みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

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初秋の注目新刊 -『日本の地価が3分の1になる!』『米軍と人民解放軍』『地方消滅』etc

2014-09-13 | こんな本を読んでいます
連休恒例の新刊紹介。
新書でかなりいい本が出ています。
出版界ではアベノミクスの無様な末路は既に確定的になったかと。

『日本の地価が3分の1になる! 2020年 東京オリンピック後の危機』(三浦展/麗澤大学・清水千弘研究室,光文社)


 → まだ出版されていないが、タイトルの結論は確度が高いものと思われる。
   三浦展氏のやっつけ仕事ではなく、研究者と組んで
   日本の不動産市場の計量分析を行っているようである。
   金融市場ばかりか不動産市場でも愚劣なアベノミクスの悪影響は必至だ。


『米軍と人民解放軍 米国防総省の対中戦略』(布施哲,講談社)


 → 著者は防衛大院卒のテレビ朝日記者、
   安全保障分野では『暗流』以来の必読作である。
   思考回路が粗雑な保守派など足元にも及ばない質の高い内容で、
   じっくりと査読が必要な本格的一冊だ。


『地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減』(増田寛也,中央公論新社)


 → こちらはデータ集のようなものであくまでも議論のたたき台。
   但し決定的な欠陥があり、女性就労率の向上と出生率回復を両立するために
   高齢者に大きく偏った社会保障予算の配分を是正すること、
   長野県下條村や北欧のような手厚い現物給付なら状況が一変することを書いていない。
   (つまり、少子化・人口流出に大きな責任のある自治体の無策に触れていない)
   藻谷氏も相手に遠慮してストロー現象のような「不都合な事実」の指摘を自己規制している。


『中国食品工場のブラックホール』(福島香織,扶桑社)


 → 中国ウォッチャーの著者が中国の食の安全性の問題に斬り込んだ。
   都市部と農村部の二重国籍と過酷な格差が食分野にも深刻な悪影響を与えている。
   ただ著者は元産経なので政治バイアスには注意。


『まさか発達障害だったなんて』(星野仁彦/さかもと未明,PHP研究所)


 → 体験談を元にしており、興味深い。
   現実に、様々な職場にこうした発達障害が意外に多いと思う。
   (鬱病とされる患者の中の相当数が実は発達障害とする説がある)


『データでわかる日本の新富裕層』(三浦展,洋泉社)


 → こちらは以前より紹介済み。粗いデータだがなかなか参考になる。
   矢張り予想通り、日本の富裕層は困窮している他人への共感が弱いようである。
   社会福祉や再分配に対して敵対的な意識を持っているだけでなく、
   原発再稼働への賛成派も相対的に多く、自分には関係ないから
   他人の困窮よりも我が身の儲けが大事と思っている可能性が高い。

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