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鉄道の送電網を使った電力供給、大阪で実証実験開始 - 電力大手からの「自立」で投資増加・経済活性化

2014-09-25 | いとすぎの見るこの社会-地球環境を考える
日本政府が非効率的なメガソーラーの制限を怠っている間に、
電力大手が再生可能エネルギーの受け入れを続々拒否し始めた。

容易に予想できることであったにも関わらず、
こうした自滅的な失策で一番喜んでいるのは原子力利権勢力である。

市場を占有して公費の恩恵をたっぷり受け、安定的に稼ぎたい彼らは
再稼働による利得に涎をたらし、嬉々として巻き返しを始めている。
こうした見え透いたレントシーカーの策動を撃滅するためにも、
新しいエネルギー政策と新しい電力システムが必要である。
そうしなければ日本経済は電力利権という足枷によって成長を抑圧される。

日本の送電網はエネルギーの無駄が多い大型発電所を前提とし、
収益は電力大手が独占できるようになっているため、
我々が投資を増やし、エネルギーコストを下げるためには
電力システムそのものを変革しなければならない。

だから重要なのは電力システムの合理化である。
三井不動産が導入しようとしている電力融通や、
大阪で実証実験が始まっている鉄道の送電網利用がその有力な手段だ。

我々は大型発電所からエネルギーを買うのではなく、
小規模分散でエネルギー利用を効率化しなければならない。
それは既存の送電網の役割を縮小させることではじめて可能になる。

▽ 原発に代表される中央集権型の電力システムは、政治と癒着しカネで利権を維持しようとする

『原発利権を追う 電力をめぐるカネと権力の構造』(朝日新聞出版)


電力利権の強大な政治力を削ぐには、彼らから買う電気をばっさり削減すればよい。
それで新規投資が増え、経済成長に寄与する良策である。

「無駄の多いメガソーラーへの締め付けを強化し、
 買取価格も引き下げなければならない今、経産省の動きが遅過ぎる」

「人口密集地の屋根を有効に利用し、効率的な太陽光発電を実現するため、
 自家発電・自家消費を優遇するスキームに変えるとともに、
 高性能な日本製パネルのイノベーションを促進するべきである」

「石油危機の際と同様、日本企業はエネルギー制約を逆手にとって成長できる。
 そのために、膨大なエネルギー・ロスの元凶である原子力を封じ込めなければならない」

「大都市圏を見渡すとすぐに分かるが、太陽光発電の拡大余地はまだまだ大きい。
 「遊休屋根」とでも言うべき場所が一面に広がっている勿体ない状況である」

「太陽光発電の威力は都心のオフィスビルよりも郊外の住宅地で発揮される。
 日本の大都市の多くは日照条件が良く、太陽光発電に向いているからだ。
 (公共施設や海沿いの工場・倉庫も同様である)」

「「負担抑制」のために、メガソーラーの買取価格を大幅に引き下げ、
 自家消費分の買い取り算入を急ぐべきである」

電力利権のために再生可能エネの非力を印象づけたい官庁など無視し、
日本国民は着々とエネルギーシステムの効率化を実行すべきである。

 ↓ 参考

黒川浩助特任教授「近いうちに太陽光発電の賦課金はなくせる」- ゼロエネルギーのビル・住宅が続々登場
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/e76b45fd308063a040456968b958a3ac

三井不動産が太陽光発電で電気料金を約25%削減、地域内での電力融通を開始 - パネルのコストも着々と低下
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/107071bf6f5c5c1f0a217b030370867c

昭和シェル「補助金なしで太陽光発電が拡大する」- パネル製造コストを半減、中国企業に勝つ自信を示す
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/11e0d6174039ae71edec2876bbc97ced

▽ 日本で最もエネルギーを無駄にしているのは、大型発電所である

『国民のためのエネルギー原論』(植田和弘/梶山恵司,日本経済新聞出版社)


再生エネ受け入れを九電が保留、東北電も検討(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ2504I_V20C14A9TJ1000/
”東北電力の海輪誠社長は25日の記者会見で、再生可能エネルギーの発電事業者からの送電網への接続申し込みについて回答を保留する検討を始めたことを明らかにした。
〔中略〕
 東北電が外部の太陽光発電設備から購入する電力の出力は8月末時点で105万キロワット。これに対し、国が新潟県を含む東北7県で設備認定した再生エネ施設全体の出力は5月末で1149万キロワットに達する。順次完成すれば、天候による発電量の急な増減を吸収できず電力の安定供給に影響を及ぼす恐れがある。
 再生エネの固定価格買い取り制度を使った売電を前提にしていた発電事業者は計画変更を迫られることになりそうだ。
 京セラなどは長崎県の離島で世界最大級の出力43万キロワットのメガソーラーの事業化を検討中。送電網への接続が最大の課題に浮上し「協力する各企業と連携し、九電と協議していきたい」(京セラ)と話す。
〔中略〕
 再生エネの急拡大に送電網の能力が追いつかない事態は他の電力会社でも起きている。東京電力は群馬、栃木など5県の一部で太陽光発電設備などの送電線接続を制限している。送電網の拡充支援や買い取り制度の見直しが必要になりそうだ。”

電力大手の経営上の立場から言えば、原発を稼働できないと
安定収益を確保できないわけだから再生可能エネの受け入れに消極的なのは当然だ。
だから既存送電網に制約を受ける売電用メガソーラーは愚劣なのである。

既存送電網の制約を受けず送電ロスも生じない自家消費に重点を置き、
電力大手から横槍が入らない買取制度にしなければならないのだ。


大阪市、電力会社介さず送電実験 鉄道送電線を活用(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB22028_W4A920C1MM0000/
”大阪市は市営鉄道の送電線設備を使い、電力を送る実証実験を11月から始める。電力会社の送配電網を介さず、自家発電設備と周辺施設を結び、電力を供給する。鉄道の送電線を使って電力を送るのは全国でも珍しい。実用化すれば、再生可能エネルギーなど特定の電源で発電した電力のみが購入できるなど、新しい電力サービスが普及する可能性もある。〔以下略〕”

太陽光発電による電力融通ばかりでなく、
独自に送電網を持つ鉄道の送電線を利用する試みも始まっている。

法制度のハードルをクリアする必要があるそうであるが、
言う迄もなく鉄道網の周辺には人口が集中しており、
太陽光発電もコージェネレーションも拡大余地が大きい。

電力大手の既存の送電網など使わず、大型発電所でのロスをカットして
我々が自力で太陽光発電を行い、コージェネを普及拡大させることで
輸入燃料を大幅に削減でき、投資が増えて日本経済を成長させることができる。
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