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『週刊ダイヤモンド』8月3日号 - 円安スパイラルを識者が信じ喧伝するのが、円高大転換の誘因に

2024-08-01 | 『週刊ダイヤモンド』より
今週のダイヤモンド誌は老後特集、
ランキング類がどこまで当てになるかは不明だが
「サービスと料金は比例関係」なのだけは確実だろう。

エントリーのサブタイトルは「数字は語る」より。
「円の購買力は歴史的低水準 円安スパイラルを招いた根本要因に対処せよ」
とみずほ総研のエコノミストが書いているが、
これこそが今週、円高に大きく振れた一大要因である。
市場参加者の多くが円安を見込んで巨額の投機ポジションを積み上げたため
想定外の事態になると急激に市場が崩れる、という訳だ。

エコミスト氏は研究開発費不足や人手不足、エネルギー自給率の低さが
円安スパイラルの要因と指摘しているのだが、
それではウクライナ侵攻以降の急激な円安を説明出来る訳がない。

田中泰輔氏のような慧眼の士は既に今年の円高を想定していた。
しかし多くのエコノミストやアナリストは目先しか見えておらず
円安の継続を妄信していた。だから円高の直撃を食らったのである。

ジムロジャーズや沢上氏は明確な警告を発していたのに
耳の遠い者には往々にして聞こえないのである。

『週刊ダイヤモンド』 2024年8/3号 (自分と親の「終の住み家」)


今週も最も宜しくないのは佐藤優氏の連載。
イスラエルがヒズボラに核を使いかねないように書いているが、
明らかに劣勢な相手に核使用の可能性など皆無に等しく、
氏は今春にもモスクワでのテロ事件で第三次世界大戦の可能性などと
週刊誌相手に針小棒大なコメントをして見事に外れるという「実績」がある。

本人が戦場で目撃した訳でもないのにガザ地区の病院から
攻撃があったとイスラエルの主張を鵜呑みにする始末で、
だったらガザで、日本も支援してくれた著名NGOを
イスラエル軍が誤って攻撃した件はどうなのか。
冷静な情報分析では全くなく、カウンターパートで
情報機関と長い付き合いのあるイスラエルを庇っているとしか見えない。
ウクライナ侵攻で一貫してロシアを庇っているのとよく似た党派的言動である。

    ◇     ◇     ◇     ◇

東洋経済の副業開業特集は、はっきり言って宜しくない。
いかにも耳学問的な内容で事例も乏しい。
東洋経済の記者が実際に稼げるか試して記事にすれば良かろうに。
今回の特集ははっきり言って評判悪いだろうと思う。


今週号の東洋経済で面白い記事は、研究者の寄稿による
フランスの「市民参加型予算」ぐらいではないか。

『週刊東洋経済』2024/8/3号 (40〜50代のための副業・開業のススメ)


佐藤優氏の連載は、今週もエストニアの続き。
これはこれで回想として悪くない。
氏による現在のロシアやイスラエルの分析より遥かにましだ。
また、氏は情報を人脈によって取ってくるものであることを自ら認めており、
情勢分析や先見性では屡々驚くほどの不手際を見せるのもやむを得ないのだろう。

例えば氏は直近のAERAでトランプが銃撃事件後に
信仰要因で改心したかのような主観的見解を繰り返しているが、
法学部出身者をこっぴどく批判していた氏の過去の言動に従えば、
氏のこれらの言動も神学部出身者の弊と解釈出来るのではないだろうか。
読者諸賢は、氏の言論がどこまで信用できるか、先見性はあるのか、
冷ややかに事実と付き合わせて判断されることをお勧めしたい。

    ◇     ◇     ◇     ◇

エコノミストの老後特集。
恒例になっても働くべきという正論だけではもたないせいか
地方移住を推しているのが新味と言えようか。

西日本の方が生活満足度が高いのは個人的には疑問だ。
地域によってかなり違う筈だし個々の価値観にもよるだろう。

『週刊エコノミスト』2024年8/6号【特集:足りる?足りない?老後資金】


市岡繁男氏は今週はマーケット関連ではなく
珍しく都道府県毎の人口動態を分析している。

数値を見ると、世界で最も少子高齢化が進んだ日本経済の現状は
日本における東京と秋田の格差拡大の状況とよく似ている。
日本経済の衰退はほぼ人口動態と高齢者に偏頗した社会保障制度で説明できよう。

    ◇     ◇     ◇     ◇

次週はダイヤモンド得意のホテル特集に注目、外資系による大攻勢の成否はいかに?

▽ 名物の各種ランキングは今回も力が入っているが、世界の富裕層集客はまだまだのような。。

『週刊ダイヤモンド』2024年 8/10・17合併特大号 (最強のホテル)


▽ 東洋経済はエヌビディア特集、煽動型のユルマズが「危ういAI半導体バブル」とするのは意外に鋭い

『週刊東洋経済』2024年8/10・8/17合併号 (半導体 覇権)


▽ エコノミストの世界・日本経済特集では、東証とNYが最高値の想定で思い切り逆指標に。。

『週刊エコノミスト』2024年8/13・20合併号【特集:世界&日本経済 下期総予測】

中国経済低迷とゴールド2600~2700$は的確と思うが。。
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