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『週刊ダイヤモンド』9月27日号 -「ヒト・モノ・カネが減ってゆく日本は致命的」富裕層は祖国を見捨てた

2014-09-26 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週の『週刊ダイヤモンド』は富裕層特集、P52だけは絶対読んだ方が良い。
日本人富裕層の剥き出しの本音の一端が窺える。

矢張り当ウェブログが指摘したように、富裕層のプロパガンダは自己利益の追求に過ぎない。
税率を下げたところで日本経済は復活せず、富裕層の懐だけ肥え太る。
衰退トレンドに突入している日本で稼ぎにくくなったから税率に文句を言い、
算盤勘定を逞しくして何時でも海外に脱出できる心づもりでいるのだ。

P52ではスカイキャピタルの志村暢彦氏が
日本の構造問題として「債務と人口」を挙げ、
「今後、日本ではヒト・モノ・カネが減っていく。
 これは投資やビジネスでは致命的で、円が弱くなっていくのも間違いない」

と語っている。(当ウェブログの見解と完璧に一致する)

香港やシンガポールといった汚いカネも受け入れる最強の守秘法域が近くにある以上、
海外に富裕層が出ていくのは止めようがない。
元日本国民の彼らが日本で消費額を増やせるよう、
特別ビザ適用や投資優遇を行わざるを得ないだろう。
その方が国内で減税するより遥かに内需にポジティブである。
(減税と違い、内需に貢献する者だけを優遇するスキームだから)

『週刊ダイヤモンド』2014年9/27号特集激変 お金持ちに学ぶ殖やし方、使い方/円安襲来! 富裕層投資に激震/新興金持ちの投資ポートフォリオを徹底解剖/特集2 増加する大人の発達障害


意外な収穫だったのはサブ特集「大人の発達障害」である。
P114での特徴の整理やP116の「向く仕事、向かない仕事」は本当に素晴らしい。
(日本のアクの強いベンチャー経営者の中にこのタイプがかなりいると思う)

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊エコノミスト』は特集「ランキングで見る世界経済」。
読み込むと良い記事が幾つかある。

昨年はアベノミクスをヨイショしていた永濱氏が
日本の低成長に「人口減が大きく響いている」と認め始めており、
掌の返し方がうまいと思った。
(蛇足ながら当ウェブログは、10年以上前からこの問題の重大性を繰り返し指摘してきた)

『エコノミスト』2014年 9/30号


エコノミスト・リポートでは太田聰一・慶大教授が若年雇用問題を取り上げている。
労働者全体の賃金が伸び悩んでいること、大卒就職が景気動向に左右されること、
いずれも指摘も正しいが、処方然が余りにもシャビーだ。

「企業倫理の再構築」など企業に言っても「馬に念仏」以下でしかない。
残業割増賃金を引き上げつつ過労死を起こした企業に厳罰を科し、
給付付き税額控除や就業訓練に税収を投入すべきである。
その程度のことがどうして提言できないのだろう。

我が国の社会保障が醜く歪んでいて高齢層にばかり手厚く、
再分配で不平等度が高まる悪質な制度であることはP45からも分かるではないか。

    ◇     ◇     ◇     ◇

『週刊東洋経済』の歴史特集は情報を詰め込み過ぎで冗長になっている。

今の中国や韓国の立場から日本を捉えること、
対立する論点を一覧にして「地雷」がどこにあるか明らかにすることで
もっと様々な問題を明快に整理できた筈である。

『週刊東洋経済』2014年 9/27号


小さい記事であるが、欧米の見方は非常に参考になる。
矢張り単細胞な保守は国際情勢が全く分かっておらず、
日本が「歴史修正主義」として疑われている現状に対し盲目である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンドに注目。これは年頭と同じく「売りサイン」である気配が濃厚だ。

▽ また懲りずに「日経2万円」説が出てきた

『週刊ダイヤモンド』2014年 10/4号円安再燃! いま狙う株・投信・外貨投資


▽ メイン特集よりも生コンの価格吊り上げ疑惑など小ネタの方が興味深い

『週刊東洋経済』2014年 10/4号


▽ エコノミストは珍しく建設株特集、愚劣なアベノミクスと同じく「瞬間風速」で終わる運命であろう

『週刊エコノミスト』2014年 10/7号

数年後にはこのツケが回ってきてのたうち回る可能性が極めて高い。
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