへの投資もせずに
原発再稼働ばかり叫ぶ保守退嬰・電力利権癒着企業は早く反省し、
災害リスクをヘッジして新規投資を行うべきではないか。

電力利権と一体化した中央集権型の電力供給システムのリスクの高さは
東日本大震災ではっきり証明されたのをもう忘れたのか。
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